諸行無常のドメスティック・ラブ・ミステリ、欲望と煩悩編。

  • 電子書籍【PR】
  • 紙書籍【PR】

表題作ミクとネオ 上

ミク
記憶を失った死にそこない
ネオ(涅生)
安楽寺の坊守

あらすじ

自殺未遂で記憶をなくした青年・ミク(仮名)は、第一発見者でお寺の坊守・
涅生(ネオ)に保護される。その時、ミクが持っていた幼稚園バッグの中には
大量の札束があって…? 記憶が戻るまでの間、ミクはお寺の居候になって
お気楽な毎日を過ごす一方、ネオはミクの過去の暗部を知ることになる…。
阿仁谷ユイジの新境地! 御仏&ミステリBLで登場!!

作品情報

作品名
ミクとネオ 上
著者
阿仁谷ユイジ 
媒体
漫画(コミック)
出版社
茜新社
レーベル
EDGE COMIX
シリーズ
ミクとネオ
発売日
ISBN
9784863493650
3.1

(59)

(7)

萌々

(21)

(14)

中立

(7)

趣味じゃない

(10)

レビュー数
14
得点
168
評価数
59
平均
3.1 / 5
神率
11.9%

レビュー投稿数14

脱力の蓑の下

まず大前提。
この本の表紙で内容と進行を断じる事は禁じ手です。
禁忌と言ってしまっても良いでしょう。
ある意味真理を突いた表現ではあるのですが、それに
したってなんだかなと。
ここで挫折して本に別れを告げる人が居るとしても
評者は頷かざるを得ません。

ではそう言う本に何故「神」評価なぞつけるのか。
それは描かれている内容が色欲解体と恋愛再生の
過程であろうと何となく感じて納得せざるを得ない
からです。
悔しいですがこの『経文』、般若心経の様に纏められるかと
問われれば恐らく無理でしょうね。適切に纏めるのに
骨が折れてしまって。

2

是非上下合わせて一気に行ってください

OPERAで不定期に実にゆる~りふわ~りと連載されていた作品が約4年かかって今年完結しました。
ギャグ漫画なの?と思わせる展開だと思うと、シリアスな回が登場して、雑誌掲載が不定期だけに見る度に頭がクエスチョンマークになること度々だったのですが、この1冊にまとまったことで、全容とその意味が繋がって見えて、これもまた斬新な作品だったのだということがわかりました。

今回も装丁は「刺青の男」と同じ方で和を感じさせるものとなっておりますが、これ上下巻繋がってるんです。
そしてミクの下には彼岸花が、ネオの下には菊の花。
全ての謎が解けた時に、あ!そうなのか!!とくるこの花の意味。
印象的な色遣いが今回もとても素敵です。

安楽寺の坊守をしている涅生(ネオ)が見つけた自殺未遂の男性。
彼は記憶をなくして自分の名前も素性もわからない。
みつかったのは、「みく」とかかれたかわいらしいネームプレートと園児バッグに詰められた大量の札束。
金に目がくらんだ涅生と弟で住職の槃比(バンビ)の好意(?)でその男性(仮名ミク)を住まわせることにする。

すごく重たい「自殺未遂」と設定の割に能天気にチビキャラになって展開される作品に、多分ミク(仮)の記憶が戻ることがゴールだと思いながら、BL的要素は?という期待も込めて一体この展開はなんだろうと思われました。
作中、ミクは夢を見ます。
女性に関する記憶。そして多分ミクの記憶を失う前の事であろう過去の出来事。
そこに登場する女性・莉日子と彼女の子供・みくとの出会い。
だけど目が覚めるとそれは忘れてしまうのです。
夢の展開はシリアスな通常絵で描かれて、日常になるとチビキャラ。
そうです!
記憶喪失のネオがチビキャラで、夢を含めた彼が忘れた現実が普通の絵で表現されていたのです。
(そこんとこ、連載中気がつかなかったオバカさん)

一見ぶっきらぼうでいい加減そうな涅生にも断ち切れない想いと関係があります。
ここんところがBL風味で…
ミクの断片を手掛かりに、調査を依頼した人=先生。
それは学生時代から始まる叶わぬ想いを持ちながら関係が続いている妻子持ちの人。
ミクを口実に逢いたい、カラダをつなげたい人。
だけど、ミクの想いがわかってしまう涅生は彼をどうにかしてやりたいと思いつつ迷っているのです。
それが、この展開の謎にもつながるのです。

シリアスで進めようと思えばきっと1冊でまとまるシリアスさですが、重いものだけにギャップをつけることで入りやすく、そしてキャラクター同士がくっついていく様をスムーズに進めやすくしていると思います。
そして、何故だろう?何だろう?どうしてだろう?と引きこまれていくのです。

主役達もギャップからしても充分に魅力があるのですが、
弟のバンビは実は遺伝子上は男でも心は乙女の、スパイラルヘアーの(あ、阿仁谷作品の某人に似てる?)一見チャラそうだけど枕仕事はキチンとこなす常識人だったり、
ネオの頭に住んでいるインコのピヨシはマスコットキャラクターだったり。
なごみがあるのが救いです。

