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表題作愛の裁きを受けろ!

七雲陶也
22歳、ハイクラスのタランチュラ、法学部学生
蜂須賀郁
23歳、ロウクラスのカイコガ、大学1年

同時収録作品続・愛の裁きを受けろ!

七雲陶也
弁護士事務所で働くタランチュラ・26歳
蜂須賀郁
筆耕のバイトをするカイコガ・27歳

その他の収録作品

  • あとがき&おまけSS『Something good』

あらすじ

ロウクラスでカイコガが起源の郁は、体も弱く口もきけないながら懸命に生きていた。ある日、ハイクラスばかりのパーティでからまれているところをタランチュラの陶也に助けられ恋に落ちるが!?

作品情報

作品名
愛の裁きを受けろ!
著者
樋口美沙緒 
イラスト
街子マドカ 
媒体
小説
出版社
白泉社
レーベル
花丸文庫
シリーズ
愛の巣へ落ちろ!
発売日
ISBN
9784592876977
4.3

(219)

(134)

萌々

(51)

(13)

中立

(9)

趣味じゃない

(12)

レビュー数
29
得点
922
評価数
219
平均
4.3 / 5
神率
61.2%

レビュー投稿数29

No Title

こんなに泣かされるとは思ってもみませんでした。
郁のひたむきさにやられっぱなしでした。
「はちすがいく、と読みます」だけでもう泣けます。

前作ではあまり印象でなかった陶也と、陶也の夜遊び仲間・篤郎の腹違いの兄、郁。
関係がすでにめんどくさいw
寿命が短く身体が弱いカイコガの郁は口がきけなく筆談なんだけど、そのやりとりが後々きいてくるんですよね。

ヤク漬けの篤郎のせいで郁は酷い目に合うんだけど、あれはかなり辛かった…涙涙

0

泣いて泣いて、泣いた。。

ムシシリーズ新刊の『愛の嘘を暴け!』から入って号泣し、シリーズ既刊も読んでみたくて、購入したこちら。
一作目から読もう!と思っていたのですが立ち寄ったメイトさんに1・2作目がなく、でもこちらの郁くんがとても気になり読んでみました。

…うわ〜、うわー、うわー……読みながらもう、涙が止まらなくて気付いたらマスカラ・アイラインがほぼ全部落ちてひどいパンダ顔に。。

他人に無関心で空虚に生き、孤独を抱えたヤリチン攻め・陶也が愛を知り、とんでもなく大きな変化を遂げていく様。そしてその過程の切なさに胸が締め付けられました( ; ; )

再会後、郁の元に送られてきたノートに綴られた内容を読んだ時は声を出さずに大泣き。「会えない四年間、とても苦しかった。でもお前を愛していたから、一度も孤独にはならなかった。…きっともう二度と、孤独にはならない。」

う、、今思い出しながら書いてるだけで泣ける。。

郁の寿命が、何かすごい技術によって普通の人間と同じようになったり、襲われた時にスーパーヒーローのように陶也が現れて間一髪救い出すーー
といったような奇跡や救いは起こらない。辛い……
それでも再会後、想いを確かめ合った二人、覚悟を決めた二人には確かに幸せな光が感じられ、救われた気がしました。

そして、少ないながら、病院でのえちの描写がね…たまらなく良くてなんか泣きそうになっちゃいました。(そこでは泣かんのかい)
媚薬入りの糸を爪先から出して、弱った郁を傷つけないよう、愛する人を大切に大切に抱くんですよね…

最後の章「something good」の攻め視点のお話も、胸にグッと熱いものが込み上げるものでした。レモンイエローのマフラーを巻いた郁、可愛いだろうなあ。

限られた残り少ない時間であったとしても、郁が今まで感じていた”幸せのようなもの”ではなく、本当の”幸せ”に包まれて、大好きな人と共にずっとずっと笑顔で過ごしてほしい…そんなふうに願わずにはいられない、胸を打つお話でした。

1

No Title

あの陶也がねぇ…最初は鼻持ちならない嫌なやつのままだったのに郁に出会って大きな変化…。中盤の2人の別れキツかったなぁ。でもその後生き方を変えた陶也。ノートでの筆談、小さく愛を育むようでよかった。郁が献身的すぎて鼻がツーンとなりながら読んだ。とても好きなお話。

0

ヨッ!攻めのビフォアフ世界一!


健気受けの代名詞、樋口美沙緒先生。
スピンオフで受けの兄の話が次の「愛の罠にはまれ!」になるのですが、初見も再読も経験した私のオススメの読み方はやはり順番通りの「愛の裁きを受けろ!」→「愛の罠にはまれ!」です!!

今回の健気受けは、ロウクラスの中でもか弱く、残り短い寿命を抱えながら必死に攻めへ片思いをします。
これがなんとも健気…。

どんなに邪険にされようとも、儚げに優しい笑みで応えます。
また、口が利けないのでもどかしさがより一層増して感情が揺さぶられます。

最初は酷い扱いだったけれど、受けの存在の大切さを知りますが時すでに遅し…。
しかし一度別れてからの攻めビフォーアフターが本っっ当に素晴らしい!!

受けも攻めの事を忘れることが出来ませんでしたが、攻めはすっかり構成して受けに見合う男になりたいと変わったところが愛を感じます。
この設定に萌える方が必ずいらっしゃるはず…!!

そこに追い打ちをかけるように収録されているSS「Something good」は、空白の4年間を攻め視点で楽しめるのですが…。
これがすごく健気攻め…!!
そう…これは健気受けと健気攻めです!!

そしてこの作品で篤郎が気になった方は是非、篤郎編の「愛の罠にはまれ!」を読むことをオススメします!!
これだけ熱く語っていますが、私は「愛の罠にはまれ!」がムシシリーズで一番好きです!!
それくらい推せます!!

これだけ語っていますが、読んで損はないくらいオススメです。

3

これぞ救済BL!

