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鈴白ねりた先生のデビューコミックスです。
・歳の離れた兄弟のお話
・幼馴染同士の高校生のお話
・神様の作った二人のお話
の3作が収録されております。
『フタリボッチシンドローム』
兄の事が好きな弟・航輝と、次第に弟の気持ちに気付いてしまう兄・航矢。航矢はずっと気持ちを自分の中に留めておこうとしていたのでしょうが、弾みでキスをしてしまってから航輝の様子が変化し、二人の関係にも変化が…
作中ではブラコンの一言で片付けられ気味の航矢の過去ですが、航矢の友人・三芳が美しいと思った四年前の航矢の姿や、産まれたばかりの航輝を抱く航矢の姿には航輝に対する愛おしさがこもっているように感じました。生まれてから16年間ずっと見守り続けてきた航矢には、作中で描かれている以上に深い愛情があるのではないかと思います。
BL抜きにしても、ただのブラコンな兄弟の姿も可愛いです!
続編の連載も開始されているので、今後も楽しみです。
『Kの魔法』
ほのぼのとしていて可愛いお話でした。
彼方がケイちゃんにある言葉を言わせたいが為に遠回しに頑張ってみたり、言って貰えなくて不機嫌になったりする姿が微笑ましかったです。二人を応援しているのか楽しんでいるだけなのか…友人・岡倉のキャラも面白かったです。
鈴白先生もお気に入りのキャラなのでしょうか、ずっとツイッターのアイコンに使ってらっしゃいますね。
『センとジウ』
ものすごく泣きました…。
読んでいて辛い、けれども同時に温かいお話でした。よくよく考えると少し可哀想な終わり方なのでは、他の終わり方もあったのでは、とも思ってしまうのですが、最後の1ページがある事で、読み終わった時に温かい作品だと思えました。
千年の寿命を持つセンと、十年の寿命を持ち繰り返し死んでは生き返りを繰り返すジウ。ジウが何度も子供の姿で生き返るので、同い年くらいだったり、ジウの方が年上になったり、センの方が年上になったり、そんな現実ならありえないような様々なシチュエーションが見られるのもこの作品の面白いところだと思いました。
ちょっと民族モノっぽい感じや神様が出てくるところなんかも好きです。
作中では千年近くの時が過ぎているはずですが、詰め込み過ぎや展開が早すぎと感じる事もありませんでした。セン目線での描写が多く、ジウの心理描写があまりない事で、千年間ずっと生き続けているセンの孤独みたいなものも感じましたし、たまにジウの気持ちが描かれる事でジウがセンを大好きな気持ちが際立っているようでよかったです。
性描写は1冊通してほぼなし。キスだけとか、そんな雰囲気になって~後は事後とかそう言う感じでした。もっと見てみたかったと言う気持ちも無くも無いのですが、ストーリーがとても好きだったので個人的には特に不満はないです!
ストーリーも絵もとても好みの作家さんでした。
キャラの表情は気持ちがじんわり伝わってくる気がします。とても優しい笑顔を描かれるので見ていると癒されますね…。
カケアミが使われていたりして、手描き感のする絵が好きな私にはとても好みの絵でした。
今後の作品にも期待しています。
3つのお話が収録されています。
表題作は本当の兄弟の恋愛モノです。
年の離れた弟(航輝)と兄(航矢)は事故で両親を亡くし
二人で生活しており、とあることがきっかけで恋愛関係になります。
と言ってもエロは少なめです。
近親相姦モノなので好き嫌いは分かれるかもしれませんが
私はすごく好きな作品でした。
残りふたつのお話も良かったのですが
個人的にはもう少し表題作の兄弟のお話を読みたかったです。
※でも3つめのお話はすごく良かったです!!!!!
少し切なく…でも温かな、1stコミックです。
小嶋ララ子さんの絵を線をしっかりハッキリ描いたような…
そんな印象の絵柄で、キレイで見やすく空間の使い方もとてもお上手。
特に、その場の空気を纏わせるような描き方がとても素敵だと感じました。
■表題作「フタリボッチシンドローム」2話+描き下ろし
兄×弟のガチ兄弟のお話です。
どちらもブラコンで、お互いが大好きな歳の離れた兄弟が、
両親を亡くしフタリボッチになって……
兄弟故の背徳感はあまりなく、
お互いの存在が特別…ということがゆっくり描かれていてじんわり。
こういう兄弟モノもいいなぁ。
完璧っぽい兄のフリーダムな感じがコミカルで面白いな~と思っていたら、後半にその理由が分かってキュン。
惜しむらくは、エッチが朝チュンっぽいところ。
もうちょっと描いてほしかったな~~
弟が蕩ける姿も、それを見た兄の表情もとても美味しいに違いないもの~w
■「Kの魔法」1話
幼馴染同士で現在高校生のふたりのお話。
小さいときから可愛くて、今も女の子に負けないくらい可愛い。
でも「可愛い」という言葉は今は禁句で、言われると嫌がるし怒る。
その理由は、「可愛い」という言葉が彼にとっては特別だから…
子供の頃の思い出や、セーラー服コスプレ、
そしてふたりを焚き付ける友人がいい、ほのぼの~~でした。
■「センとジウ」2話
神様によって、
十年の寿命(ジウ)と千年の寿命(セン)がそれぞれ与えられた男の子のお話。
いつも一緒にいて仲良しで心を寄せ合うふたりだけど、
寿命の長さのせいでジウは先に死んでしまう…
神様の計らいにより、ジウは生き返るけれど記憶はなくなっていて…
繰り返し繰り返し訪れるジウの死。
そして生き返るのは分かっていても、
その時その時のジウを失うことを心から悲しむセン。
その中でふたりが育む愛は……
この悲しさ、切なさの描き方、
そして別れを繰り返す中でのふたりの表情がとてもとても素敵でした。
ただ、ちょっとラストは個人的にはもやぁん…。
ジウはやっぱり可哀想なんじゃ…?と思ってしまいました…。
お互いのかけがえのなさが、どの作品からも強く感じられました。
絵と雰囲気がとても魅力的な作家さんで、
次回作もとても楽しみです。
絵がとても可愛いです。
この方のデビューコミックスなのですね。
表題作は実の兄弟でデキてしまう話ですが、弟が兄に対してそういう感情を抱いてるのは分かるんですが、兄にとって航輝くんは「弟」以上にはなっていないような。
男女じゃないから近親でどうこうはそこまで問題じゃないかもですが、感情的には大問題ですよね。
ブラコンと関係を持つのは、どうひっくり返っても=にはならない訳で。
葛藤してるんだかしてないんだか、ふわふわした感じなのは作者さんの味だとは思いますが、私には合わなかった気がします。
この中ではセンとジウの話が好きですが、これはBLである意味がちょっとわからない感じでした。別に女子でも問題ない訳ですし。
同性である意味が必ずなくてはならないとまでは思わないですが、やはり折角BLなんですからBLであって欲しいなあと思いました。
今後に期待!
ちるちるに紹介されていたので気になって購入したのですが、読んで最初の感想が「え?これで終わり?」って思いました。なんだか弟の航矢は、なんとなく兄である航輝のことが、一人の男として好きなんだろうなって感じはするんだけど、兄である航矢は航輝のことを本当に好きなの?って感じでした。うまく言えないけれど、ブラコンの究極の形?って思えちゃいます。航矢は航輝をただの弟にしか見えていないような雰囲気でしかならない感じです。それにただ流されてるだけなんじゃないの?って感じもするし・・・。
もっと兄弟だってことの心の葛藤とかをもっと書いてほしかったような気がします。