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ボディーガードと大企業の後継者子息との付かず離れずの関係を意識的に実践する
クールだけど、何処かに熱情を感じる雰囲気の作品だと思います。
内容は最近巷で起こる企業のトップを狙う誘拐事件が背景にあるのですが、
その犯罪は身代金でもなく、殺人でもない、誘拐した経営者のプライベートな部分を
さらけ出させネットに屈辱的な動画を配信すると言う悪辣ないたずら超えの事件。
会長でもある祖父の依頼でボディーガードを付けられ、初めは不信感を抱いていた
受け様ですが、暴漢に襲われ助けられ、更に2度も救われ信頼するようになる。
しかし、この二人甘い関係になる訳でもなく、お互いに無駄口を利かないタイプ、
更に二人とも他人を寄せ付けないようなオーラが出ているので恋愛に進展する気がしない。
恋愛ものと言うより、事件性の流れの方が強いし、さらに事件の犯人も複雑。
主役二人のそれぞれトラウマがあって、受け様なんてそのトラウマを強い精神力で
自力でねじ伏せるなんて芸当をするのですが、それも攻め様の背負った傷を見て再燃。
相手に執着し過ぎることなく、程よい距離感でのめり込み過ぎることなく、
パートナーとして付き合っていこうと言うようなラストなのですが、それって何よ?
みたいな感じですよね。
ストーリー的に事件や推理みたいな展開は面白いけれど、所々残念な展開があって
身内の裏切りに気が付かないガードの攻め様がSランクって・・・最後までそれを知らず
受け様も無かった事にするとか、意味不明。
事件も恋愛もすっきり感が無くて、面白かった部分が多いだけに残念でしたね。
「男」シリーズ3作目と呼んでもいいのかな?
今回はボディガード×若手社長とはいえ、やはりガッツリ働く男同士です。
最初2作は切ない路線、以降4冊働く男シリーズときて、ここでぼちぼちまた切ないシリーズが読みたい(前も言ってたw)と思うくらいには、ちょっぴり息切れしているのかな?と思わなくもないです。
やはり、相変わらずちょっと恋愛は薄くその進行は遅くビターな感じ。
お仕事を通して信頼関係ができて、事件が解決されてその上で、という手順を丁寧に追ってるからそれは仕方ないからかもしれないですが、若干、攻め部分の「愛情」が見えにくいのはあるかもしれないな~
最近、企業の重役もしくは経営者が拉致されて禁断のプライベートが動画流出するという事件が起きている。
両親を事故で亡くし大規模企業の会長である祖父に後継として育てられ、メディケアの会社を任されている主人公・飛鳥は、息抜きに使用しているカフェを出た帰りに何者かに襲われそうになる。
そこを助けたのが翌日から祖父が付けたというボディガードの真田でした。
色々な事を自分で仕切り自分のペースで動けない不自由さに真田を鬱陶しく思うのですが、ケアの候補地視察の折に発生したトラブルでの真田の対処に、彼のボディガードとは思えない鋭い自分に対する観察眼と指摘に彼を見直し、側に置くのを容認するようになります。
祖父の代理で訪れたリゾート地で起きた誘拐事件から自分が標的にされていることを確信した飛鳥ですが、彼に持った気持ちから気まずさも生まれ、そして再び飛鳥は拉致されてしまうのです。
どちらかというと、誘拐事件をひとつの軸にしてその理由や犯人探しが物語の大きな流れになっています。
その中で、真田のボディガードになった経緯、トラウマを知って、そして真田が信頼する相棒の川上へのほのかな嫉妬など、飛鳥の感情の揺れはそこそこに表現されています。
この飛鳥がポジティブな人で、小さい頃の事件でトラウマを抱えながらそれを自分で克服した。だからバイになったというかなり潔いキャラクター
真田に対しても、彼なりにまっすぐぶつかってる様子を見せます。
その点では、若干真田の方がヘタレ?いや、職業柄を全うして禁欲的でいるというのでしょうか?