#愛の巣へ落ちろ! で悪役ででてきた陶也(攻)が救済される作品。なので愛の巣へ落ちろ!から読む事をオススメします☺️
.
このシリーズ1作品目で翼に非道な事をして自分も他人も傷つけていた陶也が、ムシの中でも余命の少ないカイコガの郁に出会い徐々に絆されていくのが凄く良かったです。
.
前作に引き続き主人公が余命の少ない種別のムシなので、幸せになったところで自分はもうすぐ死ぬ..じゃあ何のために生きるのか?という『生きる、死ぬ』が当事者達の考えのベースにあって、だからこそ悔いなく生きようとする姿勢が美しくもあったし、切なくもある作品だなぁ..と思いました
.
攻めが社会人になって超紳士になっているのでそこもめちゃくちゃ良いです☺️

0

シリーズ3作目

「愛の巣へ落ちろ!」の感想で「陶也と澄也のキスシーンがツボ。この2人がキス以上に致していたような設定は公式では無いだろうけど〜」と書いたのですが、まさかの公式だった…どっちがどっちですか?やっぱりリバ?読みたい…

さて本編。様式美になってきた、財力があって頭も良い文字通りハイクラスの攻め×身体は弱いが人を愛せる受け、3連チャンです。
あまり立ち止まることもなくサクサク読み進められます。これで文体が(右腕の前腕部とか、やや気になる表現こそあれ)気に入らず読みにくかったらしんどいけど。
このシリーズの、性犯罪がハイクラスのなぁなぁで揉み消され刑事罰を受けないところは大変苦手。

今回は攻めである陶也目線が長く、受けに苛立つことが少なかったのがよかった。鈍臭くて、心配する人がいることを理解せず無謀な行動をとる郁に呆れてしまうこともままあったので。ひとり立ちと、自分の手に負えないことをひとりでする事とは全く違うんだぞと。

「愛の巣へ落ちろ!」の陶也登場シーンを読み返しましたが、陶也も相当なことをしでかしてるわけで。まだ荒れ気味の陶也が"おっかなびっくり"赤ん坊を抱くシーンが面白い。大の男でも赤ん坊にはなかなか勝てない。

陶也の「これほどの憎悪は〜翼にさえ感じたことがなかった」というモノローグ、完全に犯罪をやらかしてる篤郎と翼を同じ土俵で語るでない…
あと「俺じゃない男見つけろよ」…このシリーズ男×男が普通過ぎて…そういう世界かと思いきや親世代は夫婦だし謎。

萌〜萌2

0

健気受けすぎて涙腺崩壊

毎度、郁の健気さに泣かされるー。゚(゚´ω`゚)゚。
郁は本当に健気で儚くて可愛いですよね。
そして、陶也はスパダリになりました。

『愛の罠にはまれ!』を再読してからこちらも読んだのですが、
篤郎があんなに郁を愛していたなんてこの時は思いませんでした。
本作ではとてもいやらしくて嫌な兄という印象だったのに、
篤郎の本当の気持ちを知ってから読むとまた違った思いになりました。

愛を知らなかった陶也と優しい郁が想い合っていく過程が好きです。
陶也が結構早い段階で郁への気持ちを認めたところもいいと思っています。
筆談でのコミュニケーションやプロポーズは、
何度読んでも泣いてしまいます。

かなりキツイ展開もあったけど、
一度愛したらもうなかったことにはできない。
愛したことによって、たとえ離れてももう孤独ではないという陶也の気持ちには胸を打たれます。

お互いがの存在や愛すること自体が生きる希望や意味になっていくーー
たとえ短い命だとしても……という切ないものではありますが、
愛が生きていた証になるという素敵なハッピーエンドに胸がいっぱいです。

何度でも読み返したくなる作品です。


1

虫シリーズの3作目

虫シリーズの3作目です。
現代の文明が滅亡し、生き残るために虫と融合した人類の世界が舞台で、虫がカギとなるとても独特な設定です。
シリーズは出版順ごとに読んだ方が理解がし易いかもしれません。
特に1と3と4は繋がりが深く、6と7はほぼ前編後編です。

今作はタランチュラの陶也×カイコガの郁→ハイスペック傲慢強気攻めと健気無垢不憫受けのお話です。
攻めの陶也はシリーズ1作目にも登場し、メインCPの攻め澄也の従弟でひと悶着あった人物です。
1作目で印象が悪い分、バックボーンを知り、かつ郁との出会いで変化していく姿に感動もひとしおでした。
陶也は精神的な郁は肉体的な「弱さ」がポイントでした。
途中、命の重みや強い気持ちを浮き彫りにするようにこのシリーズ中でも相当にきつい展開になります。本当にひどい事件なのですが、そこから転じて二人の新しい強さが生まれていく様は涙なしでは読めませんでした。

3

陶也〜!

シリーズ一気読み!と意気込んで読んでおりますが、2作目を読んだ後、この本作3作目は少し時間を置いて読むべきだった…。
1・2・3作と全てハイクラスxロウクラス、俺様攻めx不憫受けの切ない切ない物語…みたいな感じで、デジャヴ感で目が曇ってしまう。
本作の主人公は、1作目の傲慢タランチュラ、ロウクラスを人とも思わぬ七雲陶也です。
受けは3作で最も儚げなカイコガの郁。
郁はロウクラスの中でも特に弱い種のカイコガで、子供の頃は喋れたが今は口もきけなくなっている。30才まで生きられるか、とも言われるほど弱くて。
これだけでもうどんな話になるか想像できるわけですが、実際想像を絶する酷い仕打ちが郁に襲いかかり、もう見ていられない、という位な可哀想展開。
1作目で超俺様だった陶也が、本作でその悪行のしっぺ返しを食らう。
本作では陶也x郁の関係性以上に、郁の異母弟でハイクラスの癖にドラッグに溺れて素行不良の「蜂須賀篤郎」の存在が大きく関わってきます。
その篤郎がかつての陶也と同じ振る舞いをして郁を傷つけるのですね。そして1作目の澄也x翼同様、陶也と郁はお別れ。…4年間も。
陶也も1作目の澄也同様ロウクラスに溺れ、恋い焦がれ、前半の俺様・鬼畜の振る舞いから一転、郁一筋の真面目誠実男になります。
4年後の再会後も、郁は自分の寿命が短い事から陶也との関わりに消極的で2人の仲はジレジレとしますが、今や誠実男となった陶也の方が郁の頑なな心を溶かしていくのですね…

「明日死ぬのだと思って、今日を生きる」
この命題は深く染み入りました。

1

3作目

再びのデジャr・・・

シリーズ3作目でございます。
1作目で登場いただきました、あの!陶也さま救済企画w
あの暴走していたところからどう展開するのかが楽しみだった1作。

まるで双子のように、自分の半身だと思っていた
澄也が、よりにもよってロウクラスとくっついてしまうなんてと
傷心気味な陶也様。
そんな彼が出会うのは、これまた希少で短命なロウクラス。
カイコガの郁。
小柄で真っ白で、今はもう言葉を話すこともできない。
しかし彼はあの陶也が好きなのだという。
健気でまっすぐで。
そんな郁に癒されていく陶也が良かった。
前半と後半ではちゃんと好きになることを知って、
変わっていく姿が面白い。
まるで別人・・・・

