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誰もが生まれ育った土地がある。
生まれ育った土地から出ることを自発的に望む者、他発的にそうせざるえなかった者、色々いる。
田舎に戻る時にもそれはそれぞれ理由をある。
大人になればなるほど、その理由にはハッピーではない理由も含まれている事が多いのかな。
と、生まれ育った土地を出ることを時と戻る時について
考えさせられたお話でした。
田舎からでることはなく、家業を次ながら生活をしている綾瀬。
小学生時代に家族の引っ越しにより田舎から出た大志。
都会に引越しはしたものの、祖母は田舎に住んでいた。という設定があります
2人の恋はもちろん暖かく心地よいのですが、綾瀬のお父さんや大志の祖母をはじめとし
魅力的な人間にほっと救われました。
シリアスに読もうと思えばとてもシリアスに読める魅力的なお話でした。
表紙に惹かれて購入。このフォントでこの表紙はあかんでしょう!(笑)
大体こういう表紙で外れた事ないのですが、これも当たりでした。
ちょっと王道すぎて物足りないですが、作者曰くBLっぽい受けがいいですね。まっすぐな攻めも好きです。
幼なじみの再会ものってどうしてこんなにいいんだろう。
田舎の閉塞感が全く描かれていないので、のんびりした雰囲気だけで心地よかったです。
もう一つはデビュー作なんですね。絵が違う!(笑)
私は表題作の地味さっぱりした絵が好きかなあ。
こっちも可愛い話でした。
今後に期待!
と思っているのですが、もしかしてこれの後はコミックス出されていないんですかね。また出される事を祈りつつ。
表題作と併録作には距離感と言う共通項があります。
それにどう対峙するかで作者さんの重ねた年輪が
視えると言う次第になっております。
目指す所は両者ともきっと同じなのでしょう。
一冊を通じて歯応えはとても良いです。
味わいもぼやけずしっかりした感じです。
自覚してしまった人達を優しくしっかりと
描き上げた上で収めるべき所へ収めているので
不快感は無い筈です。
こじらさせてしまった純情が、幸せだけど
ちょっと困った場所に着地するその瞬間も含めて。
題名がとても印象的で素敵ですね。
インタビューに題名の由来が都都逸の「鳴かぬ蛍が身を焦がす」からきていると書いていあり、とても洒落ていると思いました。(しかも本当に!だったので)
作品は12~13年雑誌掲載の表題の他、初掲載作品が10年、その続編が12年、と言う具合に間が開いているのでその絵の変化がちょいびっくりしますが、こなれてきたということになるのでしょうか。
作品の作り方も、初期のものより表題はBLらしい受けを~という通りに作品自体がそれらしくなっているという、作家さんの変化も見られてなかなかに興味深いのです。
【泣かないホタル】
商店の息子・大志が配達に行った先に現れたのはいつものばぁちゃんじゃなくて、小学校6年の時に転校していった幼馴染の穂高だった。
バァちゃんは具合を悪くして、丁度仕事を辞めて無職になっている穂高が来たのだと言う。
小学校の時のまま、何も変わらずに明るく穂高を気に掛けて接してくる大志。
居眠りしている穂高に抱きつかれてドキっとするものを覚え少し動揺を隠せない大志だったがそんな時、父親が急に倒れ穂高が助けてくれる。
そこで語られる穂高の事。
ノンケ×ゲイの心を素直にたどったお話は、ゲイである穂高の辛い過去と相手を不幸にしたくない思いが切なさを呼ぶのですが、
大志の男前な懐の大きさに安心感を覚えます。
何よりも、大志の父ちゃんのさりげない一言(さすが大人というかオヤジというかw)
帰ってきたバァちゃんのおおらかさ。
穂高の心配をすべてはねのける、田舎のおおらかさと温かさを感じるお話に、心が温かくなるのです。
本編ではエッチがなかったので描き下ろしにて♪
二人になれるところと行った先はラブホv
若干辛抱たまらんようにがっつく二人もういういしいが、嬉しくて涙する穂高が可愛いのです。
そしてオチはバァちゃんの説教w笑わしてもらいました。
大事にされてるんだね。
【ふたりのレシピ】
その味に惚れて、その見せの従業員になった佐倉は、店長にまるでワンコのように慕ってきます。
だけど店長はそんな彼をかわいいと思っていて。
一見ポーカーフェイスっぽい店長が見せた本気の顔におじけづく佐倉ですが、店長の気持ちを知って、とりあえずお付き合いすることになったような?
そして、その後店長が結婚するのかと感違いしたことでやっと気持ちにケリをつけて本気の恋人になれるというお話。
この佐倉がビビリワンコでしたw
このあたふたは歳の差なんでしょうか(笑)
ということで書下ろしペーパーにその年の差につていて描かれてました(思わず笑うのですよ)
一冊の中で成長を見ることができた作品。これからどんな作品を描かれるのでしょうね?
温かみよりも切なさを覚える色合いですね。この印象が強くて、お話全体もそういう淡く切ないけれどポッと灯る光、な印象を受けました。
表題作は、とある夏の日に再会する幼馴染同士のお話。
表紙では隠れていて分からないのですが、受けのアヤセの口元のホクロがセクシーだなぁと開いて思いました。薄い目に細い体、白いシャツに口元のホクロってたまらない。
アヤセの体からは誘引フェロモンが出ているのかもしれません。なんとなく分かります、漂ううっすらとした色気を感じるんです。きっと大志も。
儚げな様子を放っておけなかったんだろうな。もうその時点ではじまっているし、アヤセも辛いのは嫌だし、でも大志なら大切に大事にアヤセを傷つけることなく愛してくれるんじゃないでしょうか。なによりお父さんもおばあちゃんも理解あるみたいですしね。(大志に至ってはもう分かりやすいから(笑)お父さん呆れ気味ですが、見守ってくれているんだろうな)
男性同士という点では経験値の高いアヤセのリードもあり、描き下ろしでふたりのベッドシーンも無事見ることができてうれしいです。ありがちだけれどストレートな誘い文句はそらもう大志ときめくだろう! 選んだラブホテルは露骨だけれども!(笑)
心があたたかくなる交わりでした。
収録作の【ふたりのレシピ】がデビュー作! 漫画の描き方に苦労したと市川さんの言葉でありましたが、いや十分完成されていると思います。こちらのが確かに線を選びきれてはいないけれども、これはこれで良いんじゃないかと…!
料理に惚れこんでそこのお店で働きはじめた子と、その料理を作っている店長との恋のお話と、くっついてからのふたりの話。
好意に戸惑ったり、でも手放したくないから頑張ったり、せっかく恋人になったけれども誤解を抱いたり抱かれたり、そんなこんなで無事に繋がったり……と可愛らしかったです。
どちらも不安になることはなくおだやかな気持ちで読み終えました。
いつか毛色の違う、シリアスなものですとかひたすら相手を追いかけるものですとか、そんなものも市川先生の筆運びで読んでみたいです。