前作『刺青の男』が重たすぎてダメだったという方に、軽重両方攻めのこちらの作品はどうでしょうかw
さて。下巻に続きます・・・


6

茶鬼

こんには江名さま☆

この「ミクとネオ」久々の阿仁谷BL作品なのでなのか、売れ行きが好調のようです
週末を挟んだのできっと週明けにはまた入荷するのでは?と思いつつ、この週末手にとれるといいですね♪
読むほどに味のある、レビュー書く前にもう5回くらい読みかえしちゃいました。
いつも最初にレビュー入れるとき、こんなウソじゃんかー!とか全然違った!とか思われたらと、案外ドキドキだったりします。
そんな小心者だったりもするのですよ(-_-;)
どうか、当たりの本になりますように☆

江名

茶鬼さん、レビューありがとうございます♪

かなり読みたい!!と思いながら、
できればペーパー付がいいな~と本屋を3軒回ったら、
3軒目にはこの本自体が置いてなくて時間切れで、
結局まだ買えてないのです~~(ノД`)・゜・。
レビュー読ませていただいて、早く読みたい!!!ってなってます。
軽重両方攻めとは~~楽しみすぎます☆
(阿仁谷さんの本は軽重どっちも好みなので、合わせ技を受けたらどうなるやらw)
いつも素敵&早めのレビューありがとうございます(^^♪

貴方はいったい誰でしょう?

自殺をしようと寺の敷地で首つりして死んだと思ったら寺の住人に発見され、
自殺をするなら無縁仏は扱っていないからと寺で納骨堂の申し込みを済ませてから
死んでくださいと勧誘される男。
しかしふと気がついた男は自分が記憶を失くしている事に気がつき身元が解るものを
自殺しようとした場所で見つけたのは大金の入ったファンシーなバックとタグ。
タグにはミクとネームがあり、大金を持っていた事で寺で世話になりながら記憶を
取り戻すことから始まるストーリー。

記憶喪失の男、仮名ミクと、古寺で裏方寺務が専門の頭に小鳥のピヨシを乗せたネオとの
奇妙な共同生活、更にその寺にはネオの弟バンビがいて、かなり個性的な住職でした。
この兄弟の名前、涅生と書いてネオ、槃比でバンビ、なにやら宗教色の濃い名前。
二人で涅槃兄弟、ニルヴァーナへようこそなんてこの言葉がラストで実感される。
そんな彼らと共にミクの記憶探しが始まるのです。

簡単には先が見えない感じであり、なにやら見えないものが視えたりとかなり
ミステリアスなのに、コミカルで読み始めると次第に惹きこまれる。
次第にシリアスな展開になっていき、目が離せないのですよ。
上下巻同時発売でこれほど良かったと思えた作品も稀有かも知れないです。
かなり面白い展開や設定で個性的なキャラも魅力的、是非愛読めされよ。

5

ぞわっ

なんか、ネオさんの顔が若干変わるような・・と思ってたんですが
なるほどなるほど、だいぶ長いスパンで描かれていたわけですね(´∀`)ふむ
上下まとめて一気に読むことをおすすめします。

よもやまさかの首吊りから始まる本作であります
夢か現実か。この世か常世かというところですね
「何か忘れ物でも?」の行がなんだかんだんだで好きで
思わず繰り返しページをめくりました。
いっそフィクションであればいいww

首を釣ろうとしていた理由も、自分の名前すら忘れてしまった男。
持ち物だったカバンに付けられた「ミク」という名前で呼ぶことにしてから
お寺での共同生活がスタート
関わりのなかでのキーワードで少しずつ呼び起こされる記憶。
夢現に見る、過去の記憶
少しずつそれが合致していくというお話
展開はシリアスなのですが、茶目っ気は忘れないテイストが嫌いじゃない。
ガッツリ合体はないものの、エロシーンのあのトロっと感は圧巻でしたw

「運命の赤い糸」
思わずキュンとした。
僕がなにものでも・・・

2

コメディの合間に先生節が

絵がスッキリ見やすくなり、デフォルメのかわいらしさとかコメディなタッチに合っていますね。

ふんわりとした知識しかありませんが、私はお寺や仏教が好きでして、仏教がらみの小ネタもおもしろかったです。

と、コメディなノリで進みながら、絶妙な流れでどろどろ、重さ、怖さを挟んでくるのが阿仁谷先生節という感じがします。
おもしろいし好きです。

ミクとネオもいいけど、バンビがいいですね。
倫理観しっかりしていて、生臭坊主じゃないのがうれしい。

「OPERA編」と書いて「おてんとさま」と読んだり、しっかりした倫理観はレビュー対策、ラブありき、一棒一穴なの笑いました。
その通り!さすがわかってる!思ってw

下巻も楽しみです。

0

この作品が収納されている本棚

ちるちる評価ランキング(コミック)一覧を見る>>

PAGE TOP