自分が過去、してきたことを
そのまま返されるというしっぺ返しの刑
弟君との確執、事件、
そして4年の別れ。
命に限りをあれだけ話しての4年は痛い。
相変わらず受には厳しいお話でございますが
幸せになっておくれと思わずにはいられませんな。

2

読む順番のせいなのか……

電子書籍版を購入。
表題作の「愛の裁きを受けろ!」、その4年後を描いた「続・愛の裁きを受けろ!」、その後の二人を描いたSS「something good」が収録されています。
挿絵あり、あとがきなし。

第一作目の『愛の巣へ落ちろ!』を読んでから随分経ってから、続編と気付かずに第四作目の『愛の罠に落ちろ!』を手に取りました。
そして、その前の作品と言うことで第三作目となる本作へ。
この順番のせいなのか、私の心が黒く汚れているせいか、全く感動出来なかった。
すごく、良い話なのに……
泣きポイント、感動ポイント、いっぱいあるのに……
どうして、どうして……郁に対して苦虫を噛み潰したような気持ちになるのか。

あー、はいはい。健気ぶりっこ(←死語?)乙。

……なんて、邪推した見方しか出来なかった……

それは、きっと郁の弟の篤郎を主人公にした『愛の罠に落ちろ!』を先に読んでしまったせいに違いない。
本作ではヒール役の篤郎ですが、『愛の罠に~』では誰よりも愛に飢えているのに、与えられなかった可哀想な子として描かれています。
そして、郁とその母親は悪い人ではないけど、少し鈍くて無神経。無邪気に篤郎を傷付けるのだけど気付かない。
(本作に気付いていたという描写はあったので、鈍感ではないのでしょうね)
兎に角、篤郎に肩入れしていた私は、郁とその母親に対してマイナスの感情を持ったまま、本作を読みはじめてしまったのです。
と言うわけで、生暖かい目でしか主人公を見れなかったので、評価は辛め。
そして、一作目の翼の変わり様が許せなくて、さらにマイナス。
だって、ちゃんと男の子していたのがすっかり女になってしまって、ガッカリ。
澄也を「主人」 なんて呼んじゃってるし、しかもしかも「ママ」って……
体が女性化とかは受け入れられるのですが、精神が女性化は受け入れられられなかった。

多分、素直な目で読んだら感動するはず。
こんなことも、引っ掛からないはず。
つくづく、読む順番って大切だなと感じた次第です。

4

静かで儚かった~。

ムシさんシリーズです。

しんみりじわじわと涙が出て、そしてシリーズの中で一番はまりました。

2

陶也さんイイ

攻めである、陶也の改心がすごい!!
受・郁の影響で、陶也がどんどん優しく良い風に変わっていく様が良かったです。
人間変われるものなのだなーと、愛の力はすごいと思います。

今回も受がたくさん可哀そうな目にあいます。
弟の篤郎の罠で、郁がクラブで犯されたシーン。
個人的には受が凌辱されるたりひどい目に合うのは好きなのですが、今回は郁があまりにも弱い存在なので、本当に嫌な気分になりました。
ただ、体は弱くても、郁が強い自立した心をもっていることが救いです。

また、一作目の翼が登場してナイス助言をします。もうすっかり母親らしくなっていますね。(BLなので、好きだった主人公が女性化した様子ははちょっと悲しいですが。)

最後は二人、幸せ生活になって本当に良かったです☆

私的にはこの作品は自体はあまりぐっとくるものはなかったのですが、次回への布石として重要な話だったのだなと、次回でわかりました☆

3

第3弾 切なさ痛さはシリーズ中1番

タランチュラ 陶也 とカイコガ 郁

今回も愛の巣への澄也(陶也の従弟)と翼が脇役で登場。
時系列は翼と結婚した後のようです。
陶也22歳ということは愛の巣から4年後。
澄也20歳と翼18歳で結婚し最近子供も生まれたとか。
翼が高校卒業してすぐ結婚して幸せに暮らしてるんだなと思うと知人の近況を聞いたみたいに嬉しくなりました。

けれど陶也にしてみたら、自分と同じように虚しい思いややりきれなさを共感できていた唯一の救いだった澄也の幸せそうな顔は見たくもないってとこでしょうね。
自分だけが取り残されて、なんだか裏切られてような気持ちで。

前半の陶也は本当にろくでなしです。
力のないものは傷付けてもいいし同じ人間とも思っていない最低な男でした。
もしこのまま郁と出会わず、人の痛みや悲しみを感じることもなく愛する喜びと苦しみも知らないまま生きていたら、もっとしょうもないヤツになってたくさんの人を悲しませたことでしょうね。

後半の4年後の陶也は本当にすごいいい人に変身してました。
学生時代にはボランティアをして、ロークラスのための安価な弁護士事務所に低賃金で勤務してるんですから。
愛の巣の頃の陶也とは別人。
これも愛の力ですね。

短命で力も弱く刹那的な郁。
自分が死んだときに悲しい思いをする人が少ないようにしたいというのが望みの儚さで、多くを望まない。
このシリーズは1冊ごとに痛さが増すように思います。
陶也の思いを受け入れることに迷っているとき翼が自分の愛する人への想いを語り背中を押してあげられたのはいいエピソード。
翼も人の親ですね。

郁のひねくれ者の義弟はちゃんと更生できるんですかね。
郁のために生き直してほしいものです。

6

キスシーンに萌えたムシシリーズ3

カイコガの郁。カイコガって虫の中でも可愛い虫だと思うけど、寿命が短く羽があるのに体が重くて飛べない。
脚が弱いから自分の力で木とかに止まれないし、地面に落ちたら死んじゃうとか可哀想な生き物です…。

陶也が郁にキスをするとき、「眼、閉じてみ」って言うんだけどこれに萌えました。

郁が可愛い。

でも、寿命が短くてあとどのくらい生きられるかわからない。
せっかく、大好きな陶也と一つになれたのに切なくてやるせないじゃないか。

郁の拉致られてからの状態は悲惨でした。
今までの翼や里久は拉致られても最後までヤられるまえに助けてもらえてたし…。
郁がいなくなった時間から4時間も経って陶也が助け出すんですが一番体の弱い郁なのにボロボロにさせられてました。

篤郎も可哀想だと思う。頭ごなしに怒られてちゃ理解しても反発しちゃうだろうし。こうなるまでに放置してた親が悪いです。薬や悪い事に使うってわかっててお金は使わせてたようだし。

