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不思議なテイストの作品ですよ…そう言う言葉と
ともに薦められたこの一冊。
BL評論子の手にかかればきっとニューウェーブの
真骨頂とでもラベリングされてしまうのでしょう。
でも評者が感じたのは全く別のものでした。
評者が感じたのは音楽とJUNEが限りなく親密だった
時代…大JUNEがこの界隈のカルチャー紹介誌だった頃の
何気ない一言に潜ませた秘密を嗅ぎとろうとしている、
そう言う空間に流れている照れ臭さを含んだ日常の気配。
類型を提示するとするならば、杉本亜未さんの描かれる
世界が一番近しい様な気がします。
耽美ではないJUNEを体感できる一冊ではないかと、
評者は感じます。
バンドものという理由だけで買った一冊です。
この作品笑えた&ちょっぴりあったかい気持ちになりました!
バンドメンバーのタモツから、「ネオンがお前のこと好きらしいぜ」と言われた雷悟。
それはエイプリルフールのウソだったのに、雷悟はネオンが自分のことを好きなんだと一年間も信じていました。
バカですね~(笑)でも同時に純粋な人なんだろうな、って感じます。
だけどお腹よじれましたw
バンドさんでブログやツイッターでエイプリル企画する人たちもいるし、こういうノリは分かるなぁ。
雷悟はもともとノンケなのにメンバーのウソに衝撃を受けて、
そこからネオンのことを気にし始めて、嘘が誠になってしまったんですよね。
この展開が最高にツボです。
ネオンのほうも「自分が雷悟のことを好きって思われてたのが、キョーレツすぎて…」と言っていて彼もノンケなんですが。
なのでノンケ×ノンケですからここからが色々大変なのです!!
ネオンは自分のことを好きじゃないのか、そうなのか~とショックを受けつつもグルグルしてしまい、
「ネオンが好きだ」とタモツに告白する雷悟(笑)だから!告白する相手を間違えてるし;
そして雷悟がネオンのことを思って作った歌が「ライジングサン」www
EXCILEと被っとる(笑)
ライブ遠征に皆で車に乗り込んで~とか、インディーズの雰囲気出てますね~ニヨニヨ。
あー!いい!京山さん分かってる!分かってるよ~!!
そしてどんな歌を作るかって言う時に、セックスだとかエロスだとか狂気だとか言っていましたが、
結局ネオンは自分の気持ちをそのまま歌詞にします。
思うに、歌は自分に嘘をついたら魂込めて歌えないから等身大を書けばそれでいいんだと思うんですよね。
それが情けない内容の歌詞になってしまったり格好悪い内容だったりすることがありますが、
等身大の歌だからこそ聴いてる側には色々伝わるし共感もするんですよね。ネオンは正しい。
そしてネオンが作った歌は「BL的なアレは全くないから安心してくれ」www
だめだこりゃ!
でもそのあと、何となくネオンとの雰囲気が良くなったので、
雷悟は言うつもりはなかったのに間違えてネオンに好きだと言ってしまうんですよね。
そしてネオンに何度も「ごめん」と謝りながら去って行きます。
家に帰って号泣きする雷悟がなんだか可哀想でした。
色々大嵐が吹きましたが、最初は戸惑ったネオンでしたが、雷悟の本気の気持ちにネオンもきちんと答えることが出来て…。
ふぅぅ。雷悟良かったね~!!思わず私もホッとしました。
しかし同じバンド内でデキたら他の人たちやりずらくない!?とか思いましたが、とりあえずハピエンで良しとしましょう(笑)
そして二人がラブラブとかエロエロとかの描写が一切なく、本当に付き合っているかどうか分からない感じの終わり方でしたが、ノンケ×ノンケ好きの私としてはこれがむしろ丁度良かったです!!ラストは私の中では良いラストでした。
作者さんがあとがきにて音楽活動とマンガ活動のインディーズ時代は似ているとおっしゃっていましたが、分かります!全く一緒とは言いませんが、共通するところ割とあると思います。
ご自分の体験を音楽設定にシフトして、リアル感を出しておられたのがとても良かったです。
あと、バンドさんのBL的な二次創作もの、本編にもあとがきにもお話が出てきましたが、
あれ、私も怖いもの見たさで自分の好きなバンドさんの同人誌読んだことあります。
同じ腐女子ながら「腐女子パねぇ!!」と思ったものです。メンバーで妄想したことがなかったので結構な衝撃でしたね(笑)
おそるべし腐女子の愛の創作!!
それをネタにしてくれる心の広い某バンドさんに感謝だよ…。
全体的にコミカルで楽しかったです。
このバンドのノリが分かる人はハマるとすごく面白い作品になると思います。
この萌え萌えを、この胸を掴んで離さないギュンギュンを、この熱い想いを、オイラは叫びたいーーー♪
って、自分が歌ってしまってどうするんだって、ほどにもうっ!「たまんないっ!」としか言い様がないのですが、言葉にできないーーー♪
この一冊、本編から作者さんのあとがきまで、隅から隅まで120%堪能できます。
で、本題・・・何がこんなにゴロンゴロンと人間モップになって身悶えているかというと、そうきっかけはエイプリルフールの一言の「嘘」
ベースの保に聞かされた”ボーカルのネオンがギターのライゴが好きらしいぜ”という言葉。
きっとそんな事はつゆとも思ってなかっただろうライゴが1年間ネオンをそういう目で見続けて、そしてそれを確認して「好きだ」と言いそうになったその時!