こうした気持ちの変遷は飛鳥の部分についてはあるが、真田がちょっと見えにくい。
仕事がボディガードであるだけに公私の区別の部分がね。
ラストは飛鳥の為にですが、ひとりでやるって事自体が愛情ととっていいのかな?
この事件の比重が大きいので、ラブが薄いのが見えにくいのが難点かな?
ものすごくまっとうで、正直で、潔くて気持ちいいんだけど、ちょっと物足りなさを感じるかもしれない。
もうちょっと甘さがほしいな~エッチはラストの数ページといいたいところですが、ほとんどないに等しくて、駆け足になっちゃったし。
五条さんには、
「働く男」を描くのが上手な作者さんというイメージがあります。
ただ、今回は置いてけぼりをくらった感じを受けました。
今回は、大企業の跡取りと嘱望される若き社長、飛鳥と
その飛鳥のボディーガードとして雇われた真田のお話です。
2人の距離が近づいていく様子と
各々の過去のトラウマ、そして、飛鳥を狙った誘拐グループとの
対峙が展開されていきます。
2人は結構な過去の経験を持っているのですが、
これが、うまく読み手としては消化できませんでした。
大人な男のクールさを優先すると、
あまり2人の内面やラブを垣間見れないというジレンマを感じました。
大企業の御曹司で次期トップと目される主人公の飛鳥と、彼の警護に就くことになったボディーガード・真田のお話です。飛鳥はいわゆる男前受です。経営者としての自覚を強く持ち、経営能力だけでなく自分を律する精神力も持ち合わせています。一方の真田も冷静沈着でありながらワイルドで、懐の深いイイ男です。ちなみに二人ともバイセクシャルです。…こんな二人が恋するわけですよ。期待するじゃないですか。でもねー残念ながらツッコミどころが多すぎて全く萌えませんでした。以下、盛大にネタバレしていますので要注意。
恋愛要素を除くと、物語の主軸は飛鳥が巻き込まれる経営者誘拐事件です。で、最後まで読んで…このシナリオって「森永が黒幕」であり「川上が悪人」だったという二つの大ドンデン返しをドヤ顔で読ませたかったのかなぁと思いました。途中、飛鳥が危ない目に遭う場面が何度かあるのですが、そこで飛鳥が感じる恐怖やパニック状態の理由付けとして幼い頃の暴行事件という設定があるような気がしてどうにも腑に落ちませんでした。さらにその暴行事件のトラウマを克服しようと荒療治した結果バイセクシャルになったとか、完全無欠の優秀な経営者であるはずなのに犯人の思うツボに動きすぎだとか、飛鳥の言動が妙にチグハグに感じられました。
真田にも重くて辛い過去があり、それをお互いに曝け出せる関係になりたい――というのは分からんこともないですが、それにしても重い。作品のテイストとしてラブが控え目なのはいいのですが、ちょっとやそっとのデレではカバーできないほど二人の過去が重いので、ただ痛々しいだけでした。
あのハワイのくだり、必要だったかなぁ…。二人の距離を近づけるというイベント上は南国の開放的な雰囲気が不可欠だったのかもしれませんが、最後の独白で実は川上もハワイに居たって事実がさらっと書かれていて目を疑いました。仕事でもないのに一週間もハワイに行ってたらさすがに会社にバレるでしょう(汗) ハワイじゃなくて熱海で良かったんじゃないかな。熱海いいよ、熱海。
最大のツッコミは(まだあるのか)、クライマックスの見せ場であるべき真田v.s.森永のくだりが飛鳥の視野外でいつの間にか終わっていたことです。これには笑ってしまいました。それゆえ、物語の主軸だったはずの事件が決着したんだかしてないんだから分からないヌルっとした感じになってしまい、なーんかこう…忘れ物をしているようなモヤモヤ感いっぱいで本を閉じました。
海老原由里さんのイラストはクールでカッコ良かったです。