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表題作料理男子の愛情レシピ

夏川光司
教室の生徒で食品メーカー社員、25歳
牧野周
料理教室の講師、27歳

その他の収録作品

  • あとがき

あらすじ

料理教室で講師を務める周は、初心者コースに参加した唯一の男性生徒・夏川に強く惹かれるが、素直に気持ちを伝えることができず…。

作品情報

作品名
料理男子の愛情レシピ
著者
犬飼のの 
イラスト
香林セージ 
媒体
小説
出版社
講談社
レーベル
X文庫ホワイトハート
発売日
ISBN
9784062867788
3.2

(42)

(8)

萌々

(8)

(15)

中立

(8)

趣味じゃない

(3)

レビュー数
9
得点
125
評価数
42
平均
3.2 / 5
神率
19%

レビュー投稿数9

おふくろの味を再現したかった夏川の秘密

お料理教室の講師が主人公、周
初心者コースに参加した唯一の男性生徒・夏川
滅多にいない男性の受講生、夏川に、1年以上付き合っていた恋人と分かれたばかリの周は一目ぼれ。
地域活性化のイベントで、偶然夏川と遭遇して、夏川の家で料理を作ってあげることになる。

夏川の希望する料理は、お母さんのレシピメモ。
イカの塩辛風 と 鮭のマリネ。

暫く付き合って、周が夏川と別れる事を決心した訳は、夏川が言いたがらない家庭の事情を知ってしまったから。周は、夏川の子供を生めないと悩む。
色々あって、周が出した結論は、私がいつも思う所とほぼ一致するので嬉しかった。

男女の夫婦が幸せになれるとは限らない。子を生む事は、子孫を絶やさないために重要な事だけど。
でも、人工授精など医学が進んだ今世で、養子を迎えることもできる今世で一番大事なことは、一緒に居て安らぐか否かのほうじゃないのかな。

---
作品の中では、レシピの分量がなかったけど、レモン果汁が多い特製レシピで、薄味のもの。
凄く美味しそうなので、推測した量で作ってみました。レモンではなく、冬なので、柚果汁で作ってみました・・それなりに美味しくできた。魚臭くないマリネ風塩辛。特にレモン汁の塩辛は、臭くないのでホントにオヤツになりそう。
ネットで検索したら、「イカの塩辛・塩レモン」で色々なバージョンがありました。

1

No Title

大好きのの先生。
良い意味でらしくない?(私見です)優しい表紙とタイトルにどんな展開だぁ!?と期待して。

かわいらしい見た目の料理教室講師のあまねとノン気のイケメン年下モテ男の夏川。
7割過ぎたあたりで交際スタート、あまね母も公認のラブラブに。
…ってここで終わらないよね!?
あと3割あるけどどうなるの!?と。
ダメンズウォーカーのあまねと同じ不安を抱きましたよw

夏川の家族の死因が相手の居眠り運転で、
あまね父も居眠り運転で亡くなってるから
あまね父が加害者か!?とエグい展開に必要以上にビクビクして読んでたんだけど、
よーく読み返したらあまね父は単独事故だった…
ホッ

最後はまーるくハピエンです♡

0

同性の相手を労わる気持ちと家族への愛

クッキングスクールが舞台なだけに料理の話題が結構な割合を占めている訳だけど、読んでいて薀蓄っぽく感じるよりも、内心「この女子力の高さって一体!!」って焦ってしまったかも。
なんせ自分の料理レベルなんて<取りあえず材料切って火を通せばOK!!>なもんで…

この小説はクッキングスクールの生徒と先生というカップル。
犬飼さん流の凝った世界観やキラキラ設定はないけれど、ちゃんとBLとしての、カップルになっていく過程も濃い目のエロもしっかり読めるのはさすがだ。

受けの周(あまね)がゲイって事に理解のある母親に、ノンケながらも何気に周に対して洞察力のある攻めの夏川。
好印象なままトントン拍子に話が進むなと思っていたら、夏川の隠し事を知って周がショックを受けてしまい、すれ違いが生じてしまうが、無事に上手く収まってほっとする場面もあり。

元々夏川がノンケだから将来の心変りっていう不安もあるが、できるならお互い相手を労わる気持ちを失わずに末永く幸せであってほしいなと感じる穏やかな読後感だった。

実はこの話は家族に対する愛情って部分がかなりな意味合いを持っている。
私は割とBL・一般問わずに小説の中で家族愛に触れる部分を読むのは好きだけど、もしもBLを読むのに家族絡みの要素は要らないって人がいたら、もしかすると【趣味じゃない】になってしまうかも知れない…

2

ノンケを好きになったゲイのお話

犬飼のの先生の作品は「えとがみ」「猫の王国」「シンデレラ王」しか読んだことがないんですが、イメージとしては華麗な表紙・ファンタジー・ちょっとダークだったり痛い描写があるって感じ。

それなのに、こんなほのぼの〜としたタイトル&表紙というところがかえってインパクト大!なので、読んでみました。

ノンケ×ゲイということで料理教室の生徒に恋してしまった講師の周(受け)が主人公。

実は、初読時は超〜びびりながら読んだんです。
どこかで痛い展開になるんじゃなかろうか……と必要以上に身構えつつの読書だったんですね。

だけど受けも攻めも、受けの家族も、攻めの口から語られる家族の姿もみんな常識的でいい人だらけでホンワカしてる。

え?そんなはずじゃ?
こんなほのぼの〜でいいのか?
ダークな展開はいつくるのか??

