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時は大正、世は浪漫。舞台は横須賀、
1919年(大正8年)7月7日 には、初恋の味「カルピス」も発売。
英国帰りの英語教師・糸井と、海軍少尉・手塚の恋のお話。
前作『今日も月が綺麗』のレビューでクリボウ様が、
英語教師時代の漱石が、「I love you」を「月が綺麗ですね」と訳した
エピソードに触れていらっしゃいましたが、
木下先生の中でそのエピソードがモチーフとして繋がっているんだなぁ、と
思わせられた作品。
後半でまさしく、
ー そうか、だから、I love you =「月が綺麗ですね」と彼の人は訳したのか ー
という台詞があります。
話は特にドラマチックな珍しい出来事もないのですが、
お互い気になった二人が少しずつ近づいていく感じが、
舞台設定もあってロマンチックできゅんとするし、
木下先生らしい優しくて時々コミカルな雰囲気に惹かれ、萌えながら読了。
手塚の背筋の伸びた硬派な、でも時々ふざけた感じや妙に可愛い感じがいい。
糸井も、柔らかくて純情なんだけれど、芯に男らしさがある感じでまたいい。
まだ20代前半の青い若さと、でもあの時代には十分大人だったであろう男っぽさ。
クラシックな台詞回しや衣装や風物も素敵なんだけれど、
そういう感じが、ちょっとした表情や体つきや仕草や、絵で伝わってくるのも
木下作品の魅力です。
糸井が担任している手塚の弟や、下宿先のご夫婦、など
愛すべき脇役も良い感じで、読んでいて幸せな気分になれますし、
表紙がまた素敵。
バックには、浅草十二階こと凌雲閣やツェッペリン号が描かれ、
そして艶やかな白菊の花(笑)
小さな青いドームはニコライ堂かな?
手塚が呟く「明日の月日はないものを……てね」は、
当時ロングヒットを記録した「ゴンドラの唄」の歌詞ですね。
ちなみに、この糸井の勤務先の三浦中学。
おそらく元首相小泉純一郎氏やノーベル賞受賞の小柴昌俊氏を輩出した
かつての横須賀中学(旧制四中)、現代の県立横須賀高校ですね。
評価……
萌×2かなぁとも思ったのですが、少々個人的な思い入れがあり「神」つけちゃいます。
時代モノと軍人モノが好きなので、木下さんの作品では一番好きです。派手なストーリーやエロエロな物が好みの方には微妙かもしれませんね。
イギリスから帰国し、英語教師として働くことになった糸井。彼の教え子が友人の駆け落ちに手を貸したことをきっかけに、手塚由人と出会う。由人は教え子である真人の兄で海軍少尉。第一印象は良くなかったものの、次第に二人は惹かれ合う。由人の方には見合い話も舞い込んでくるが、彼にその気はない。不安に思う糸井へ「一途にお慕いしております」と告げキスする由人が男前すぎてヤバいっす。
大正ロマン。軍服。
大好きな世界観がギュッと詰まった作品です。
強引な年下のイケメンの手塚(攻)に振り回される糸井(受)が可愛くてたまりませんでした。
手塚の上官の娘である滋子が、手塚に恋い焦がれるも、片思いを受け入れられない姿が切なくて…。
そんな娘の恋を見守る上官は、手塚の気持ちも娘の気持ちも尊重する、いい上官であり、優しいお父さんで、脇役だけどいいキャラだと感じました。
糸井が手塚に気持ちを伝えるシーンは、本当に映画に出てきそうなロマンチックで大好きです。
全体的にエロは少なめですが、ストーリー、世界観、キャラクターがどれも魅力的で、自信を持って神評価をつけられる作品です。
自分の大好きな要素がつまった1冊に思いっきり胸キュンして、萌え転がりそうになったですよー♪
キャラ的には木下作品の『由利先生~』を少しほうふつとさせる組み合わせなのでありますが、それが自分の好みなのでまた嬉しv
そして時代がノスタルジー溢れ、作中エンドにも語られる
「近頃都で流行る物、帝劇 三越 モボにモガ オムレツ カフェに円タク 博覧会」
まさにその時代の大正の、しかも洋行帰りの英語の先生と、自分的超萌えツボの白の軍服の海軍軍人☆
学生達は、念弟を作るのが当たり前に存在し、
