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先頃完結した富士見シリーズの外伝(作者様曰く『アンコールシリーズ』)その2.
表題作は圭視点。
なので、非常に理詰めで、くどくどしい語り口。
でも、そのくどくどした言葉で語られるのは、、、。
悠季のカルテットの練習を「手伝ってあげる」つもりで圭はビオラを始めようとしましたが、いかに自分が思い上がっていたか、悠季の本気の指導に思い上がりを打ち砕かれてしまいます。
悠季の人間的成長が伺える作品。
もう1編は従来通りの悠季視点。
悠季はロン・ティボー優勝者ノルマのヨーロッパ演奏旅行のためフランスに。
ツアーの中休み中の、悠季のカルテット本番を見るという名目でパリに現れた圭と、、。
パリのホテルのベッドの中で、悠季はあることを圭に告げます。
このシリーズ、本編の最後の方は、事件とストーリーを追うのがメインで、もう、ふつうのBL的なエチシーンはすっ飛ばし状態でしたが、この本は外伝ということで、どちらのお話も、ちゃんとエチ有ります。
それも、ちゃんと悠季が求めてます。
悠季はほんとに成長したのね。
昨年完結した大長編「富士見二丁目管弦楽団」の番外編第二弾。
「ビオラを買いに」「通奏低音」の二編が収録されている。
ビオラを買いに行った先は、なんとクレモナだったりするんですよねー。
さすが桐ノ院圭。
ま、それはともかくとして……
表題作は、桐ノ院視点。
本編50巻近く、終始私は悠希が苦手で好きじゃなかったので、
こうして視点が桐ノ院だと、読みやすさと好感度が全然違う。
(笑えるほど理屈っぽいけどね!)
悠季が渡仏時にマルセル達と弦楽四重奏を演ることとなり、
その練習カルテットを結成するにあたり、ビオラでの参加に立候補した彼が、
悪戦苦闘することになる……、という話。
ちなみに、1stは私のお気に入りの一人貞光っちゃん、チェロは延原さん。
この経過を通じて、彼は指揮者としての復帰も決意する。
特訓に耐えて無事カルテットのデビュー試験に合格した桐ノ院に
悠希がプレゼントしたのは、『仕返し用品』の熨斗のついた小箱……
中身は?!(笑、ちょっと呆れ…)
「通奏低音」は悠季視点。
ロン・ティボーの優勝者の副賞であるコンサートツアーの為に訪れたフランスが舞台。
移動やアクシデントやリハーサルも含むコンサート様子と、パリでの短いオフの様子。
オフと言ってもその間に、マルセル達とのカルテットの練習から本番がある。
また休暇に合わせて桐ノ院もパリにやってくる。
この巻は、久しぶりに音楽の話がかなり詳しく描かれていて、読み応えがあった。
富士見の魅力は、この音楽の部分が大きいと思っていたので、
後半の迷走ぶりは個人的には好きではなかったのだが、
番外編になって、作者の肩の力が抜けたのか本来の楽しさが復活している気がする。
二編ともHシーンで、悠希の方から求めているのもいい。
そして、「通奏低音」の最後での悠希の告白と圭の涙。
今更な話にも思えるが、こういうシーンこそが本編の最後に必要だったのではないか。
そしてそこは番外編らしく、なのか、コミカルなオチもついて、
幸せな読後感だった。
久しぶりに「雨の歌」でも聴いてみようかな……♪