陶也が郁とのノートを読み返すシーンに泣いてしまった。

シリーズ1で陶也は悪者扱いなんですが、私にはそんなに悪者に見えなかったです。
大事に澄也を取られるのが嫌だっただろうなと思ってました。
この巻で陶也と澄也の関係に触れてるけど、セックスを覚えたのも二人で友達以上恋人未満、お互いに孤独で陶也には澄也、澄也には陶也しかいなかったんだなって。

ロウクラスの生き物はみんな体が小さかったり、体弱い人たちしかいないのかな?
俺様なロウクラスが攻めと美人なハイクラスが受けの下克上みたいな話も読んでみたいです。
ハイクラスに健気で純粋な受け子はいないんでしょうかね。

時折、出てくる澄也と翼。
赤ちゃん生まれたんだね。おめでとう。
そこまでの甘々な二人の話も読んでみたいな。
苦労多かっただろうし。
でも、翼はホルモン投与で完全な女の子になっちゃったのかな…。
両性具有なら良いけど、完全な女体化は受け入れられないかも…。
見た目は男の子らしいから両性具有って事かな。

陶也の兄の雅也と秘書の刺野の関係も気になります。

今まで一番長くなったかも…。

11

超絶!!スーパー・ハイパー健気受け!!

樋口美沙緒さん著の虫の擬人化シリーズ
第3巻になります。

虫なんて、気持ち悪い!!と
思われるかもしれませんが、
「擬人化」なので、ホント平気です。

しかも、舞台も現代日本で、
みんな、普通の人間って感じで暮らしているので、
全然違和感が無く、読むことができます。

今回の攻めは、1巻の「愛の巣へ落ちろ!」で
悪者だった人物です。


   ◆◆   ◆◆   ◆◆

主人公の郁(受け)はロウクラス種のカイコガ。
口が聞けず、身体も弱い郁は、ある人物に恋をします。
ある人物とは、ハイクラス種タランチュラ出身の
七雲陶也(攻め)。

陶也はハイクラスの中でも王の中の王。
強い力を持っています。
それに比べ、身体も弱く、口を利くことが出来ない郁。

ロウクラスが大嫌いな陶也は、郁を傷つけて
捨ててしまおうと画策。
二人は付き合うことになります。
それこそ、天にも登ったような心地の郁。
それに比べ、なんでも持ちすぎているが故に、
生きることに意味を見出せず、自暴自棄の俺様な陶也。

ああ、もう郁を見ていると、可愛くて可愛くて
たまりません。
行動一つ一つがあまりにいじらしいのです。
陶也を好きな恋心全開!!という感じの笑顔、行動。
かわいいいいい!!

それに比べ、陶也の態度はすごく投げ遣りで
「郁を手酷くフッて、捨ててしまおう」というオーラが
にじみ出てます。
うー、このヤロー。
虫シリーズの攻めは、ホント、
どいつもこいつも、最初はサイテーだな!!
(ホント、最初の方だけね(笑))


そして、郁(受け)と陶也(攻め)の
初めてのデート。
郁は、待ち合わせの場所に来るまでに
転んでしまいます。
デートのラストでお酒を飲まされた時、
熱を出し、倒れてしまう郁。

陶也が病院に連れて行くと、驚愕の事実が発覚します。
カイコガ種はあまりに身体が弱く、
転んだだけで、
お酒を飲んだだけで、
体がついていかずに、高熱を発することがある…
そのくらいカイコガ種は身体が弱かったのです。


はじめは、遊びのつもりだった陶也は、
郁といると何とも知れない気持ちになり、
心が暖かくなったり、恋しくなったり……

ここは嬉しかった!
純粋に嬉しかったですね。
やっぱり遊びじゃなくて、陶也には郁を
本当に愛して欲しかったから…。
ハイクラス種の「王の中の王」が
だんだんと郁に夢中になっていくさまは
魅力的で、なんともいえない気持ちになりました。

しかし、「別れる」という話が出るたび、
郁は、陶也にすがろうとせず、
いつもあっさり身をひいていました…。
全部自分が悪くて、陶也に迷惑をかけてしまったと
思って……。

ああ、もうなんて健気!
そしてなんて一途!
こんな健気な子を一時的にでも放っておくなんて、
男がすたるよ!? 陶也!
「健気」って言葉を辞書で引いてみやがれ!


そして、ついに郁への愛情を自覚した陶也。
郁にも背中を押され、病院で郁を抱くことになります。
相手は、弱い弱いカイコガ。
傷つけないように、そうっと、そうっと。

ここのセックスシーンは、陶也の気遣いと優しさが
溢れていて、忘れられないシーンとなりました。


物語の中で、衝撃的なことが起きます。
郁がクラブで、暴行され、輪姦されてしまったのです。
しかもそれは、すべて陶也が犯してきた行動のせい…。

陶也は激しく怒り、そして悲しみ、悩みます。
郁も同じように、恐怖に慄きながら、悩みます。
そして、郁の出した答え…。

「別れましょう」

陶也は大声を上げて、泣きました。

ここのシーンはもう切なくて仕方ない。
小さな身体で、恐怖と闘いながら、それでも悩んで
別離を選んだ郁。
そして、誰よりも何よりも大事に愛していた郁に
別れを切り出されても、何も出来ないと
何も返せるものがないと、自覚してしまう陶也。
失うもののあまりの大きさに、
人生で初めて大声をあげて泣く陶也。
本当に胸が潰れそうです。
健気であること、それがこんなにも
辛い結果を生んでしまうなんて、哀しいです。
ふたりともに、可哀想でなりません。


そして、4年の月日が流れ………。

郁と陶也は、偶然に再会します。

陶也は、優しく穏やかに変貌を遂げていました。

そして4年前と変わらず、郁を愛していると言う陶也。
そんな陶也に応えることが出来ない郁。

陶也が、外の雷雨を気にせず、
郁に愛を告白するシーンは必見です。
胸が押しつぶされそう…
そして、油断すると泣きそうにもなります。

そして、今度は二人の思い出のノートを使っての
陶也のプロポーズ。
陶也らしくない愛だけを綴ったプロポーズの
ノートは、読んでいて暖かくなりました。

長生きできない郁。
あと3年以内に死ぬかもしれない郁。

でも、郁は陶也の愛を受け入れる決心をします。

『おれもあなたを愛しています』

   ◆◆   ◆◆   ◆◆

油断すると、不意に泣きそうになり、
ぐっと涙をこらえるシーンが多すぎました。

何とか、堪えて堪えて、
「泣いてなんかやるもんか!」みたいな気持ちで
乗り切りました。
まあ、素直に泣けばよかったかな……

樋口美沙緒さんの作品は、すぐ泣きそうになって
困ります。
泣きだしたら、堰を切ってドバーッと涙が
溢れてしまうかもしれませんね。


今回の受け・郁は、とにかく健気過ぎました。
こんなに健気な受けは、初めてかもしれません。
この健気な受けに、
俺様から、受けを愛することで豹変する攻め。
攻めが受けの「愛を知る」ことで
健気さがより一層引き立ちます。

健気で可愛い受けの郁、
これからも生きて欲しい!!


