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僕に攫われてみない?
よくお名前は見かけるものの初めましての作家さんです。
クロスノベルスなのに表紙も読み始めてしばらくも、クロスノベルスらしくないライトな感じ?と思っていたら…。
とっても良かったです!
「君、僕に攫われてみない?」
なーんてどこまでも軽くてとぼけた紳士、佑仁。彼のどこまでも家族にすがる?縛られるところ、叶うことがないこと、それでも爪痕を残そうとするところ。切なかったです。
琥珀は従妹の美月のストーカー対策に身代わりで大学へ通っていたら、長身イケメンに攫われて。
石垣島やら湯布院やら神戸やらゴージャスな逃避行。伯父から家に閉じ込められ使用人扱いされてきた琥珀は、この旅がとても新鮮で楽しくて。こちらも読んでてワクワクしました。
琥珀も佑仁に惹かれるも僕は美月だと思われてるから…、身分も違うし…と切なく。
一緒に過ごすうちに佑仁の寂しさ苦悩覚悟に気が付き。
そんな頃美月は本家を取り戻し叔父夫婦を追い出し会社を取り戻す段取りをしていて!しかもちゃんと佑仁に連絡をして琥珀を楽しませてあげてと頼んでくれていて!
はぁ〜。良かったです。ライトだと感じて読むうちにすっかりシリアスになっていて。
佑仁にも初めて執着する存在が出来て。
最後の短編も甘々で最高でした。
琥珀が可愛いのが悪い。ここまで佑仁がメロメロになるなんて!
とても読みやすい文章で、キャラも良く琥珀も佑仁も美月も大好きになりました。
るのあ先生の花嫁モノは複数あって、関連作で出ていたのは3作
花嫁はシンデレラ・・女装で夜会参加 幻の人
★天然紳士と略奪花嫁・・妹の身代わり
溺愛貴公子とうそつき花嫁・・偽装恋人
何れも、甘々。ハピエン。
優しい言葉遣いなので、虐められる場面もちっとも怖くない。
花嫁もので、風変りなのは、「ぬいぐるみを助けたら、なぜか花嫁になった件で、
関西弁で喋るぬいぐるみ(ウサ吉)が登場するファンタジー
るのあ先生の作品は、全般が心が疲れる場面が無い癒し系BL。
心が疲れたときにお薦め
花嫁シリーズ3作目は略奪モノ、でも略奪と言っても身代わりでちょっと捻ってます。
元華族の家柄出身の母親を持ちながら、その母が泣くなり12歳で本家に引取られ
母親の兄の叔父夫婦と従姉妹と幸せに暮らしていた琥珀ですが、叔父夫婦が事故で
亡くなり、従姉妹と琥珀は二人残されるが、そこに未成年者だけでは心配だと
もう一人の叔父夫婦が屋敷に来たとたん、亡き母親と仲が悪かった叔父は
私生児で父親もはっきりしない琥珀を家の恥と言って冷たく当たり、屋敷から出さずに
普通の使用人以下の扱いを受けるようになります。
この辺がちょっとシンデレラみたいですが、次にたった一人の理解者で大事な家族の
従姉妹に結婚話が進み、同時に従姉妹に嫌がらせの手紙やストーカーを疑う出来事が
おこり、琥珀が従姉妹を守るために身代わりで大学へ通うことになります。
そして、危ないところを助けてくれた佑仁に誘拐されることになりますが、
無理やりではなくて、なんとなく流されてしまう展開。
佑仁は従姉妹の婚約者の異母弟で、琥珀が従姉妹の身代わりだと気がつかないで
誘拐して、そこから1週間の逃亡生活が始まります。
佑仁は兄の結婚を邪魔したい、琥珀は結婚を嫌がる従姉妹を守るために従姉妹のふりで
佑仁の誘拐に付き合うのです。
この攻めになる佑仁ですが、妾腹の子供で家族が欲しかった寂しがり屋の隠れファザコン
父親から愛をもらえないと気が付き、手切れ金のようにもらったお金で外国に渡り
会社を起業し成功、でもそれも父に認められたい一心だったのに報われなくて
会社を手放し、父や兄を困らせたくて兄の婚約者を誘拐してしまう。
かなり子供じみたタイプかもしれませんね。
そんな二人での逃避行で徐々に思いが育っていくある意味王道花嫁モノです。
目新しい感じはしませんが、攻めの佑仁が全てに諦め執着しなくなった時に
琥珀に出会って、新たな人生をやり直すラブものでした。
過去にこだわり過ぎないで二人で新たな世界を一緒に前に向かって踏み出す作品ですね。