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とにかく悶え死ぬこと必至です!
油断すると、完膚なきまでにやられるでしょう><
ああ、なんてカワイイんだ、「ねこまた」……。
主人公の岡っ引きの仁兵衛に憑いているのは、
「ねこまた」と呼ばれる得体なき生き物。
一軒に一匹憑いている「ねこまた」。
しかし、仁兵衛以外にその姿は見えません。
もうううう、こんなに愛くるしい生き物が、
見えないなんて!
見える仁兵衛は卑怯だっ!><
このカワイイ生き物をどう説明したらいいかわからない!
愛くるしい動作を繰り返すだけ。
一軒に一匹憑いて、そして、家人の助けになるよう、
なんとか頑張って生きている。
一番印象に残ったのは、
仁兵衛の家の近くの蔵を取り壊すときの「ねこまた」の
生き様。
150年前、蔵が生まれた時に、またその「ねこまた」も生まれ、
そしてずっと人に見えないながらも、蔵を守ってきました。
しかし、蔵が古くなり取り壊されることになり、
ボロボロの「ねこまた」は、自分の運命を知ります。
軒が壊れるときは、自分もまた消えていく運命……。
ついに蔵の大黒柱が倒された時、
蔵の「ねこまた」は、いつもの可愛い笑顔を浮かべながら、
それでも堂々と胸を張り、空へと消えていきました…。
ここのシーンは、もう涙無くしては
読むことは出来ません!
どうか輪廻転生の輪に乗って、また戻ってきて…と
言いたくなってしまいます。
「ねこまた」は普通の人には見えません。
もし、この「ねこまた」が存在するなら、
家の床にちょこんと座って、私のことを
見守っていてほしいなぁと思いました。
心温まり、そして涙無くしては読めない一冊でした。
琥狗ハヤテ先生による、人外非BL作品。そして江戸時代もの。
体裁は4コママンガ。
主人公は岡っ引きの仁兵衛。あだ名は「ささめの親分」。
ささめ(つぶやき)の由来は、いつも仁兵衛はひとりごとを言っているから。
しかし、それは実は「ひとりごと」ではなかった。
仁兵衛の肩の上には、いつも小さな「あやかし」が乗っているのです…
…と始まるこの物語。
仁兵衛に「憑いて」いるのは、本当は人家の軒に憑く「ねこまた」。
ねこまたは人の持ち物にはさわれない。
ねこまたは普通の人には見えない。
しかし、仁兵衛には視える。
だから仁兵衛の家にはねこまたが集まってくる。その中で黒いのが一匹、仁兵衛その人に憑いているのです。
このねこまたが。まぁ〜〜〜健気で可愛くて!
悶絶…
そして切なさも。
江戸の家屋はヨーロッパの石の家と違って「家の寿命」がある。故にねこまたにも寿命があるのです。
ある古い蔵を取り壊すエピソードは涙腺直撃…
大黒柱を最後に倒す時、その蔵を守っていたねこまたが胸を張って天を仰ぎ、かげろうのように空に溶けていく…
でもねこまた達は淡々としています。さだめ、なのです。
新しい蔵を建てる着工の日、大工たちが大黒柱を立てます。すると柱の根元から小さなねこまたがよじよじ、にじにじ…
ねこまた達も生命の環の中で循環しています。
「耳伏ー江戸城中隠密譚ー」
同時収録作は、これまたハヤテ先生の真骨頂「獣人」ものです。
江戸の侍たちが皆獣人の設定。頭が大型犬/狼のようで、体や手足は人間のような姿。
主人公は江戸城の馬場を預かる「馬乗(うまのり)」である伏見どの。彼の裏の顔は「耳伏」(みみふし)と呼ばれる隠密で…
本作はその隠密絡みの大きな事件ではなく、ひとり居丈高に剣の腕を誇って周囲と諍いを起こし金を包ませる三井という武士を懲らしめるお話。
獣人、装束のリアリティ、そして殺陣というか馬の鞭でやりあうスピード感の素晴らしい描写。
どちらの作品もハヤテ先生の人外ものはやっぱり最高です!