そう願わずにはいられないラストでした。

9

デレた攻に萌える

擬人化昆虫シリーズ第3弾です。
今回は1作目でものっそ嫌な男だったタランチュラと、家畜化された唯一の虫であるカイコガのお話です。
自分一人では生きることも出来ないくらい身体の弱い郁は、口をきくことが出来ず、すぐに熱を出すし転けただけでも歩けなくなってしまうこともあるくらい、とにかく弱い種です。
そんな子をうっかり好きになってしまう攻、という構図。

一途にずっと陶也のことを大好きだった郁を、最初はロウクラスに対する嫌悪もあり、暇つぶしのようにして付き合うんですが、あまりの健気さに絆されて、気がつけば自分が蜘蛛の巣に引っかかっちゃった状態。
嫌~なやつだった陶也が、紆余曲折あって受に振られ、涙涙な展開になった時には思わず、ざまぁ、な気持ちになるんですが、とにかく全編通して郁が健気で健気で健気で、もう胸がきゅんきゅんします。
胃の腑がせり上がるような切なさもあり、ことある毎に命の危険にさらされる姿は、もの凄い庇護欲をそそります。

1作目の陶也を見てると、最後の方ではここまでデレたか、というくらいの変貌っぷりに、愛は人を変えるもんなのか、と胸が温かくなりました。

10

よかった つД`)

なぜ自分が今までこの作品を手に取らなかったのだと
自分を攻め立てたいぐらい、ドストライクな作品、そしてシリーズでした
次の巻も発売されているので次も読みますよ!

とにかく受け様が健気で一生懸命に生きている感じ!
そして攻め様を思い続ける気持ちがなんとも萌えてしまいます!

シリーズ1巻目で悪役だった方が今回の攻め様なので
話の流れ的には、1巻目を読んでおくと予備知識が増えますw
1巻目のカップルも結婚して子供が出来て・・・となるのですが
その悪役だった攻め様の自分が寂しいということに気付き初めて・・・
あれだけ悪人だったのに!!!そういう悲しみが!!と
涙涙です つД`)

死と隣り合わせの受け様もなんとも健気で、
付き合い始めるも互いを思い、すれ違っていますが
とても感動的です

あれだけ苦しい日々だったのにやっぱり最後の最後での
攻め様の溺愛話に、読んでいるこっちも苦しかったけど
毎回の事ながら救われました

4

シリーズの中で一番泣けました

シリーズ1作目の『愛の巣へ落ちろ!』で完全に悪役だった陶也とカイコガの郁とのお話

まず読んでみて思ったのはシリーズの中で一番泣けました。
陶也は分かりあえる双子のような澄也の事を本当に思ってたんですね。
決してやってはいけないことを1作目でしましたが、郁に出逢ってどんどん変わっていく陶也が見所の1つだと思います。最後の方を読んでるともう最初の頃の無気力な陶也なんてどこにもいなくて、本当に郁の事を思って紳士な彼に本当は甘々な人だったんですね。と思わず突っ込みを入れてしまいました(笑)

変わって郁は体が弱く長く生きられないってとこは1作目と同じなんですが考え方が翼とは違うんですよね。それには家族や義弟が大きくかかわってくるんですが・・・。
自分が死んだあとの事を考える郁には何度泣かされたか。今が大事で絶対後悔するよ~と思わず勝手にまた突っ込みをいれたくなりました(笑)

嬉しかったのは1作目の翼が子供をちゃんと産んで作中に2人で出てきたことが良かったです。短命と言われた翼も子供まで産んで幸せに暮らしてるんだからきっと陶也と郁も幸せになるんでしょうね☆

9

分かっているのに泣いてしまう悔しさ。

虫シリーズ3作目、実際に書かれた時系列としては2作目の作品です。
同人誌では二冊に別れて発刊され、今回の文庫でも後半は「続・~」となっているが、
事実上は一つの話の前半後半。(ということで、一つの話として扱って評価します。)

友人の影響でこの樋口先生の作品は実はコンプなのですが、正直好みとしては微妙…
なのですけれど、これを同人誌で読んだ時にはもう大号泣でした。
何故この力作を商業誌で出さない?!と思ったものですが、このたびめでたく文庫化。
噂で読みたいと思っていた人々にとっては、本当に嬉しい文庫化ではないでしょうか。

ということで、個人的には再読ということになります。
細部は忘れちゃっているのでハッキリは分からないのですが、多少修正しているのかな?



1作目で悪役だったタランチュラの陶也。
澄也を失った痛手は実は大きく、荒れて恵まれた日常に膿んでいる中出会った最も弱き存在。
色々と危なっかしい郁に、言い訳しながらも手を貸すうちに、
彼の素直でピュアな眼差しにどんどん惹かれていく…

郁は、未来を望むことも許されない自分の運命を受け入れて淡々と生きている。
そんな郁が出会った強くて何もかも持っているかのような陶也の孤独…
切ない恋は、悲劇を生み、そして。

              * 

樋口作品を読むといつも悔しくなる。
かなり極端な世界観は、実はステレオタイプな昔風で垢抜けないし、
薄幸の受けは、健気だけれど個人的にはイラッとして好きになれない。
しかも、結構毎度同じパターン。
それなのに、なんだか結局読まされてしまうのが樋口節なのか。
その上泣いてしまうなんて…悔しいったらありゃしない。

樋口先生の受けは、しょうもない攻めをまっとうなカッコいい奴へと変えていく。
個人的には単なるバカに見える(お好きな方ごめんなさい)受けは、
人を疑わず無垢な愛を捧げる、実は聖なる者か。

後書きの後ろのSS「something good」は、
同人誌で出ている「わたしのした、なにか善いこと」の改題かと思ったが、
読んでみたら全く別な話だった。
本編がお好きでしたら、同人誌の話も是非。

21

陶也の豹変っぷりをとくとご覧あれ!

