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子捕り=人攫い、
子供の拉致から始まる、悲しいことの連鎖。
終りはメリバだった。
面白い作品を描く作家ですね。
短いけれど インパクト強い内容で、耽美風の結末。
一度読んだら、多分忘れられない。
作品数が少ない作家で、pixivに「Mドロ」のIDで頁があるけど、
最近の更新はないみたい。
怖い話、哀しい話が多いドロ子さんの作品の中では
比較的救いがあり、結末にホッと息をつける作品。
(しかし冷静に考えるとやっぱり怖いですw)
8歳のとき、遼平の目の前で誘拐された、幼馴染の幸人。
10年後、遼平は近所の子供たちから
「ゆきと」という青年がドヤ街に越してきたと聞く。
荒れ屋を訪ねてみると、そこには成長した幸人が。
誘拐犯の男・黒田を「父さん」と慕っていた。
連れ帰ろうとするが、幸人はあの家には帰りたくないと。
しかし、黒田はすぐ自首し、幸人は実家に戻る。
後継のことで幸人を疎んじる弟に折檻を受け、
幸人は日に日に憔悴していく。
10年前、自分が幸人を誘拐犯から守っていれば――
10年後、自分が幸人と再会しなければ――
これ以上、幸人の苦しむ姿を見たくない。
そんな想いから遼平のとった行動は…。
ラスト、二人の優しい笑顔に
最初はホッとしたけど、
そのあとすぐ手前の壁の貼り紙が目にとまりゾワッと。
親は子を選べない、過去は取り戻せないから、
せめて行き場のない子を救いたいという事か。
優しく美しいラストシーンを演出する一方で、
決して彼らが正義とは言えない、
ある意味「狂気」の人たちであるとも示唆するかのような
ラスト一コマの構成が巧い。
温かな感動と恐怖を同時に味わえる、なんとも言えない読後感です。
好きな話なんですが、
もっと掘り下げてほしかった部分もあります。
◆誘拐犯と幸人の、擬似親子の絆とか
(黒田の自首が、アッサリしすぎていて…)
◆遼平が、いくら罪悪感があったとはいえ、
ここまで幸人に尽くすかなーとか、
ちょこちょこ気になったので、萌評価です。