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皆に幸在れ!
この本のレビューを書きたいがためにちるちるの会員登録をしたという…(笑)
羽生山先生大好きなんです。初レビューです。
【小田島翔×101号室〜そわそわDEAD☆OR☆ALIVE〜】
「あらあら」に出て来たヤンキーカプの男前な攻め・翔やん視点のおはなし。
もう超微笑ましい。短い中に互いへの愛が溢れてます。前作読んで「惚れてまうやろー‼︎」と心の中で叫びまくった人も多いかと思いますが、これでまた翔やんに惚れ直すこと間違いありません。
【202号室 鮎川要〜あすなろ〜】
ゲイの高校教師・鮎川視点のおはなし。
彼は妄想しまくったりセフレとイチャイチャしたりと奔放そうに見えますが、過去の経験から本気の恋に臆病になっていて、それがとっても切ない。攻めの澤村も背中に重いものを背負っていて、後ろ暗いところのある者同士の大人の色気ムンムンなカプ。
ガッツリある濡れ場と眼福な裸体は必見です!
【小料理屋わかば 春野わかば〜HARD LUCK WOMAN〜】
わかばママと板前のケンさんの馴れ初め。
このお話は恋愛に限らず「愛」とは何か、「幸せ」とは何かについて考えさせられます。
このお話はわかばママの「あなたはどぉお? 幸せかしら」という言葉で締められていますが、羽生山先生が全てのコミックスを通して伝えんとしているのはこの事だなと感じます。
どのキャラも大事な人と一緒に美味しいもの食べて、笑って、懸命に生きてるじゃないですか。日常の中に幸福を見出すことの大切さを重視してるからこそ、部屋の中や街並に至るまで恐ろしいくらい細やかに書き込まれてて、ギャグも忘れないで、それがレトロな絵柄とあいまってこんなに素敵な作品に仕上がるんだと思いました。
「あらあら」も好きだけど、こちらはまた違う味わいです。
BLにえろすは不要と思っているわたしですが、この作品で初めてモロなえろすシーンに胸きゅんしました。「えろすはちょっと…」と思っている方にこそおすすめしたい。美しい。そして切ないです。
和服の女装家・わかばさんが営むわかば荘。
「あらあら」では1階の住人たちの話でしたが、今回は2階です。
1話目は前回の名残り+ちょこっと2階住人の紹介。メインは101号室の晃太と付き合っている翔です。
晃太が実家に帰ってしまって離ればなれの夏休み。戻ってくる日に出迎えようとうきうきわかば荘へ来た翔だったが…。
ちょっとハラハラやきもき、のちきゅんきゅんという可愛い話です。
2話目は202号室に住む高校教師・鮎川要と隣室の澤村。
「あんたが出てくことないやろ。俺が出てくわ。それできれいさっぱりごはさんや…」
思わせぶりな出だしで始まります。
私事で失礼。6年間算盤を習ってたのですが、先生がいつも「ごわさん」と言っていたのでご破算を「ごわさん」と思っていました…。恥ずかしい。この年になっても勘違いしたままのものってあるんだな。
恋をしたら、本気になったら自分がバカを見る。だから追わないし追いかけない。後腐れのない遊びを繰り返してきた高校教師の鮎川。引っかけた男が執着してきて困っていたときに、隣室の澤村に助けられます。それがきっかけで2人の距離がどんどん近くなっていって…という始まりです。
最初のそういうシーンは鮎川に対する澤村の扱いが酷いです。BLではよく見かける「男なんだから、乱暴にしたって壊れないだろ」というノリ。
だけどそのあとからはもう何て言うんでしょう。ワケありの男と表向きはお堅い職業に就く男。身分違いの恋とでも言うのでしょうか。貪るように体を重ねたり、英語を習ったり。その姿に何となく「愛を読む人」という本と映画を思い出しました。
そこからは怒涛のような展開に。孤独だった2人がやっと掴んだしあわせな日々を脅かす脅迫。鮎川の決断。脅迫相手、ひいては自分の過去との対決。
読み応えがあります。本気の恋はひとをどこまでも強くするし、相手のためなら何でもできると思わせるのだなあ。たとえそれが姿を消すということでも、それがそのひとのためになるなら…。そこまで思える恋はもはや愛。素晴らしいです。何度読んでも素晴らしい。
もう1つはわかばさんの話。
「あらあら」から名前は出てくるけど姿は見えない「ケンさん」。
わかばのいいひとと予想してはいいたものの、酒屋の女の子にコナをかけられても断らないし、何でしょうね、このひとは!という感じで始まるこの作品。疲労で倒れたわかばの見た走馬灯のような形で、ケンさんとわかばの出会いから馴れ初めが綴られていきます。
