イラストあり
読む順番を間違えた、と、読みはじめたときに気が付きました。
「2119 9 29」の方を先に読んでしまった。
でもすぐに、二人の置かれた環境や逃避行、ありふれた毎日のささやかな幸せの波状攻撃に飲み込まれ、どっちの作品がどっちの作品のスピンオフだとかはもう、どうでもよくなってしまいました。
シンの美しさと無垢な可愛さ、お互いがお互いに向ける愛情は微笑ましく、愛しくて、また、ドールオタ達のわいわい賑やかなあたたかい雰囲気も相俟って、すごく良かったです。
読みながら何度かぐっと来て、涙目になってしまいました。
何度も出会って何度も恋をする。おとぎ話のようでもあり、戦争やロボット社会という警鐘も含まれていて身につまされもしました。
最後の最後、どうして、と思いました。
シンがKISMOから人型になってもならなくても充分ハッピーエンドなのに、南里の事故による再生で、更なる「一生一緒に」をつきつめたのかと。これはこれでも良いですが、「2119 9 29」のラストのような「一生一緒に」もありだし、そちらの方が好きかな。そういう意味ではスピンオフである「2119 9 29」の方で別のラストシーンを描いた、ということでしょうか。邪推ですみません。
KISMOの丸も好きでした。人型であるシンと一緒に並んで散歩するのもよかったけれど、KISMOのシンを抱っこして散歩するのもよかった。
にこちゃんマークの顔でニコニコ空を見上げたり、綺麗な景色をマスターである南里と共有する姿は、とっても可愛らしいです。
ケーキ屋でショートケーキを見たら泣いてしまいそう(笑)
こちらもお気に入りの作品になりました。
ネタバレレビューだけ見た時はどう言う事すぎて読むのを躊躇っていたけど波瀾万丈でありながらも感動的で温かいお話でした。やっぱり主従関係萌えするタイプだなと実感。
凪良先生も草間先生も大好きなので読みますよね!
でも買ってからしばらく寝かせてあったのは、悲しい展開があるとの事でちょっと怖気付いてたんですよね。
しっかり時間があって、心に余裕があるときに、と思っていてやっと時は来た!って感じです。
アンドロイドと人間の小説を最近読んだばかりでしたので、大体こんな感じかなぁと予想はしていたのですがそれ以上に壮大なストーリーでした。
遠くの国で起こっている戦争が、身近な事になっていくという展開が現在の社会情勢と重なって、なんだか怖くなったと同時に、大切な人が奪われてしまうという事態が現実にも起こり得るんだと思うと胸が潰されるような痛みを感じました。
再会して安心したのも束の間、またまた2人が引き裂かれる展開になるとは…。
このお話は果たしてハッピーエンドなのかな?と考えずにはいられませんでした。
まぁ2人が幸せそうなんで、ハッピーエンドでいいんでしょうけど、自分が想像していたハッピーエンドとは少し違うようななんだか不思議とスッキリしない気分になったのも事実でした。
甘い描写も少な目なので、萌えは少なかったかもしれませんが色々考えさせられる作品で、この先もしばらく考えちゃうだろうな、っていう強い印象を与えられた作品でした。
どのレビューサイトを見ても上位にあるのでいつか読んでみたいと思っていたのですが、先日やっと読めました。そして泣きますよね。翌日目が腫れるほど泣くことになりますので、これから読まれる方はお気をつけください。
本作はあらすじ通り人間×アンドロイドという設定ですが、その導入だけ聞くと、「アンドロイドと人間のスペック(寿命)は違うから、絶対にハッピーエンドにならないやつでは・・?」と恐怖でした。ハッピーエンドにするのが難しい設定だと思うんですよね。ですが、本作はハッピーエンドだったと思います。恋愛の良い部分だけ切り取った話ではないですし、思ったラストとあまりにも違ったので納得がいかない部分もありましたが、ただ、思ったほど悲惨にもならなかったので良かったです。これだけBLがメジャーになっても想像できないこともあるんだなぁと勉強になりました。既存のBLに新鮮味を失っている方にも良い刺激になると思います。
また、本作のタイトル「ショートケーキの苺にはさわらないで」はキーワードとして全編通して大事になってきます。このあたりの物語の運び方はさすが凪良先生だなぁと思います。設定が大きくなっても大事なところが分かりやすいんですよね。慣れないワードがあっても置いてかれずに読めました。そして何と言っても南里のキャラクターが良いです。彼は禁欲的過ぎるあまり、後半にかけてどんどん人間から遠のいていきますが笑 とはいえ、物語通して彼の求めていたものは一貫していたと思います。「好きな人をたくさん愛したい」という単純な願いですね。ただ、閉鎖的な田舎で暮らすゲイであるが故に将来に希望が持てなかった。そして必ずマスターを好きになるドールにハマっていく。彼が求めていたのはセックスではなくて愛情をかけられる相手だったんだと思います。南里は愛情深い人なのに、愛をあげる対象を容易に確保できない。シンを助けたのは勢いもあったかもしれないけれど、シンと過ごす日々は南里が求めていた幸せそのものだったと確信しています。
だからこそ、他の方のレビューにもある通り「シンが裏ドール」という設定だけはどうも納得出来ないんですよね。性描写のために作った設定に思えて、ストーリーが素晴らしいだけに残念でした。ただ、それを差し引いても超大作なので「神」としています。最高でした。
表紙とタイトルからは全く連想できないくらい、結構壮絶な人生でシリアス展開もばんばん来ますので、ある程度心構えをもった上で読むことをおすすめします。
結構しっかりSFです。舞台は2050年前後の近未来。人型のアンドロイドが生活、軍事あらゆるところで用いられるようになった日本。隣国と戦争しているのですが、現代日本で激化する戦時下の、日本社会の描写がものすごくリアルで怖かったです。私が読んだ今本当にちょうどタイムリーな話題で、戦争に対して不安に思っていたので、結構胸がざわつきました。
アンドロイドものでよくある展開ではありますが、本当にあらゆる困難に直面していく南里とシン。人とアンドロイド、出会、別離、再会、記憶と思い出、それらが複雑に絡み合って、あらすじからは想定できないそうなドラマティックなSFラブストーリーが展開されます。
ネタバレしたくないので詳しくは書きませんが、タイトルが、、、頭からしばらく離れなくなりそうです。結構メンタル揺さぶられますが、面白いので是非読んでみてほしいです。