虫シリーズ3作目ってことで前作「愛の蜜に酔え!」を読んであまり時間をおかずに読みました。大好きで私にとっては大切な作品である「愛の巣へ落ちろ!」に澄也と翼の恋路を邪魔したハイクラスのタランチュラ・陶也がタイトル通り愛の裁きを受けちゃう作品です。

表題作は澄也を失い4年も引きずってる陶也(攻)が口がきけない儚げで純粋な郁(受)と出会い、これまでロウクラスの人間を邪険に扱い、来るもの拒まずで人を本気で愛したことがなかった陶也が少しずつ人間らしい(?)心を発見していくストーリーになっています。「続・愛の裁きを受けろ!」のラストと比べても陶也の豹変っぷりは面白いです。しっかり郁を傷つけたぶん苦しみ反省した過程が描かれているのがよかったと思います。ここまでの変化に納得できる。

ただ一番萎えちゃったのはレイプシーン。虫シリーズ1作目、2作目ともに同じような描写があったので覚悟してたのですが、、、予想してたというのもあり、そう何度もハイクラスの人間がロウクラスの人間をレイプしちゃうのを見るとなんだかやるせないというか、どうなのかなと思ってしまいました。

これまで3作品読んできた見解として1作目の澄也の言葉を借りると『守るものがなければ死んでいるのと同じだ』というように強きものと弱きものがどう共存していくべきなのか、どうあるべきなのかが共通の要素として描かれているのがよかったなと思います。

5

涙が止まらない

同人のほうでは見てなくて、初見からの感想です。

このシリーズは全部見ているのですが、今回の話が一番泣きました。
やはり人が人を救うお話はぐっときますね。

ネタバレ↓
昔ひどいことをした攻めが、受けによって改心します。愛を感じ、生きる喜びを覚えます。
受けのことを一途に想い続ける攻めがたまらなく切なくて、優しい気持ちになります。
受けのレイプシーンが痛々しいのと、話の展開が前作、前々作と似ているところは評価が少し下がりますが、それをも超えてこの作品での受けと攻めのキャラクターと設定がよかったと思います。

個人的にこういう話が好きなのもあるのですが、とにかくロウクラスが嫌いだった攻めが受けによってだんだん変わっていくのがとても萌えます。病弱な受けがいつ死ぬかもわからないという設定も切なくてたまらないです。

でも最後はハッピーエンド!
いやーよかったなぁ~と最後に一つお茶を飲める…そんな作品でした。

13

う~ん・・評価に悩みますね

数少ない作家買いをしている樋口先生ですが、今回ばかりは評価に悩みましたね。
シリーズ1作目・2作目共に神評価をつけましたが、なんでしょうね・・・
1番の厚さをほこっておりましたが今作に於いては受様があまり好きではないかも知れません。
意地っ張りすぎるというか・・・
このシリーズの中では攻様は一番へタレではないと思います。やっぱり泣きはしましたが。
虫シリーズの攻様は必ず1回は泣きますね。
あと、受様が必ず襲われます。樋口先生の描写だと、どこかフィルターがかかったような感覚で
痛い場面は読めるので不快感はないのですが、3作目ともなるとパターン化しているようで
少し抵抗があったかもです。
なんでここまでご無体な目に受様が会わなければならないのかと、真意とかも凄く考えました。
この場面がターニングポイントになっているのはわかるのですが、正直この首謀者の義弟を
いくら、受様のせいでゆがんでしまったとはいえ、許していいのかと。
死んでしまったロウクラスもいるというのにですね。
受様はご無体な目にあいながらも弟を改心させようと自ら危ない所に首を突っ込んでいくんですよ。
それも何回も。
それがまた、あまりね・・・攻様が流石に助けますが。
『愛の裁き~』では攻様がなんかスッゴイ努力してる感があって。
自分に愛というものを教えてくれた受様の為に、事件がきっかけで別れを告げられたというのに
4年間、自らを律して頑張るんですよ。
シリーズの中で1番立派な攻様だと思います。
逃げていった受様の為にここまで頑張って。
それなのにですね、受様の方はついてきていないというか。
『愛の巣へ~』も受様の寿命が短いお話ですがもっと前向きだったと思うんですよね。
紆余曲折が長くても、最後の蜜月とかがたっぷり甘かったら個人的には解消されたかも
知れませんが、今回はショートもう~ん・・・
ずっと読みたかった同人誌が文庫化したのは本当に嬉しいです。
私もお葉書など書いてリクエストしたので。念願かなったりなんですが、やっぱり甘さが足りないかな~
同人誌の番外編が結構甘いのがあるのでそちらは好きですが。
『愛の巣へ~』の七雲夫妻と子供が出てきたのは嬉しかったです。
2作目はおいといても1作目は読んでおかなきゃって感じはします。同人誌の方で七雲夫妻の
お話とかも読んでいたのですんなりその辺は入れましたが、初読みの方はどうだったんでしょうか?
読みながら泣いちゃったし、やっぱり樋口先生の書くお話は好きなんですが結論
甘さが足りなかった!ので★4つにしました。

6

神か悩むなぁ~

同人誌で読んだ本作、SSがあることから購入することにしました。
やはり、同人誌では「神」をつけたのですが、
今回は再読となってしまったので、「萌萌」にすることにしました。

本シリーズの好きな点は、攻の変貌です。
俺様の傍若無人の性格が、小さな受のためにオロオロしていく
様子がたまらないのです。
今回は、シリーズ1作目の悪役ともいえる陶也と
カイコガの郁のお話。
理解者である澄也からも見放され、虚無感の中、生きている
陶也が、命の短い郁と出会うことで変化していきます。
登場人物は、皆、ちゃんと考えがあり、生きているんだな~と
各登場人物の息を感させる点がすごいなと思います。

このシリーズのファンとしては、この好きな作品が
商業誌として出たことが、何とも嬉しいです。

4

陶也の変わりよう。

再録元の同人誌(初出前後編)は持っていますのでちょっと迷いましたが、このシリーズは樋口さんでは唯一好きなので、書き下ろし目当てともうひとつ、街子さんのイラストが見てみたかったのもあって買いました。私は、このシリーズでの街子さんのイラストの力は大変大きいと思っていますので。←ただ・・・すみません、郁のイメージは正直違うわ。

