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仁義なき嫁の八巻は短編集第二弾です。
この作品群は『早春物語』以外は、サイト掲載と同人誌として発行されたものをまとめた本となっております。
大滝組若頭補佐である周平(攻め)に、女として戸籍登録されている狂犬と呼ばれる美形チンピラの佐和紀(受け)が嫁入りしたお話が本編です。
まあ、この短編集だけを読む方はいらっしゃらないとは思いますが…
『ふたり』
まだ、周平が佐和紀と出会ってもいない頃のお話。
周平はその頭脳と力、金回りに目をつけられ、他方から結婚を迫られておりました。
そんな周平が根を上げて、大滝組の若頭で周平の直接の兄貴となる岡崎へ「男と結婚する」と語るところからスタート。
その岡崎の視点となっております。
周平へ自分がかつて籍を置いていたこおろぎ組のたった一人残った構成員、佐和紀を娶らせた岡崎も、まさか本編で二人があんなに相思相愛になるとは誤算だっただろうなあ。
その頃は自分が組長就任した暁には組を出てカタギになる予定の周平が、佐和紀を置いて行くだろうと踏んでいたらしいので。
ただ、この辺りは当たっているのかはまだ定かではないのですよね、本編である前巻まででは。
本編一巻ではスタート時はもう祝言だったので、その話を持ち込まれた佐和紀を読んだのは初めてで、なるほどねえと岡崎の立場も良く理解できました。
『波音の記憶』
佐和紀の誕生日話で、佐和紀視点。
といっても、とっくに過ぎてしまっていたのですが(苦笑
周平は佐和紀の誕生日を京子(岡崎の妻で現組長の娘)から知らされ、舎弟たちと遊びに出ていた佐和紀をかっさらい横須賀へ。
横須賀は佐和紀が子供の頃母親と祖母の三人で暮らした町で、不幸ではないけれど幸福でもなかった時代を象徴する土地。
そんな場所に二人で立つことが重要だったのかもしれません。
『Heaveny peace』
周平と過ごす、初めてのクリスマス。
たとえ薄暗い思い出しかなくとも、佐和紀にとってもクリスマスは浮き足立つイベント。
そんなクリスマスは軽井沢の別荘へ行くと言う周平に、軽井沢って何?な佐和紀。
誰もが知っていて当然のことを佐和紀は知らないことが多い(まともな生活をしてこなかったので)のですが、とりあえず三人の舎弟たちと共に軽井沢へと向かうことに。
多忙な周平は後から来ると思っていたのに、先に着いていて、しかも手作り料理なんかしちゃっていて…驚愕の四人プラスわたしです(苦笑
もちろん佐和紀は周平を愛しているのですが、周平ののめり込み方もかなりなものですね。
エロいです(笑
『早春物語』
こちらは書き下ろしで、周平の舎弟で佐和紀付きでもある岡村の一人称。
高月さんの一人称は珍しいですねえ。
ただ、佐和紀の存在と周平の影の大きさに悶々とする岡村の心情がひじょうにわかりやすいです。
こちらでは電子専門の『インテリヤクザと甘い代償』で攻めだった大滝組のインテリヤクザ、田辺も登場しております。
わたし、田辺のキャラって結構好きなのでちょっと嬉しかったですね。
余談ですが、このシリーズ紙書籍ではアズノベルズさんが出されておりました。
が、まさかの休刊!
今後どうなってしまうのでしょうか…'16年にリニューアルとありますが、本当に出来るのか…
短編集。同人誌の趣ですね。
この中で個人的に印象深いのはクリスマスを描いた「Heaveny peace」。クリスマスの成果、作家さんもサービス精神満点で、駆け引き無し、甘々な二人が見られます。世話係3人組は当てられっぱなしだね。自分の彼女は大丈夫かな?
世話係の中で一番マジなシンさんこと岡村視点の短編もあります。切ないですね。こちらは続編の片恋番外地まで引きずります。しかししっかり着地するので、今は冷たい早春の風に吹かれているしかないか。。
初めての誕生日、初めてのクリスマス。
実は続・仁義なき嫁17まで読んでからの、この本なので初々しさにニヤけが止まりません。
あー、最初はこんな風だったよなーとか。
個人的には田辺に酒を無理やり飲ませるところが好きかな。昔の佐和紀に酷いことをしたバツだ!
短編集は楽しい話が多いので大好きです。