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SIDE:B。
初読時に評価を入れてしまい、今更変更できません。「A」は萌でそのままだけど、こちらの「B」は今読むと「神」だよね。
ただ、これはBL的なラブがどうとかエロがどうとかじゃなくて、生きづらさを抱えた子どもが自分で生き方を切り開く決意をしていく、という彼らの人生航路に感じ入るから。
最悪なパターンで自分を拒絶された柳田は性暴力野郎に成り下がり。(そしてご存知の通り「深潭回廊」へ)
田舎町で噂になり同時に親に知られた三島、桐野、夢野。
三島母は元レディースで、テメーはテメーの道を行け一択。
夢野母はさすが国際結婚当事者。いいんじゃない?であっさりしてる。
問題は、桐野母。これは…
だから桐野は自分の人生を決める。断腸の思いで。
なんて苦しいんだろう。
生きることはままならない事の連続。自分で選んだという事その一点で桐野は人生を生きていくんだろうなぁ…
さて、驚きは三島と夢野がパートナーになってること。
夢野〜良かったね〜。
…ってだけじゃなくて、今は生きやすいであろう三島も夢野もままならない事も悩む事もたくさんあるよね、というのも伝わってくる。
恋愛縛りのBLじゃなくて、リアルな人生、生き方の選択を見せてくれる作品。
読もうかどうか迷ってる人、読んでください。
私自身、読んで本っっっっ当~~~に良かったです。
損はさせません。名作です。
便宜上女性コミックに分類されているけど、これは紛れもなくBLです。
桐野親子の回想シーン、自転車で別れるシーンでは目頭が熱くなりました。
ご安心ください、主人公はハピエンです。
ただ…桐野の選んだ道は賛否あり、本サイトに限らずレビュー欄にはピ側のかたも多いようですが、桐野のように性的指向(※"嗜好"ではない)を隠して偽装結婚する人は、可視化されてないだけで実際にはたくさんいるのだと思います。
現に私の友人も、妻子持ちさんとデュアルしたことがあると言ってましたから。
なので非常にせつないけれど、私としてはある程度は説明のつく、納得のいく終わり方でした。
女性とセッできてしまう時点で同性愛者じゃないのでは?という疑問もわきましょうが、こういった人々は現在では「ゲイフレキシブル」、ヘテロ寄りならば「ヘテロフレキシブル」と呼ばれています。
(ググってみてください)
もし桐野がゲイ男性ではなくトランスジェンダーMtFならば、この場合「ヘテロフレキシブル」です。
本作のタイトルはNirvanaの「Smells Like Teen Spirit」という曲から取られたものだ、と書いてくださったレビュワーさんのお陰で、この作品をより深く理解することができました。
(レビュワーさん、ありがとうございます)
作者さんはTeenをGreenに変えたのですね。
上手いなぁ…
ずーーーっと積んでいた作品です
永井先生の楽し気な作品が好きで何作品か拝読しています
勿論この「スメルズライク~ SIDE A/B」の存在は存じておりましたし購入もしていたのですが読む機を逸してしまって早数年、、、
そこに実写化のニュースを目にしたので「あ、今かも知れない…!」と思い引っ張り出して読んでみました
感想は真っ先に、、、
「何で読まずに居たんだ、、、私、、、」
という自分への残念さ。゚(゚´Д`゚)゚。
何故かすっごく敷居の高さを感じていたのか、メリバ感を感じてしまっていたのか、、、読まずにここまで来てしまったのですが、、、
こんなにも真摯に向き合った思春期BLを今まで読んでいなかったなんて…!
確かにセンセーショナルな描写もありますし、若さ故の残忍さという言葉だけで片していいのか…と悩ませられる展開もあります
それでもそのどのエピソードも視点を変えるとそのエピを引き起こしてしまった側の事情も透けて見えて来ます
だから許せるって事ではないんです
ただ、事実の別の面を知る機会を与えられる事で見える景色もあるよって思わずには居られない
静と動、明と暗、清と濁
時に反発し、ふとした事で混ざり合い、またただ沈殿して分離する、、、
人との関わり方も絶対はなくて、その人によって変わる事もある
それでも変わらない自分の欲する自分の在り方を求める
桃源郷はきっと自分の胸の内にしか存在しないんだろうな
三島の母ちゃんに泣かされたな、、、
いや、三島と三島の母ちゃんの関係性そのものかな?
そして桐野、夢野の家庭にもその家庭の中でしか昇華も消化も出来ない事情がある
十人十色、家族だって辿ってみれば個の集合体
なのにそれだけでは済まされないのは「情」があるから
温かくも残酷でもある「情」
厄介だけど、、、人間らしさが1番詰まった感情なのかも知れない
言葉にし切れないけれど、絶対に逃したくない!と思える様々な感情が自分の中に去来する名作でした
パンドラの箱の鍵。それのおかげで2人は本当の自分でいられた楽しかった時間。短かったけれど、あの時間があったから。
電車の場面で涙が溢れました。
何が幸せなのかは、人それぞれ。
予想の結末とは違ったけれど、私には受け入れられる結末でした。色々考えてしまいますが、自分のしたいように選択した結果だから、死んだ魚の目にならない。
本音を言うと、もう少し三島と桐野が幸せな時を見ていたかった。
少し時間をおいてから、また最初から一気に読みたいです。
番外編は、闇に落ちる前の柳田の話。ちょっと複雑な気持ちになります。
全人類読んでほしいってこういう作品のことをいうんですね。
性に悩む思春期の男の子3人とその母親の話だなと思いました。
母親の選択の違いでここまで子の人生が変わってしまうのかとゾッとしました。
BL(こちらは女性漫画ですが)を読んでると思うと桐野の選んだ道はとても残酷ですが、実際は桐野のような人はたくさんいるのでしょう。
そこがとてもリアルであり、悲しくもあり、読み終えた後しばらく動けませんでした。
桐野はきっとそれなりに幸せなのだと思いますが、三島や夢野との対比が辛いです。
たくさんの人、特に親という立場の人に読んでもらいたい作品だと思いました。