泣きます。泣けます。ハンカチ(へび子さん流に言うならハンケチ)かティッシュを用意してお読みください。
数十年前、リーマンだったわかばは女性と付き合ってはみるもののうまくいかず。会社でもストレスがたまる一方で、唯一の息抜きは自宅での女装の時間だけ。
あるとき夜中の買い物から帰ると隣の家の前にぼろぼろの男の子が座っています。中途半端に関わっても…と思いながら肉まんをあげるわかば。「ありがとう、おねえちゃん」と言われて、わかばは自分がスカートを履いたままだったことに気付いて…、という始まり。
男の子の前では「おねえちゃん」でいようとするわかばの努力する姿が優しい。ふたりの交流もあたたかくて、それだけに男の子の母親との対決のシーンはつらいです。男の子のしあわせを願いつつも、何かをしてあげる権利のない自分への苛立ち、「おねえちゃん」ではないことがバレた恥ずかしさ、情けなさ、いろいろな感情が胸に迫って苦しいばかりです。
それだけに再会のシーンも泣ける。ケンさん、いい男になったなあ。とは言え、まだ「少年」ではありますが、そこから2人で歩んできた半生。言葉通りにしあわせにしてくれたケンさん。やばい、打ちながら涙が出てきてしまった。
意識を取り戻す瞬間にわかばが見ていた再会したときのケンさんの満面の笑顔にかぶせるように、やっと現在のケンさんの心配で泣きそうな顔が出てきます。男前です。ちゃんとしっかり年を重ねてきた男の顔をしてます。この演出がにくい。どうやって思いつくのでしょう。読むたびに涙が止まりません。
好きな作品ほどレビューが書けないのですが、この作品はやっぱり書きたくて昨日読み直しました。読み直して高揚した気持ちを半日以上寝かせたにも関わらず、やっぱり泣けてしまう。
思い出しただけで泣ける。「わかばさん、よかったねぇ!!」というしあわせな涙で読み終えることができる。たびたび思い出してはしあわせな気持ちが蘇る。
そんな素敵な作品です。まだ読まれていない方はぜひともご一読を。
一緒にこのしあわせな胸の痛みを味わいましょう。
この先生の独特な絵と世界観が大好きなんです~。
今回の主人公は『わかば荘』の202号室にお住まいの鮎川要さん33歳と203号室にお住まいの澤村亮さん29歳のお話です。
鮎川さん(受け)は高校教師で妄想ビッチ。同僚の先生や生徒で妄想してます。私生活も乱れてますが・・・。
澤村さん(攻め)はバーテンダーで只今お店が改装中で休業中。ちょっと大阪弁っぽいしゃべり方です。
このお二人はエロかったです。
しかし私は『わかば荘』の大家さんのわかばさん?歳と一緒にお住まいのケンジさん36歳のお話がよかったです。
二人の馴れ初め話でなんと、とうとうケンジさんのお顔が拝見できました~。想像していたよりは優しい感じでした。
後は101号室にお住まいの千葉くんのお話がちょこっとで他の方々はチョロっと出て来るだけでした。残念!!
もう続編は無いのかな~。他の住人の続き読みたいな。
前作【晴れときどき、わかば荘 あらあら】から引き続いての2巻(といっていいかは微妙ですが)前作を読まずともこちらの作品だけでもおいしくいただけます。
独特の絵柄と世界観で自身をドツボに嵌めていただきました。
ごちそうさまです。
今作のまあまあはどちらかというと大人のお話をしっぽりと書き上げていただいてます。
前作が❝あらあら❞で今作が❝まあまあ❞とついているのがなんだか話の内容といいますか年齢的なものを言い得て妙な感じで表しているのが素晴らしいと思いました。
むしろこのあらあら、まあまあはわかばママから漏れた声なのでは?と思っています。
内容についてはあまり触れないですが一つだけ言いたいことは鮎川先生の腰つきが艶めかしいです。(褒め言葉)
絵柄が凄く特徴的なので好き嫌いが分かれてしまうかもですが気になってる方はぜひ読んでみることをお勧めします。
前作のレビューで、出てこなかったケンちゃんと眼鏡とリーゼントの話も読みたいと書いてたけど、叶って嬉しい。ケンちゃんとの出会いがあんな形だっただなんて。うまい!へび子さんは最高のストーリーテラーだ。そしてなんでこうへび子さんの攻キャラって男前なんだろう。澤村さんがまためっちゃカッコイイし。前作でも笑ったけど、OKADAドーナツ「WAO!」っての。端々の小物にも一切の手抜きなしなへび子さんの作品、ほんと大好きだ。今いる住人の誰かが出て行ってもまた、新しい人が入ってきたりしてさ~いつまでもこの話を続けてほしい。