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『悪魔様』シリーズ第2巻。
前作『悪魔様のお気に入り』で結ばれたシトリとフェンリル。本作ではシトリの元恋人の人魚・ヴェパルが登場する「水の王国」と、フェンリルが偶然手に入れた本「名前のない本」(ネームレス・ブック)を巡る魔界の大騒動を描く「星間図書館」の2本の短編を収録しています。
「水の王国」
サタンが支配する魔界には72人の魔王がいますが、魔王のひとりが死に、後継者となるべき悪魔もいなかったので、魔王の位に欠員ができてしまいました。そこでサタンは無位の悪魔たちによる魔王位争奪戦を開催することに。シトリの部下である猟犬使いのアウランも戦いに参加を表明し、シトリとフェンリルは見学のため会場の〈白骨の浜〉を訪れました。ところがシトリの元恋人の女公爵、海洋公・ヴェパルがシトリを誘拐し、海の中に連れ去ってしまいます。本性は狼であるフェンリルは水が大の苦手。でも愛するシトリを助けるため、海へ飛び込むのですが…。
「星間図書館」
魔王の給料・メルコムを貰うため万魔殿を訪れたフェンリルたち。初めてのお給料でシトリに何かプレゼントしたいと考えていたフェンリルは〈星間図書館〉という部屋へ入ってしまう。そこにはありとあらゆる本が置いてあり、主のシトリが探していた本「名前のない本」もありました。フェンリルは早速その本を借ります。ところが、その本を巡って悪魔たちの大戦争が勃発し…。
前作に引き続き、著者独自の魔界の設定は興味深く面白かったです。一風変わった魔界のルールや悪魔たちが登場して、読んでいてワクワク・ドキドキ楽しい作品でした。ファンタジー好きには堪らない内容です。氷堂れん先生の華やかなイラストも作品にぴったり。
またBL面も忘れていません。本作でも主人公たちのラブラブカップルぶりは健在。主人大好きな忠犬フェンリル×遊び人(でも今はフェンリル一筋)なシトリの愛は甘く激しいものとなっています。
コバルト文庫は少女小説のレーベルですが、BL小説も結構な数を出版しています。でも濡れ場は抑え目な作品が多い。しかし『悪魔様』シリーズは従来のその制限を超えています。普段自分はBLを読むときにエロを求めないんですが、この小説にはH描写には萌えてしまいました。キスだけでも充分エロいし、濡れ場の官能描写もなかなかのもの。
愛と官能と司る悪魔・シトリは濡れ場の経験値が高い。前作までは童貞だったフェンリルの拙い愛撫を可愛いと思っていたのですが、やがてフェンリルのテクに感じて翻弄されててしまいます。濡れ場に慣れている受けを童貞の攻めがリードするという下剋上的なHでした。
文章からは匂いたつようなエロがあって、離ればなれになったシトリとフェンリルがお互いの体を思い出して悶々とする場面なども一読の価値ありです。
描写、イラストともにエロス度が高いこの作品。コバルト文庫だからって油断して読んだ人には刺激が強すぎるかも?