表題作が初出同人誌の前編・『続・愛の裁きを受けろ!』がその後編、あとがき後のSS『Something good』が書き下ろしになっています。

私はもともと、悪役・敵役のキャラクターをメインに据えたスピンオフは苦手です。というより、ほとんどがダメでした(いやまあ、結局読んでるってことなんですが・・・)。

これは、その中では例外と言っていいくらいの好きな作品ではあるんですが、『愛の巣に落ちろ!』での陶也(攻)が、私のものすごくキライなタイプのキャラクターで、当然ながらこちらでも最初(~表題作の大半)はそのままの『傲慢・俺様攻』で、読んでて非常に苦痛でした、陶也がイヤで。樋口さんのパターンで、必ずそのうち豹変するのはわかっていても苦しかった。

あとは表題作の終盤、郁(受)が義弟のせいで集団で襲われてしまいますが、決して好みではないし、気分が盛り下がるのは確かだとは言え、私はどうせ無理矢理ならまだ攻からより第三者(たち)からの方がよっぽどマシなんです。

それでも、この作品でこのエピソードが不可欠だとは思いませんけどね。郁が陶也との別れを選ぶのは『輪姦』のせいじゃありませんから。
個人的には、なくても構わないと感じるならくらいなら暴力描写(性的であろうが無かろうが)はいらないというスタンスです、私は。
苦手要素には違いないので、これがなかったらもっと楽しめたんじゃないかと惜しいです。もしかしたら、表題での陶也への苛立ちもなんとかスルーして『神』でもよかったと思えたかもしれない。

とにかく、どうしようもないダメ男だった陶也が、郁と出会い恋をしたことで見違えるほどに変わっていく、それがこの作品のいちばんのポイントであり、よさだと私は思っています。この(『続~』での)変わった陶也は本当に素敵で私好みです。まあ、いくらなんでも変わり過ぎだろ!と突っ込みたい気持ちはあるけど、それはともかく。

正直なところ、郁のキャラクターは特殊すぎる設定(ムシだからではなく。このシリーズの世界観は大好きです)からか、私はあまり魅力を感じられなかったんですね。だからと言ってダメだともイヤだとも思いませんが。健気で一生懸命でいい子なのはわかるんですよ。
ただ、ホントに申し訳ありませんが、あまりにも大げさというかわざとらし過ぎると感じてしまって、どうにも入り込めませんでした。

それもあって、ラブストーリーとしてはシリーズ中でもさほど思い入れはないんです(決して悪くはないですが)。
ただ、なんというか陶也の苦悩・成長物語としては大好き。 基本的には受の側に立って読むことが多いので、常に攻には異様に厳しい私にはホントに珍しく、結果的には攻である陶也に主題を置いて読んだ作品でした。

何よりも、これは一気に1冊で読んでこその作品だと思っています。私は同人誌を初出でリアルタイムで読んでいましたが、こちらで言うと表題作と『続~』の間が半年以上空いてるんですね。これはまさに拷問でしたよ。表題作単体では、(私の思う)ハッピーエンドじゃないからね。私がBL(ラブストーリー)に何より求めるのは『ハッピーエンド』ですので。

ですからこちら(商業誌)も、純粋に好みだけなら表題はいまひとつなんです。『続~』の前振りとしてなら非常に重要だとは思っていますが、個人的好みでいうならラブストーリーとしては『趣味じゃない』です。←評価としての『しゅみじゃない』ではなく。

そういう意味でも、今回商業で纏めて読めてよかったです。『続~』(&おまけ)だけに絞れば迷わず『神』ですが、表題は『中立』。トータルでは纏めて一気に読めた効果もプラスして『萌×2』というところかな~と。

でもやっぱりこのシリーズは好きですね。

8

レイプがなかったらよかった

このシリーズは苦手。一作目はレイプ未遂、二作目は一対一レイプ、今回は集団レイプ。ページを飛ばして読んだ。澄也CPの話は出ているから、これはよかった。

13

陶也がステキ過ぎでした!

大好きな愛の...!シリーズです。
この『愛の裁きを受けろ!』は、同人誌で発表された事は知っていたのですが、基本的に商業本が好きなので購入を迷っていました。そんな時に同人誌で分けられて販売されていた物がまとめて商業本で出していただけるということで迷わず購入しました。

今回の攻はタランチュラの七雲陶也で愛の巣~で澄也の従兄弟で悪役だった人です。陶也、めちゃめちゃ良かったです! 今までの愛の~シリーズの中で一番好きな攻です。もちろん最初は人間的にダメダメなんですが、郁と一緒にいる事によってどんどん魅力的な人になっていく様子がステキでした。排他的から前向きに大嫌いだったロウクラスの役に立てるような人間になりたいと思えるようになっていくのですから愛は偉大です。郁に再会するまでの4年間、陶也は本当に郁にふさわしい人間になりたいと思って生きてきたのだなぁと思いました。手話や読唇術を覚えたり、弁護士としてロウクラスの為に安い相談料で働いたり、郁の為に買った渡す事が出来るかどうかも分からない数々のプレゼントや何度も見返した二人の筆談ノート。もうなんていい男なの!って感じでした。

郁があとどのくらい生きられるのかは気になるところです。なるべく長く生きて陶也を幸せにしてあげて欲しいです。愛の巣~の翼も短命と言われていたのに元気な赤ちゃんまで産めたわけですから郁も陶也と末永く仲良く暮らしてくれるといいですね。

最後に郁の義弟の篤郎の今後がちょっと気になります。本当は彼は郁の事が大好きだったんだろうと思うんです。帰ってくる頃にはステキな人になっているのかもしれないなぁと思うと彼の話も読みたいなぁと思いました。

4

一番切ないカプかもしれないけど、一番優しいカプでした

同人で書かれていた話が商業で出た本・・・でいいのでしょうか。
同人誌を読んでないので、どんな変更点があるのかとか【続】はどうなのかは、自分は全く知りませんですが、商業で出てくれて嬉しい♪とは思っています。
噂では聞いていたのです、このタランチュラ×カイコガはより切ないよ~!って。
案の定、1度目は涙が止まらなくて、2度目もまた同じで、4度目でようやく落ち着きました(なのでやっとレビューねw)