とハラハラドキドキしながら読んでたせいで、攻めの口から語られていた家族像と真実との乖離にさほど衝撃を受けなかったという……。


ノンケ攻めの将来を思いやって身を引くゲイというBLあるある。
今回の理由は、攻めの家庭事情がかなり重いだけに、そういう思考回路になるのも無理はない…とは思いました。

だけど健気なようでいて、実はかなり独りよがりなんですよね、それって。
攻めの気持ちを置いてけぼりにして、どんどんと別れに突き進む受けの姿に、おいおい!と思っていただけに「ゲイはノンケよりも不幸だって決めつけてない?」とずばり指摘する当て馬がGJ!です。
おまえは実はいいやつだったんだな。

ノンケ×ゲイBLが好きな方なら、ノンケを好きになってしまった葛藤とか、切ない気持ちなどがしっかり書かれているので満足できると思います。

1

二人の求めるもの

今回はキラキラした設定も、超絶イケメンも登場しません。
好きで恋人同士になったはずなのに、いつの間にか自分の家事が当たり前になり思いやりを感じなくなった為に恋人と別れたクッキングスクールのゲイの講師と、
そのスクールに生徒として入学してきた会社員の男性の恋のお話。
実は、このスクールのある場所、他に登場する地名や場所、何気にローカルではあるのですが、これがまた自分のものすごく知っている場所でまるでグーグルさんのストリートビューのように場所が特定して体感してしまうという驚きの(汗)ちょっぴり3D体験?

1読目、攻めの夏川の、ノンケであるから仕方ないとはいえ、何気にデリカシーのない主人公の周への言葉に憤慨してみたり、とても誠実そうではあるのに何か喰えない雰囲気を感じながらひょっとしてドンデンが?と期待を持ったりしながら読み終わり。
次には、もうすでにわかっている彼等の事情を知って読むと、その時のセリフや心情に腑に落ちるものがある。
作者さんにしてはとても堅実な普通の日常のお話でしたが、萌えたとかとてもトキメイタとか、このキャラが好き、というものはなかったものの、
主人公の母親も脇ながらよい存在感を出していて、
二人の欲しいモノは合致した関係なんだよね。ちょっぴりマイノリティであることをこだわりに入れながら、有る意味理想のカプの有り方なんだろうと思うのでした。

作者さんが実際にスクールに通ったというだけあって、前半ではかなりくわしく調理の解説や場面が描写されます。
ここまで詳しく書かなくてもいいかな、省略もできなくはないけれど、このあたりは作者さんのサービスかな?と。知らない方にはよい知識にはなるでしょう。

周の勤めるクッキングスクールに珍しく男の生徒が入ってくる。
恋人と別れたばかりだからというわけでもないが、乙女男子なのかという予想に反して入ってきたのは、容姿もよく、体つきもしっかりした清潔感ある夏川という会社員でした。
彼が気になるようになった周だが、親しくなり彼にキスをしたことで関係が少し前進し、周の元カレに復縁を迫られている場面に遭遇したことではっきりした恋人関係に。
それは周の母親も公認のものだったのですが、夏川の家に行った時に近所の主婦から夏川の本当の一人暮らしの事情を聞かされて、周は身を引こうとするのです。。。

ちょっぴり気のある恋愛対象として夏川を見るゲイの周からしてみると、案外に夏川の放つノンケであるが故の言葉、ちょっぴりズキリとします。
街コンで偶然会った時は他人のふりをしたり、結構女性ともシビアな関係を持っていたような。
夏川がクッキングスクールに入った理由が、春から一人暮らしになり家庭料理を覚えようということだったのですが、実はここにある秘密が…
その秘密があるが故に、周に惹かれていった部分はあるのです。
それならば周が元カレと別れた理由のまた繰り返しにならないのか?と思う所ですが、そこに付き合い方の違いがあります。
なるほど~と、あとになって実感するお話でした。

自分的に考えると、夏川に事情があるとはいえ、まだまだ何となく掴みづらいキャラクターのような気がします。
誠実だとは思うのですが、なにぶん男と付き合うのははじめてですから。
読み終わってこの二人の先を考える~それもまた楽しみなのかもしれないです。

6

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