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義兄弟ものだけど、それも元が付くような、十数年前も前に子連れ同士で再婚した母親。
義父になる人には2歳年下の子供がいて、兄と慕われ新しい家族として幸せに暮らし、
しかしその幸せもつかの間、1年足らずで母と共に家族の屋敷を出る事になる。
母親と屋敷を出る時に泣いて縋った義弟を騙すような形で置いてきてしまった受け様は、
大人になった今でも忘れられない光景として思い出す。
そして、母親が病に倒れ、一気に入院費用やもろもろの出費で直ぐにでも
どうにかしなければと思い立った時に、1年足らずの兄弟だった義弟に縋ることになる。
その理由は、別れたはずの母と義父が離婚後も愛人関係を結んでいて、毎月破格の
手当てが振り込まれていたが、2年前にその義父が亡くなりその後もしばらくは
手当てが入金になっていた事を知った受け様が、その事を頼りに元義弟に会いにいく。
そして、初めは素っ気なく相手にされなかったのに、攻め様は受け様の前に現れ、
母親と同じ立場に、愛人として報酬を貰えばいいと侮蔑を含んだ様子で告げる。
過去のわだかまりもあり、受け様はその条件を受け入れ、愛人として囲われる。
シリアス展開なのですが、簡単に言えばブラコンの弟が、兄に嘘をつかれて置き去りに
されたと思い込み、大好きな兄に捨てられた事で、人は裏切ると妙に気持ちが歪んでる。
子供時分の置いてきぼりが大人になっても消えなくて、更に大好きなお兄ちゃんから、
自分の愛人にして囲ってしまうくらい執着してしまう。
ホントにこれは愛なんだろうか、ただの過去の妄執に捕らわれた執着心に過ぎないのでは
なんて一歩間違えば思ってしまう設定でした。
弟の攻め様の執着ぶりもそうですが、実は受け様の方が依存的執着がある気がしますね。
それに、母親が攻め様の屋敷を出た理由が、とても理不尽で受け様が不憫。
その犠牲者になった攻め様もお気の毒ではありますが、きっと母親にの受け様は
母親にも負けないくらい攻め様一筋になるのだろうと思えるお話でした。
もっとも、この二人は互いに執着し合っているので、お似合いのカップルなのかも。
シリアスな展開のお話でした。
愛人ものは定期的に読みたくなるジャンルなのですが、
2人は一時期兄弟だったりと、
秋山さんらしい作品を読めたように思います。
大学院生の透里は、母親の入院により、経済状態が厳しくなったことから、
一時期弟だった海里にお金を工面してもらうために、会いに行く。
まだ幼い頃の透里と海里は、連れ子の再婚同士だったのですが、
兄ができたこと。弟ができたことを
お互い嬉しく思っていたのですが、
両親の離婚により、はなればなれになります。
また、この離婚は、
母親が自分の子供の透里を連れて家出したことに始まるのですが、
この家出の際、2人が外出するだけと思った海里が、
自分も一緒に連れて行ってほしいと願います。
しかし、母親は、帽子を取ってきたら連れて行ってくれるというのですが、
海里が帽子を取りに行っている内に、母は透里に連れられ、家を去ります。
このことが、透里にとってみれば、大事な弟に嘘を言ってしまったこと、
海里にとってみれば、大好きな兄に嘘を言われた事。自分が母に好かれず、
捨てられてしまったように感じ、辛い過去となります。
そんな2人が再会します。
透里視点で物語が進みますが、透里の気づけない
海里の執着が、個人的には好きです(笑)
愛人もの好きな方には、楽しめる1冊だと思います。
秋山さんの『花冠の誓約 ~姫君の輿入れ~』がとてもよかったので、一応作家買いではあるものの、あらすじから『もう買わなくていいな』と見送っていたこちらも買ってしまいました(もう数か月前の話ですが)。
もともと『兄弟もの』自体が好みじゃないんですが、ガチよりは義理の方がよっぽどマシではあります。
それよりも、年下攻が苦手なので弟×兄の時点で挫折しそうでした。作家買いじゃなかったら『兄弟もの・弟攻』だけで避けてます。
しかも『愛人もの』も好みじゃない。
とりあえず、読みながら『なんでコレ買っちゃったんだろう・・・(一度はちゃんと避けたのに)』というのが常に頭を離れませんでした。←つまり、まったく入り込めなかったってことです。
そもそも、透里(受)が延々とグダグダ思い悩んでる『裏切り』って、悪いのは母親であって透里が負い目を感じるようなことじゃないでしょう。本人にはどうしようもなかったことなんだし。
それは『裏切られた』海里(攻)側にも言えることです。『裏切った(捨てた)』のは透里じゃなくて母親だろう、と。
そして、この母親がまた理解不能だった。なんだ、コイツ!
う~ん、キャラクターがどうしても好きになれませんでした。どちらもあまりにも魅力がない。
結局は双方に『歪んだ執着(愛)』しか感じられないんです。
『病んでる執着』がすごく苦手なので、ただ気持ち悪かったですね。読むのが苦痛だった。
最後まで読んでも、これのどこがラブストーリーなんだろうとしか思えませんでした。
やっぱり買わなきゃよかったとしか言えません。
↑でも書いていますが、ただひたすらに『読むのが苦痛』でした。
(極めて個人的に)秋山さんは『可愛い王道ロマンス・ファンタジー』がいちばんマシなんじゃ・・・と改めて思いましたね。