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ノベルスから文庫へとのリニューアルです。
郁(受様)は両親を亡くし、孤児院に引き取られました。原因不明の病気もあり、周囲の人からは厄介者扱いされ……とっても可哀想です。
そこへ、ある理由により郁を探していたアーサー(攻様で侯爵家跡取り様)が登場。郁を引き取り、屋敷に連れて帰ります。
病気は治療され、少しずつ郁は元気になっていきます。
……アーサーは激甘です。
…しかし、そんな時に事件が!!
アーサーの伯父であるイアンが、郁にキスしている場面を、アーサーは見てしまうのです。
イアンは嫌な奴です。働かずに、侯爵家にお金の無心ばかり。しかも、高慢で嫌味な奴なんです。
アーサーは激怒して、郁に酷い言葉を投げつけて、屋敷をでてしまいます。
残された郁は可哀想です。ネガティブで卑屈な感がある郁なので、そういうタイプが嫌いな人にはダメかもしれませんが、アーサーに嫌われたくないと泣く郁には、胸が痛くなります。今までの背景もあるから、ようやく愛してくれる人と巡り会ったのに、一人おいてかれてしまうのは可哀想です。
すぐに、誤解が解かれるのかと思えば…その後、なんと、2年も別居……
アーサーは、いろいろ大人気なくて、もっと郁の話を聞いてあげなさい!!って、叱り飛ばしたくなりました。…恋は盲目なので、しょうがないのかもとも思いつつ。
郁とアーサーの隠されていた過去も暴かれ、大きな事件も起きましたが、結果は激甘なハッピーエンドでした。
不幸な可哀想な子が、溺愛されて幸せになるお話は、王道ですが大好きです。次に発売される「運命の花嫁」…ノベルス持ってるんですが、書き下ろしがあったら購入してしまうかも~…楽しみです。
文庫化再販プラス書下ろしでの再登場作品で、割合に目じりをじんわりさせて
くれるストーリーなのですが、攻め様の理不尽な前半の言い草には呆れてしまう。
相手が子供なのに、言い訳一つ聞かないような設定はなんとも釈然としない。
受け様に対しての贖罪があるなら余計にもっと優しくしなよなんて一人突っ込みしちゃう。
愛おしいから離れるのは理解出来るから、せめて受け様を精神的に落ち込ませる
ような手放し方はしない方が良かった気がするので、その辺に捻りが欲しいかも。
それ以外は、かなりいい感じの作品で、意外に好きなお話です。
父を亡くし、直ぐ後に母まで亡くし、その時の精神的ショックで記憶まで無く、
寂れた孤児院で、病に侵されながら周りに疎まれて命の灯が消えてしまうのではと言う時に
受け様の父親が恩人だと言う攻め様に引き取られ、病気療養を経て美しく成長する。
その様子はさながら、みにくいあひるの子みたいな感じです。
ヒナの刷り込みのように冷たく暗い場所から攻め様に救い出された受け様が、
見るからに王子様みたいな攻め様に惹かれない訳がなく、日々好きになるのですが
その思いを攻め様の叔父に知られ、脅迫されるように足元への口づけを受けてしまう。
それを見ていたらしい攻め様から理不尽に淫乱と罵られるんですよね。
攻め様の嫉妬も含まれた結果なのですが、この辺は理不尽だとしか言えない。
精神的ショックで病になっていたのだからもう少し考えようなんて思うくだり。
2年後に攻め様は屋敷に戻り、受け様と強引に関係を持ってしまうが、
受け様と叔父の関係を、その後も疑っているのは頂けない設定ですね。
誤解が解けてから、後半ラストまではジェットコースター並に波瀾があって感動を
させてくれるシーンもあって良かったです。
攻め様の意味不明な理不尽さが別の形だったら萌え萌えだったのにと思う作品でした。