登場人物のセリフもまた洒落ていて、どれもこれも全てみ~んな自分の大好きなモノがちりばめられている。
まさに題名通りの【浪漫の国】ビバ大正♪
留学から帰国して中等学校の英語教師に赴任した糸井先生。
生徒たちが遊女と学生の駆け落ちの手伝いをしたことが発覚して、その生徒の一人の保護者として海軍軍人の手塚の兄がやってくる。
彼等の友情を尊重する糸井と、軽率な行動を叱る手塚兄。
二人は一見ソリが合わなさそうな最悪の出会いをするのだが、実は考えていることは同じで、それがわかったことで気になる存在に。
弟には厳しい身内なのに、糸井に対しては何故か優男のような素直に感情を向けてくる手塚兄。
弟が自分の受け持ち生徒でもあり、彼がブラコンで糸井に相談を持ちかけることもあったりして何かと接点が増えて、手塚に翻弄されて顔を赤くしたりうろたえたりツンデレる糸井の姿がとてもかわいらしい。
出会いの時、手塚を自分より年下のくせに、、などと言っていたが実際1こしか違わないじゃないか(笑)
また、手塚弟が先生にほのかに恋心を抱いている姿もまたかわいいのだ。
手塚も海外でふと糸井を思いだして日本にかえりたくなってタイピンを土産に買ってしまったと、割と素直に最初から好意を口にして率直な人だなと思う。
だからこそ、初心な糸井が翻弄されてアタフタするのですね。
軍人らしく厳しさを持ちながらも恋愛に関してはリベラルな手塚兄と、外国生活をしてリベラルな発想をもっているのに恋愛に関しては奥手で古風な糸井、このキャラクター対比が魅力的でした。
セリフも中々時代を映していて、「遅かりし由良之助」だのキスを「キッス」とか「口吸い」とか愛の告白は「あなたをお慕いしております」とか「月が綺麗」とか・・
こういうのって萌え萌えしちゃうんですよね♪
手塚が見合いをすると聞いて、一年発起するシーンなど顔がにやけてたまりませんでした。
とってもほんわかして夢があって素敵な浪漫チックなお話に夢を見ました。
『由利先生』シリーズを彷彿とさせる、短編連作のような作品。
大正時代のレトロな雰囲気や粋な時代口調、
少しずつ縮まっていく関係が楽しめるほのぼの日常譚です♪
英国帰りで身なりは気取っているが根は真面目な中学英語教師・糸井。
生徒の兄で、海軍少尉の手塚はそんな糸井の可愛さを見抜き、
1歳年下とは思えない気障ったらしい態度で口説いてくる。
「愛している」という言葉が一般的でない時代。
視線や態度、比喩を駆使した愛の言葉で思いを伝える関係が
駆け引きのようで素敵でした。
純情でツンデレな糸井先生をからかって遊んでるような手塚ですが
肝心の言葉が伝えられず赤くなったり、意外と可愛いv
糸井は、手塚のこと満更でもないけど、
男子たるもの男にときめくなんて・・・とグルグル。
でも、手塚弟にハッパをかけられ
(糸井先生に淡い恋心を抱く(?)この弟、健気でめちゃ可愛かったw)
覚悟を決めてからの行動は男前。
手塚の見合いに乗り込んでの告白台詞は潔くて痺れます。
それに応える手塚もまた、気障な台詞が嫌味なほど決まっていて
まるで映画のクライマックス、
花嫁を結婚式から連れ出すワンシーンのようでした。
このまま自然と恋人になるのかと思いきや
描き下ろし『今宵月で逢いましょう』がまた小粋。
手塚が軍の遠洋に発つ前の晩。
夏目漱石の逸話「(あなたと居ると)月が綺麗ですね」
を思い浮かべると共に、二人の胸には同じ気持ちが。
そしてベッドの上で異国の言葉を交わしながら・・・
「Love me do」「Yours forever」からの、
「このケツまくってる姿目に焼きつけます」ww
ロマンティックなようで、
いざというときは男らしく直球勝負な二人が好きでしたv
大正時代、戦争もなく一般的には平和とされる時代のイメージと
木下先生の優しい絵柄、ほんわかした作風がガッチリ嵌ってました。
ノスタルジーを感じる様々な小ネタの中でも特にファッションが素敵で、
三つ揃えのスーツに帽子、サスペンダー固定のズボンに萌え。
女の子の庇髪や、ストールをまとった着物姿も可愛かったです。
強烈に萌えたり感動したりということはないですが、
レトロ感溢れる素敵な世界に酔ってのこの評価です☆