それは保のエイプリルフールの嘘だったという事がわかる(涙)
それは笑い話として、ライブのMCのネタになり、話題を読んでBL雑誌の取材を受けたり、変な連中が乱入してきたり、生モノの対象になってみたり。
そんなバンドとしての活動もありながら、育ってしまった気持ちを弄び悩んでヘタレて悶々とするライゴの姿が非常にスレてなくて、誠実で、好青年で、彼のトンチキ片思いが非常に愛おしいのです!
ネオンがアパートの更新のために実家に帰ったまま帰ってこない時、彼を迎えに言ったライゴがとうとう告白してしまい、そしてひとりで勝手に玉砕して、帰ってしまう電車の中での大泣きのシーン、
泣く男の魅力に溢れてます。思わず一緒になってウルウルウル、、、、
一方ネオンはよくわかりません。
でも、どこかで彼を意識して、変わらない表情のポーカーフェイスの下にあるその気持ちの切れ端を、チラっと見せる場面もあるのです。
でも、まだまだ謎。
ライブの帰りのレンタカーを返しに行く車の中でライゴと一緒に話すシーン、そこのインスピレーションから生まれた、今まで書いたことのないような色気を含む歌。
バンドが舞台らしく、ライゴが勘違いしていた頃に作った曲と、このネオンの曲。
二人のキャラクターが出てるような、楽しいバンドならではの設定。
バンドのメンバーもそれでも皆仲が良くて、それぞれにそれぞれを茶化したりしながらもこのメンバーじゃなくちゃ!っていう強い絆で結ばれてる。
そんな男子の友情部分も見られるのが素敵☆
このバンドは、もしかしてBLバンドを地で行くバンド?(爆!)
設定がバンドということで、その格好いいとかカリスマとかアイドル扱いみたいなバンドじゃなくて、とても地に足のついた身近な雰囲気のするバンドだけに、自分の昔のバンドでの体験が重なって、うんうん!ってすごくうなづくような場面やシーンがいっぱい。
これも激しく同調する一因になってるかもしれません。
ライブの帰りの大雨のシーン、ワイパーが効かない前方が真っ白になってしまう体験も、丁度ライブ帰りの車で全く同じ体験をしました!?
自らの青春時代を重ねるシーンがいっぱいだったから、かなりスカート履いた評価かもしれないんですが、
でも、でも、でも!!
ライゴのキャラクター、彼の気持ちの変遷、行動、発言、想い、とってもとっても萌え増す!!
上手く伝えられなくて御免なさいーーー(汗)
合体はおろかキスもない…なのに、なぜこんなに萌えるんだ!?
仲間の嘘から始まって、一年もの間、相手を傷つけないように気を使って、意識して、カッコ良くあろうと頑張って…気がついたら恋心を育てていた雷悟。
…なのに嘘発覚と共に笑い話にすり替わってしまった想いは行き場を失った。
これって『かっこ悪ッ』とか『滑稽』の一言で片付けちゃうこともできるんですよ。
京山さんの投げやり一歩手前の線がマイナスな姿をおどけた感じに描いているからユーモラスで実際、クスっと笑ってしまう。
感情が最高潮の瞬間、バカッと崩された表情の可愛さとあっけらかんとした姿に口元は緩む。
なのに、読んでるうちに泣けるんですよ、ハラハラと涙が落ちる。
雨の日のドライブ、ジャングルジムで語る音温を見つめる雷悟の純情と切なさがヒリヒリ伝わってくるんです。
音温の中には自分と同じ『好き』はないと知っても、自分の『好き』はなくならない。
置き去りの想いを抱えた雷悟が音温に告白した帰りの電車で一目もはばからず泣き崩れる姿に、こちらもボロ泣きです。
大きな体躯を丸めて震わす肩の頼りなさにどうしようもなく引きこまれてしまう。
ネオンも素直ないい子で嘘はつかない。
疑似恋愛のような気持ちはあっても雷悟の言う意味ではない、と言っています。
だから、あのラストは賛否別れるんでしょうね。目に見えるかたちで報われてほしいもの雷悟の純情。
最初に読んだとき、実は私は疑うことなくハピエンだと思ったんです。
でも、読み返すうちに『あれ?あれれ?』と。
でも、あれはあのラストで良かったです。
あそこでloveっぽいのは無理がある。
でも、音温だって意識し始めたら気持ちに変化があるかもしれない。
小さな変化を重ねていって、何年後かのある日、嘘から真が出るかもしれない。
その時は流れ込んでくる新しい気持ちを彼らが楽しめればいいな、と語られない姿を願っています。
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で、やっぱり脇役スキーはケイちゃんが気になります(笑)
冷静な役回りの彼が同人誌化された自分たちの本に「オレのは?」って探してる姿とか可愛い。
そして可愛いといえば音温実家のわんこ。
へにゃりんとした手足をニギニギしたい!
いろいろ盛りだくさんで楽しかった。
この、バンドやっている男の子達の体格が好き。
ぺたんこのお腹に薄い胸。
京山せんせの、ぺたんとくたっとしたキャラクターとバンド男子って凄く相性がいいみたい。
打ち上げの、みんなでワチャワチャしてるシーンとか、見ていてニコニコしたくなっちゃう。
ネオンとライゴの二人の関係は、エロなしでまだ恋愛未満だけど、愛があって、
萌える。
この二人、この先本当に恋人同士になるがどうかといえばかなり微妙で、
でも、たとえセックスするような関係にならなかったとしても、それでもかまわない。
むしろ、この展開の中で、無理矢理エチになだれ込んだりしないで、こんな風に曖昧なまま余韻を残して終わって、そこが、かえって良かったわ。
で、後書きに、いろいろ脇設定やら何やら書いてらして、その中の、別バンドの子達の話、京山先生の芸風じゃないからご自身で描かれることはけしてないだろうけど、でも、読んでみたいよね。