人間により家畜として改良されたカイコガの生まれる確立は大変に低く、その低い確立で生まれてしまったのが郁。
身体の弱さゆえに母親の再婚相手のスズメバチである父親に溺愛されて育ってきたのですが、その父親の過保護が義理の弟になる篤郎の嫉妬を呼び郁への憎しみを抱かせ、彼は拗ねてジャンキーとなってしまっている。
そして郁は、小さい頃は仲が良かった優しい篤郎に戻って欲しいと願っているのです。
そんな郁が出会ったのはタランチュラで、1作目で登場した澄也の親類の陶也。
彼は澄也と兄弟・双子同様に育ち、片割れのように大好きだったのにロウクラスのシジミチョウと結婚してしまったために、まるで失恋した人かのように絶望して苦しんでいる。
最初は、郁の事は暇つぶし、付き合ったら澄也の気持ちがわかるのか?という安易で自分勝手な動機から付き合いを始めます。
郁の純粋さと身体の能力ゆえのノロさにイラつきながらも陶也付き合いを続けるのですが、自らの心の葛藤から別れを切り出した矢先、目前で事故にあう郁。
兄からカイコガの短命と宿命を知らされ、そして澄也の妻となった翼とその子供に会ったことで、自らの心の迷いに踏ん切りを付けることができた陶也は郁と始めて本物の恋人となることができるのですが・・・

郁は確かに健気です。
カイコガの宿命で口がきけなくなり、目も弱く身体も弱い。
何の為に生きているの?っていうくらい、儚い存在なんですが、決して弱くないんです。
凛とした強さというものも感じるわけではありませんが、彼はできることを精一杯でやろうと前向きでいることだけは確かだと思います。
まだこの表題部分では、彼の寿命というものについて彼が言及して考えて行動している部分はさほどみうけられないのですが、【続】においては、残された余命を考えて自分がいなくなったときの為にとその先を考えた人を優先して生きている姿勢が見られて切なくなっちゃうのです。

陶也は、まさか澄也と決別したことがそんなにショックだったなんて!という驚きでした。
傲慢で意地っ張りで自分がまだ見えてないお子様だった。
澄也を失った心の空洞を遊びで埋めても楽しいはずもなく、そんなときに飛び込んできたのが郁だったわけです。
彼は思い知らされるわけですよね、自分がいかに傲慢で自分勝手で生きているか。
与えられた優位が当たり前のように存在して、頑張って生きてこなかったことに。
恋愛へ持っていく課程の意味づけが、作者さんの意図とする、作中陶也の兄も語る「守るものと守られるもの」のある種の需要と供給のような形で成就するのは、若干いたいな、と思いましたが、でも、純粋に彼等の気持ちを追って涙腺が刺激されたのは確かです!

【続】は本編から4年後。
陶也と郁の再会で話が始まります。
陶也が随分と大人になりました。そしてとても素敵な男になっていました。
若干郁がネガティブです。
郁がカイコガの設定であるだけに、その先を想像してしまうととても悲しいのですが、それでも陶也は郁を選びます。
でも、これもありなのでしょう。

【Something good】
本編中にも話のあった、郁と別れた4年間の間にたまった陶也の郁へのプレゼントの話。
これもまた、最初の傲慢で自分勝手だった陶也からは考えられない優しさと一途さを見せる話でした。

10

切なくて痛いなぁ

関連シリーズ3作目になるのでしょうか、この世界は昆虫と人間が融合して現代人に
なっているって設定で、読みはじめは擬人化なのかと思っていたら何やら似たような作品を続けざまに思い出し、そう言えばこの作家さんだったと遅ればせながらシリーズだと
気が付いた三作目なのです。
前作では半端な擬人化だと思っていたのですが、今回の作品を読むときには、
この設定でなければダメだったのかもなんてちょっと感じました。
きっと毒されて来たのかも知れません(笑)

基本ファンタジーですが、今回の受け様はシリーズの中では最弱でしたね。
ハイクラス、ロウクラス、世界の人種は大きくこの二つに分かれている。
まるで遺伝子の優勢と劣性みたいですよね。
実はこの設定自体があまり好きじゃないんです、完ぺき擬人化なら気にもならないし、
弱肉強食は自然の摂理と思えるけれど、これが人類となるとモヤモヤしちゃう私。

さて、内容は生まれた時から希少種、とは言え、劣性で絶滅淘汰されている種族の
「カイコガ」が主役の受け様。
成長と共に口は聞けなくなるは、寿命が短いはと、何の為に生まれて来たのか?って
受け様が悩みまくるのですが、かなり切ないですね。
そしてお相手の攻め様はと言うと、前作で最悪の悪者役をしていた前作の攻め様の従兄弟。
大好きで唯一分かり合える相手だと思っていた従兄弟がロウクラスと結婚してしまい、
ハイクラスなのに、何の為に生きているのか、やる気も気力もなく、ロウクラスを
従兄弟の事が原因で、すっかり忌み嫌う。
傲慢最低なオレ様な攻め様なのです。

そんな攻め様が酔った勢いと一人で飲んでいる時に受け様が襲われているのを見つけ、
単にうるさいみたいな雰囲気で受け様を助け、受け様はその日から攻め様を好きになる。
遊びと暇つぶしに付き合う事になるが、前半はかなり最低な攻め様なのですが、
受け様の無垢で、口が利けないこともあり、次第に一緒にいると攻め様は精神的に
自分が落ち着いてくるのを不思議と感じてしまう。
本編に続編を付けた形なのですが、前編では受け様と攻め様は恋人にはなりません。
これは、相愛だけれど、受け様の義弟が攻め様を好きなことが解り、受け様は義弟から
義父からの愛情を奪ってしまっているなんて負い目もあるし、義弟が可愛くて
攻め様に別れを告げるから・・・
でもこの義弟に受け様はとんでもなくあくどい事をされるのですが、義弟も憐れ。

この義弟の事が無ければ、人種の優劣だけで、強い者は弱いものを守ることで
活きる気力が生まれるし、弱い者は守れら、強者を癒す事で己の存在価値を見出す。
攻め様は受け様と出会った事で何事にも満たされなかった心が満たされる。
受け様は攻め様のその思いに応えたくても自分の寿命が短い事や義弟との事で受入れる
事が出来ないけれど、身を裂くほどに切なく苦しい恋心を胸の奥深く閉じ込める。
後半の続編で、長く苦しみながらも互いに愛し合う二人が結ばれるけれど、
受け様の運命は変わることが無いのですよね。
ちょっと切ない感じのファンタジーになっていると思いました。
主役二人の相互扶助みたいな恋愛よりも、義弟が立ち直りつつある過程が良かったな。
ハイクラスで優秀だけれど、拗ねた甘ったれが、闇に堕ちて、でも心の奥底にあった
善の気持ちと言うか、まだ人の心を感じる気持ちが残っていて、やり直す為に一人
立ち向かう感じがいいですね。

6

この作品が収納されている本棚

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