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富士見二丁目交響楽団シリーズ外伝 ビオラを買いに

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表題作富士見二丁目交響楽団シリーズ外伝 ビオラを買いに

桐ノ院 圭
新進気鋭の指揮者
守村悠季
ヴァイオリニスト、29歳

同時収録作品通奏低音

桐ノ院 圭
守村悠季

あらすじ

悠季のカルテットに参加したい圭は、ビオラを買い込む(『ビオラを買いに』)。悠季のイタリア演奏ツアーでの騒動を描いた『通奏低音』など、悠季・圭のその後の音楽活動が覗けるファン待望のフジミ番外編。

作品情報

作品名
富士見二丁目交響楽団シリーズ外伝 ビオラを買いに
著者
秋月こお 
イラスト
後藤星 
媒体
小説
出版社
角川書店
レーベル
角川ルビー文庫
シリーズ
寒冷前線コンダクター 富士見二丁目交響楽団シリーズ
発売日
ISBN
9784041008942
3.6

(5)

(0)

萌々

(3)

(2)

中立

(0)

趣味じゃない

(0)

レビュー数
2
得点
18
評価数
5
平均
3.6 / 5
神率
0%

レビュー投稿数2

桐ノ院 圭は理屈っぽい

先頃完結した富士見シリーズの外伝(作者様曰く『アンコールシリーズ』)その2.
表題作は圭視点。
なので、非常に理詰めで、くどくどしい語り口。
でも、そのくどくどした言葉で語られるのは、、、。
悠季のカルテットの練習を「手伝ってあげる」つもりで圭はビオラを始めようとしましたが、いかに自分が思い上がっていたか、悠季の本気の指導に思い上がりを打ち砕かれてしまいます。
悠季の人間的成長が伺える作品。

もう1編は従来通りの悠季視点。
悠季はロン・ティボー優勝者ノルマのヨーロッパ演奏旅行のためフランスに。
ツアーの中休み中の、悠季のカルテット本番を見るという名目でパリに現れた圭と、、。
パリのホテルのベッドの中で、悠季はあることを圭に告げます。

このシリーズ、本編の最後の方は、事件とストーリーを追うのがメインで、もう、ふつうのBL的なエチシーンはすっ飛ばし状態でしたが、この本は外伝ということで、どちらのお話も、ちゃんとエチ有ります。
それも、ちゃんと悠季が求めてます。
悠季はほんとに成長したのね。

2

本編の最後の方より、面白い!

昨年完結した大長編「富士見二丁目管弦楽団」の番外編第二弾。
「ビオラを買いに」「通奏低音」の二編が収録されている。

ビオラを買いに行った先は、なんとクレモナだったりするんですよねー。
さすが桐ノ院圭。
ま、それはともかくとして……


表題作は、桐ノ院視点。
本編50巻近く、終始私は悠希が苦手で好きじゃなかったので、
こうして視点が桐ノ院だと、読みやすさと好感度が全然違う。
(笑えるほど理屈っぽいけどね!)

悠季が渡仏時にマルセル達と弦楽四重奏を演ることとなり、
その練習カルテットを結成するにあたり、ビオラでの参加に立候補した彼が、
悪戦苦闘することになる……、という話。
ちなみに、1stは私のお気に入りの一人貞光っちゃん、チェロは延原さん。
この経過を通じて、彼は指揮者としての復帰も決意する。
特訓に耐えて無事カルテットのデビュー試験に合格した桐ノ院に
悠希がプレゼントしたのは、『仕返し用品』の熨斗のついた小箱……
中身は?!(笑、ちょっと呆れ…)


「通奏低音」は悠季視点。
ロン・ティボーの優勝者の副賞であるコンサートツアーの為に訪れたフランスが舞台。
移動やアクシデントやリハーサルも含むコンサート様子と、パリでの短いオフの様子。
オフと言ってもその間に、マルセル達とのカルテットの練習から本番がある。
また休暇に合わせて桐ノ院もパリにやってくる。


この巻は、久しぶりに音楽の話がかなり詳しく描かれていて、読み応えがあった。
富士見の魅力は、この音楽の部分が大きいと思っていたので、
後半の迷走ぶりは個人的には好きではなかったのだが、
番外編になって、作者の肩の力が抜けたのか本来の楽しさが復活している気がする。

二編ともHシーンで、悠希の方から求めているのもいい。
そして、「通奏低音」の最後での悠希の告白と圭の涙。
今更な話にも思えるが、こういうシーンこそが本編の最後に必要だったのではないか。
そしてそこは番外編らしく、なのか、コミカルなオチもついて、
幸せな読後感だった。

久しぶりに「雨の歌」でも聴いてみようかな……♪

2

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