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諸行無常のドメスティック・ラブ・ミステリ、浄化と再会編。
さて、冒頭自殺という割とびっくりする展開をギャグの勢いで持って行った上巻でしたが、下巻ではそれぞれのキャラのバックグラウンドが丁寧に描かれてきて、きちんとお話として展開していきます。
硬いお仕事だけれど夜の蝶々さんとその娘さんと暮らしていたっぽいミク。服装に似つかわしくない子供用品を持ってい謎が、段々と明かされていきます。
一方のネオ。昔好きだった先生との関係が綾織のように語られます。彼の中にも恋愛の苦い過去、あるいは深い情念があることが分かります。
そんな2人が奇遇にも出会ったわけですが、2人の恋路は?
この不思議なお寺は一時の避難場所なのか、それとも?
というところがラストにむけて収束していきます。
どんでん返し的な展開もあり、それは読んでのお楽しみということで、この辺りで筆を置きます。
あとがきが全然なくてちょっと寂しかったかな。
緊張感が高まる下巻。
上巻からの伏線がどんどん回収されていって、どゆこと?どゆこと?とページを捲り、気がついたら最後まで一気読みしてました。
終始コミカルとシリアスのギャップがすごくて高低差で耳キーンのやつ。
ゆるめのコマで気抜いた後にくる、ミクが記憶を取り戻しそうになる瞬間のゾッとする感じがクセになります。
ただ一点、ネオが先生からミクに心を移していく過程がもうちょっと読みたかったなあと思ったので、中立に落ち着きました。
えー!?最後こうくる?!?!とビックリ。
それまで、笑い、どろどろ、謎…がいい塩梅でどうなんの?どうなんの?とハラハラドキドキで。
五穢の場面は、お寺を舞台に仏教ネタを持ってきた意味ー!!すごい阿仁谷先生!!と痺れていたんですが。
ミクが幽霊だったとは…。
正直、ズッコケましたw
しかも、幽霊のまま12年以上も現世にいる。
ネオと触れ合える、肉体関係を持てる。
なのに、ミクを実玖は見えない?なぜ?!
と最後の最後で混乱w
実玖が生きていたのはよかったけど。
生と死を描くにも、さすが阿仁谷先生の剛腕!と痺れていただけに、ラストは拍子抜けしましたw
でも、ま、読み応えある、いいお話ではありました。
上巻よりはギャグシーンも抑えられていて、この世界観に深く浸れた気がします。ネオの記憶を辿る道のりは、結末が何か悲しいものだと知っているからこそ切なさを感じる瞬間もあったのですが、それでも僅かの間、3人が本当の家族のように温かい関係を築いていたんだなと微笑ましい気持ちにもなりました。
オチは意外な事実でした。ミクがそこまで身を挺することができたのも、やはり幼いミクを心底愛おしいと感じていたからなのでしょう。これだけ短い間で、赤の他人の子供を我が子のように思えるようになる、これはとても奇跡的な幸せなんじゃないかと思います。最後をギャグで締め括るのも、もはや阿仁谷先生らしいですね。2人も亡くしたミクが、愛情深い子に育ってくれて本当に良かったです。ミクが繋いだ縁のお陰ですね。
そうきたかーー
映画などではよくある?オチなのに、
全く想像していませんでした。
コミカルな展開が続いていた中で、
ミクの記憶がとてもシリアスでリアルに感じました。
ミクだけが一人残ってしまったと思わせておいて、
本当は実玖一人が残ってしまったのですね……
とても切なくて悲しい記憶に涙が出ました。
ネオとバンビは、ミクの正体を知っていたのですね。
だから、ネオはミクに、
リカコとみくのところに帰れと追い出したのですね。
ミクはいつかいなくなってしまうと分かっていた……
だから、ネオはミクを好きにならないようにしていたのですね。
全ての点が線で繋がりました。
ネオの思いも切なくて苦しいです。
ただ、このままシリアスで終わらないのが本作の凄いところ!
上巻から続いてきたコミカルな流れを、
最後まで切らしませんでした。
この物語にハッピーエンドが待っているなんて思わなかったです。
そうくるか⁉︎と思わせるネオとミクの未来。
それでも、この物語はハッピーエンドだと私は思います。
後日談はまた格別で、
成長した実玖を引き取った前田兄弟に拍手です。
イメチェン?したバンビちゃんは、
さらに男らしくなっていました(笑)
実玖は見る目あるなぁー
本作では阿仁谷先生にしてはHは少なかったけど、
最後まで緩急つけたストーリーで飽きさせませんでした。
とっても良かった!
大好きな作品の一つになりそうです。