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BLっぽい作品なら、一般レーベルでもかなりありますが、これはBLっぽいではなくて、もうBL作品と言ってしまってもいいのではないかなーと思いながら読んでました。同級生に、濡れ場がないBL小説だよね、と言ったら同意してくれたので、認識は間違っていないと思います。
読んでいる間に私の中で話題だったのは真志喜くんの外見です。なんかかなり美形らしいぞ…! と、脳内イメージを構築しては破壊するということを繰り返しました。結局固まってはいないのですが…。
翁の真志喜を任せる発言とか、瀬名垣の熱いくらいでした発言とか、とにかく意味深に思えるシーンが多いです。他にもいっぱいある…というかすべて挙げたら著作権の侵害になりかねないというくらい意味深に聞こえる描写が多くて、唸りながら読みました。
著者のエッセーで、どの本に収録されていたものか定かでないのですが(確か『夢のような幸福』だったと思います)行間を読む楽しみ、ということで(深読みをすることを)許してほしいといったことが書かれていましたが、それってこういうことなんですか……?
最後のあさのあつこさんの書評に、トンデモ…というかそこ突っ込みますか!ということが書いてある(もしかしてこれも深読み…?)のも面白くて、わたしは笑ってしまったのですが、なんだかもっとシリアスというか切ないというか…といった話だったはずなのになぜでしょう、深読みに翻弄されてたぶん大事なところが掴めていない気がしてなりません。これは掴めるまで読み込めということなのでしょうか。
かなり質問形式が多いレビューになってしまって心苦しいですが、ひとつだけ断言できることは、わたしはこういうの好きなんだな、ということです。レビューでは題名でもある魚のことにまったく触れてませんが、実は大事なキャラです。
BLコミック派ですが非BLに分類されているこちらの作品を読んでみました。
「水底の魚」
古書と過去に囚われた2人の共依存とも言える関係。
友人であり、同業者であり、共犯者。
お互いが核心にギリギリ触れないのがもどかしい。
元々コミックでも性描写無しでも萌えられるタイプなので、作品内に明らかな描写は無いですが萌えっ萌えできました。
2人の距離感、依存度、周りの登場人物も瀬名垣と真志喜はそういう関係だと認めているみたいですし、私もそういう認識で読みました。
文学作品でありながら非常に読みやすいですし、かと言ってくだけすぎておらず、表現も美しいので情景を頭のなかで想像する楽しみがありました。
特に好きな場面は本編最後の、真志喜宅の庭の池で跳ねる魚を見た2人のシーン。
月の光に照らされた魚の鱗、池の波紋、そして訪れた静寂。
親密な2人のその後を想像せずにはいられないラストでした。
また2人が17歳の時の話を真志喜の学校の教師目線で書いた「水に沈んだ私の村」も良かったです。
教師から見た2人の様子、関係性が本編よりむしろダイレクトに伝わって来てドキドキしました。
小説を読み返す事はほぼ無いのですが、この作品はまたきっと読み返すだろうと思います。
古書店の若き当主(真志喜)×古書界のせどり屋(瀬名垣)
は〜!!
いい!結局ラブには発展しないからBLではないんだけど
2人の空気感は読み手からしたら間違いなくBLチック、
最初の数ページでもう尊さが深い。
せ『俺の健康をきつがってくれちゃって』
ま「馬鹿か」
の真志喜の塩対応からの
ま「明日吸い殻拾えよ」
せ『へえ、泊まっていいんだ』
ま→赤面
((((声にならない悲鳴))))
ふたりの会話の中のお互いを愛しく思うしぐさとか、お互いが過去の出来事にしばられながら執着しあっててその気持ちをうちに秘めてる切なさとかがいい!
瀬名垣はすぐ真志喜の髪触るし、調子いいし、真志喜のこと気にかけてるのとかめちゃ伝わってくる、、真志喜にだけみせる優しさとか特別扱いされてる感じがよい
真志喜の所にきた瀬名垣に真志喜が
ま「私に用があって来たんだろう」
せ『用がなきゃ、来ちゃいけないのか』
ま「用がなければ来ないくせに」
は〜〜
え?なんなん?
尊〜!!!!!!
しかも、瀬名垣をみつめながら
自分のことを読んでる声を思い出して赤面する真志喜可愛いんだけど、
後、2人で故人の書斎?買い付けに行く話の下りで
真志喜が奥さんに送った一冊の本の『理由』とか本への想いも趣深い、、。
最後の瀬名垣が店開くのところの2人の会話も尊さMAXでした。。
結構薄めの文庫本だから
わりと読める!
ただセリフよりも、情景の表現みたいなのが多いとは思う。
でも、そこがまた良いんだけどね
切実にコミカライズしてほしいし
オーディオブックとかになってほしい
素敵な作品でした
時代設定をはっきり示さずに始まる物語は、冒頭から漂う時代物っぽい文章から戦後あたりかと思って読んでいた。だが読み進めるうちに昭和後期くらいか?となり、そこらへんがちょっと気になった。古書の価値や考え方を理解する上で年代は重要なんじゃないかと思ったが、まあさらっと読んでも問題ないのかも。
時代設定のせいで聞き慣れない単語が頻出し、とっつきにくい。それでもするする読めるし、表現にはっとさせられるところもある。美しい日本語に触れられた満足と、文章への信頼と安心感が半端なかった。文章に浄化される気分も味わえる。
匂い系と言われる本作だが、序盤から納得の香り。メインの男二人の視点が入れ替わりながら進む中で、相手の容姿を描写する表現が艶めかし過ぎる。友人の見た目をそんなふうには言わんだろ、って感じなので、最初から関係性が匂っている。
本筋は真志喜の父親を起点とした罪と再生の物語。だが父親は失踪理由にまず呆れ、再会後の人間的成長のなさにもげんなり。小物臭が酷すぎて、どっちに転んでも盛り上がりに欠けるキーパーソンだった。
メイン二人の関係性は難しい。どちらも相手の弱みに付け込んでいるようで、実は相手に付け込ませることで繋ぎとめているような。真志喜視点では繊細で脆いものに見えるし、瀬名垣視点では切っても切れない(切らせない)強固な絆に見える。
BLであれば共依存で簡単にカタが付くかもしれないが、本当にいろんな意味でいろんな匂わせが散りばめられていて、想像を掻き立てる点が多すぎる。
ここが最も魅力的に感じ、BLの枠に当てはめてしまわない方がよほど妄想も膨らみ、勝手に萌える関係に変換できると思った。BLだとかBLじゃないだとか、そこにばかり注意を払って読むのはもったいない作品。
古書や査定にまつわるあれこれも興味深く楽しく読めた。綺麗な文章はただ読むだけでも癒される。特にファンタジー感溢れる池のシーンの描写がとても好き。
親子の確執が決着含めあまりしっくりこなかったため、神評価はできず。
ちょっと繊細過ぎてBLとしては読めなかったです、どの辺がそうなってんのという感じでした。
無窮堂という古本屋を営む真志喜とその親友の瀬名垣の話。
瀬名垣は古書に関して天才的な嗅覚を持っていて、それが原因で真志喜の父は出ていってしまった。
長野まゆみ程じゃないけど現代が舞台なのにファンタジー感が強い。
ブロマンスの話でもあり家族関係の話でもあり、古書界隈の蘊蓄を披露してもらえる作品でもある。
魚住くんシリーズを文学的にしたような作品だなあと思った、静かな熱のある文章がとても良かった。
ダムの底の村の話も面白かったです。