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『十七夏』
夢があって進路を決めた行生とまだ何もやりたいことが見つからず、だらだらしている智晴のお話です。数ページですが、進学のために地元を離れようとしている行生に感じる智晴の寂しさ、進路が決まっていないことの焦燥感、変わりたくない、変わりたいで揺れ動く智晴が切なかったです。
『コトノハヒラヒラ』
家族旅行で海外のような場所に来た広海は、同年代の少年と仲良くなり、毎日楽しく遊んでいるのですが、とうとうお別れの日が来ます。広海は少年に「また会おう」と言いますが、「そんな日は来ない」と言い返されます。夏の刹那の交流が切なくて、船に乗る広海を見送っていた少年は何て言っていたのか、何を思っていたのかが想像力をかきたてられて、余韻がずっと残ります。
『つつじ、れんげ、すいかずら』
園芸部の久門が花の世話をしているときに、多喜が来ます。花の蜜を吸うことは口実で、本当は二人とも、恋愛の毒に犯されていたストーリーが良かったです。夏の暑さの中、二人の関係が進んで気のせいではないことが証明されたのだと思います。
他には『僕のジャム』『LINKAGE』を収録しています。
変わりたい、変わりたくないと思う気持ち、取り残される切なさが夏の暑さを伴って伝わってきます。
表紙の話に期待して購入したのに、14ページで終わってしまい、非常に拍子抜けしました。もう少しじっくり2人の関係が育っていくところを読みたかったです。本編と描き下ろしの間が大事なんだと私は思います。
他の短編は、ショタが好きなら楽しめるのかもしれません。