綺月陣、幻の傑作ついに登場!! ――『奇跡』を手にするまで諦めない。

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表題作銀の不死鳥

真士
廻音

あらすじ

二十世紀末、ニューヨークにある人体冷凍保存技術研究所で、試験管ベビーとして誕生し、研究所で働いていた青年の廻音は、研究者の真士と恋に落ちる。しかし廻音は、コールドスリープの実験体として義務を果たさなくてはならなかった......。
 真士には何も告げず、眠りについた廻音が目覚めたのは、実験から三十五年後。
 真士との再会を夢見る廻音の目の前に真士そっくりの男が現れるが、廻音は彼にひどく暴行されてしまう。なぜ真士が? 混乱する廻音に告げられたのは驚愕の事実だった――。

作品情報

作品名
銀の不死鳥
著者
綺月陣 
イラスト
AZ Pt.(AZ Pt ) 
媒体
小説
出版社
Milk-Crown
電子発売日
4.1

(9)

(6)

萌々

(1)

(0)

中立

(1)

趣味じゃない

(1)

レビュー数
3
得点
35
評価数
9
平均
4.1 / 5
神率
66.7%

レビュー投稿数3

BLでない小説を読んだような読後感

綺月さんの作品ってどうしてこう面白いんだろう。私は大好きです。

エログロと言われるようですが、確かに要素として凌辱輪姦・カニバリズム・3P・暴力描写・解剖描写はありますが、一貫して愛の物語でした。
綺月作品の心理描写は切実なものがあり、狂気と紙一重とさえ感じますが、それがものすごく人間らしいと思うのです。

そして彼らの選択、物語の展開がすごい。逼迫した状況を乗り越えようとする選択がたとえ狂気に感じられたとしても、もはや誰にも裁くことができないように思います。一つの答えとして受け入れるほかないと思わせられるのです。

この作品でも主人公は容赦なく極限に追い込まれていきます。本当に文字通りの極限。どこに希望を見出せばいいのか途方に暮れるほど本当に容赦なかったです。

そして、何度も「そう来るか!」とうならされたのです。

非常に閉じた感覚で狂気と正気のはざまで漂っているような世界が、本当に素晴らしい。そこに見つけ出す道が本当に希望なのかどうかわからない。けれど縋るしかない人間らしさに胸を打たれます。

これを読んで感じるのは苦いものかもしれません。痛い描写もたくさんあります。愛とは愚かさなのかもしれないとも。けれどそれは間違いなく愛の本質の一部であり、とてもうつくしいと私は思ってしまいます。

どこまでも人間らしくシリアスな世界は、読み終えた後BLを読んだというより小説を読んだ気分になりました。白々しくない描写がとても好きです。

7

初期の綺月陣先生を感じる作品

一度その世界観に引きずり込まれたらなかなか現実に浮上できないような、そんな雰囲気を持つ作品でした。

その内容からBLの商業誌では出しにくかったようですが、ハードカバーでも何でもいいので是非とも紙媒体で保存しておきたいです。



以下にCAP、性描写等のジャンルのネタバレを含みます。
EDについてのネタバレはありません。







真士×廻音 複数×廻音 真士?×廻音 廻音総受け3P

「陵辱・暴力・カニバリズム・殺人」要素を多々含みます。
文章は背徳のマリアに近い感じで軽さや下品さは感じられませんでした。

耐性のない方は読んでいて気分を悪くするかもしれないので注意してください。


廻音の真士を求める心が切なく、苦しかったです。

3

冷凍保存

この作者さんの作品は好きなのですが、これはちょっと無理でした。
人類の冷凍保存を研究する研究所が舞台。シャイだが優秀な日本人青年、真士と、被験体になることを決められたカイネの恋。

二十歳になった時、カイネは冷凍され、悲劇の別れとなる。そこまでは良かったが、カイネが復活した時、世界は核戦争後で、生き残ったのは悪党集団のみ。陵辱されるのはまだしも、カニバリズムや、一見優しい元研究者の矛盾などが受け付けず。

結局、脳だけ生き残っていた真士の移植には成功せず、氷河期が来て二人はまた眠る。のちに発見されるところで終わり。少しの希望を残した形ですが、結局何が言いたいのかよく分からなかった。

2

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