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富士見の外伝シリーズも、えーと、もう何冊目?
第5弾ですか。
すっかり落ち着いた、いい夫婦状態の悠季と圭については、もう語り尽からこそ始まった外伝シリーズ。
一応、二人のお話(ヴァイオリンのメンテナンスのため松本まで日帰りドライブする話)も収録されていますが、、、
前巻までは、別のキャラの視点から描くお話は、これまでの出来事を、そのキャラがどう関わっていたのかとか、どう感じていたのかとかが多かったと思う。
それが、ここへきて、お話が大きく前進。
いよいよ桐ノ院オーケストラが具体化!
その準備に燃える宅島!ってことで、シリーズ本編後のお話が、主人公だった二人をそっちのけにして進みます。
そして、恋愛関係のあれこれは、新キャラ登場で、貞光くんが担当するみたい。
まだまだ続きがあるそうなので、貞光くんがどうなるかも楽しみ。
完結後に、ちょっとした裏話に留まらない外伝を続けるやり方には
結構反発を持っているけれど、でも結局読んでいる自分に溜め息。
そういう読者も多いのではあるまいか?
前半1/3の『楽園の雲雀たち』。
教師業3年目の悠季が壁にぶちあたり、福山師の許を訪れる。
『檻の中』に収められていた『むずかしい弟子』もそうだったが
私はこの名伯楽福山先生に深く感銘を受けているのだが、
しかし……、全然BLじゃあないですね?
この後、バイオリンのメンテナンスに小諸の西大路氏を訪ねるのだが、
この名匠の言葉にも唸らされることしきり。
音楽好きにとっては、全然BLとは違うところで面白い一編だった。
あ、帰りに昼食に立ち寄った温泉宿で
ちょこっとイチャイチャしておりますが、Hシーンはなしです。
『虹の橋』は、桐ノ院オケが実現に向けて発進。
(いや、すごい!20代にして冠オケ!トスカニーニだって死後なのにw)
これは外伝なんだろうか?続編というべきでは?と思わないでもないが
その序奏ともいうべき最初の雑事に関わる宅島と、由之小路貞光のお話。
宅島と悠季のマネージャーである妻・井上元の馴れ初めや
その後の二人にかなりのページが割かれ、挿絵まであるのだが
(しかも、……子どもっぽくて私のイメージとは違うし!)
これはいかがなものだろうか?
私はBLに女性が出て来るのには肯定的な立場だし、
がっつり女性が出て来るような話が好きではあるのだが、
これには正直辟易してしまった。
描かれている話自体がそれほど好きではなかったから
そう思うというのもあると思うが。
BLらしさ担当は、なんとさだみっちゃん。
彼に一目惚れして、猛アタックをする下品なクマは宅島の従兄。
さだみっちゃんは好きなキャラなので幸せになって欲しいのだが、
うーん、この展開もあまりのれず……
そして、さらに続く……という終わりにもプンプンッ!
ああ!
でも次が出ればまた読んでしまう我が身が腹立たしいかも?
BL的な萌えは全くなかったが、
マエストロ達に敬意を表して評価は「萌」に致します。