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今に始まったことじゃないですが、
なんで違うのに "オール新作長編読み切り" なんて書いちゃうのかなぁ…
″新作長編読み切り多数" でいいじゃん?と思うけど。
だってシリーズものが何本もあるだけじゃなくて、
しっかり「 continued. 」って最後に書いてあって、
続きが気になるところで終わっているのが3本もありましたよ…(-_-;)
(ヤマヲミさん・吹屋フロさん・蛇龍どくろさん)
ということで、
正直モヤモヤもしましたが、すごく素敵な作品もいくつもありました。
よかったものを掲載順に紹介☆
■歩田川和果「たましいのやすらうところ」
すごく近い距離感で一緒にいる友達が、
相手のことは好きなんだけどこれって恋愛感情?とゆる~く考えつつ、
ゆる~く恋を自覚するお話、かな?
学生時代、自殺と止めたことで知り合ったとか、
女装バーでバイトしてるとか、変わった設定があるのに、
全体的にゆるく柔らかな空気がずっと流れるところが、さすが歩田川さん♪
■市川けい「ベランダにて」
引っ越し先のアパートのベランダになぜか、
別の部屋の一部とその住人が見えて…という不思議なお話。
あっちはこっちに気付いていないんだけど、
その住人は職場が近くの人らしく、見覚えがあって…
そして、声をあげて泣く姿やオナってる姿も見てしまって……
■ためこう「旧繁華街袋小路」
「金貸して」「ダメだ」「でもあんたは絶対にまた金を出すよ」
そんなやり取りをしたふたりの関係が徐々に明らかに…
引き込む展開と、全部は明らかにならない心情が、切なくも巧い。
まだコミックは出していない方のようで、今後の活躍がかなり楽しみ!
■はらだ「ピアスホール」
このお話がダントツで素晴らしかったです!!
今まで読んだはらださんの作品の中でも、ゾクゾク具合は1番でした。
マッサージ店で働く攻めの元に、
客として来たサラリーマン(受け)のうなじには、ピアスが光ってた。
スーツを着込むと見えない場所にあるそのピアスが、
ごく平凡な男をものすごく魅惑的に、官能的に、美しく、みせる。
ピアスは、乳首や、へそ、舌にも…
それらを見せてもらいつつ、
その色香に吸い寄せられるように、身体を繋げ、夢中になる攻め。
そして、攻めは受けに誘われるままに、
受けの手によって自分も舌にピアスを開けることに決める。
互いに裸で、
攻めは受けに挿入しながら、受けが攻めの舌にニードルを刺して…。
馴染みのない専門器具と、
攻めによる淡々とした状況説明の文章の多さに、
快楽と痛みが読み手にもダイレクトに伝わってきて、
ものすごくゾクゾクしました…!!
でも、お話はそれだけでは終わらず……
■川「起立せよ」
読み応えと切なさと温かさで、2番目に好きなのはこの作品。
オカマバーで働くバリネコが冗談半分の気持ちで、
出入りの配達屋の、ガタイはいいのに純なノンケに手を出すと、
そのノンケくんは落とし前として恋人になると言い出し、付き合うことに。
だけど付き合ってから、ノンケくんは勃たなくなってしまって……
好きな気持ちって、本当に大事にしてもらうって、どういうこと?
そんなことを、
少女趣味な小物とか、女装とか、浮気とか、子供時代の過去とかを交え、
シリアスになりすぎずに描いていました。
■峰島なわこ「恋とは奇なるもの それでこそ、愛でるもの」
「エロとろR18ver.SS」に載っていたお話の続きで、
仮面を外そうとしないガタイのいいヘタレが受けのお話です。
「Oh my chubby baby!」のふたりも登場して、
それが受けの誤解を生んで…
あらすじや人物紹介も載せずに、続き物の作品が掲載されていて、
むむむ…不親切!!と思ってしまったけれど、
読めてよかったお話も沢山で、全体的にみれば萌え×2でした。
あ~ただ、最後に載っていた蛇龍どくろさんのお話は、
BLか?って前に、短すぎて設定もよく分からずで、残念でした~…
雲田さんの猫っ毛ファンとしては『「いとしの猫っ毛」トリビュートブック』をゲットせねば!という事で購入。ああ、また付録欲しさに雑誌を買ってしまった…orz。
皆さまのレビューを拝見していたので、「オール新作長編読み切り」でないことは承知で購入しましたし、そもそも雑誌を買う場合でも定期購読していないので続きモノがあることに抵抗はないのです。ただ、決められたページ数で「読み切り」を描くのは非常に難しいことなんだな、と再認識しました。
ストーリーの入り口が面白くないと読もうという気が失せるし、キャラの立ち位置が分かりずらいと話に入り込みづらいし、短いページ数で起承転結させなければならない。そういう点で、はらださんはまさに天才だなあと思いました。
はらださん「ピアスホール」
ごく普通の、真面目そうな男に開いているピアスホール。
そのピアスホールが開いている理由、ピアスホールを軸に進んでいくストーリー展開。登場人物は二人だけなのに、どこまでも広がっていく世界観。
はらださんのあの独特の絵柄や、耽美調の語り口が何とも話に合っていて非常に味わい深いお話でした。
市川けいさん「ベランダにて」
市川さん、絵柄が変わられましたかね…?何となく市川さんて爽やかなストーリーを描かれるイメージがあったのですが、これは市川さんのイメージを覆す(いい意味で)作品でした。
ベランダに出ると視える「彼」。声も聞こえず、彼の何を知っているわけでもないのに、「彼」の内側を知るごとにどんどん惹かれていく。
なんか大人の恋って感じで、すごく好きです。
川さん「起立せよ」
イヤ、ごめんなさい、どうにもこうにも絵柄がなぁ…、と思いつつ読み始めました。が、非常に良かった。
女装バーなのかオカマバーなの?かで働くネコちゃんと、そこに出入りする宅配業者の恋。
ネコちゃんの幼少期からのトラウマと、それに付随する自己否定感。
攻めの見た目に反する可愛いモノ好きな嗜好。
本当の自分を少しずつさらけ出して、お互いに尊重し、受け入れる二人に幸あれ!って思いました。
「いとしの猫っ毛」トリビュートブック狙いで買いましたが、はらださん作品を読めただけで元が取れたような気がしました。
猫っ毛トリビュートがどうしても読みたかったので、ぐぬぬ…と思いつつ購入しました。
でも読み切りだから最初から全部読めるっていいかも!と思ったのですが、続き物もしっかり存在していて読んでいて釈然としないものがありました。
オール読み切りだと思いこんでいた分、ガッカリ感を感じますね。
続き物でもなんとか読めましたが、やっぱり内容が見えない部分もありますし。
内容的に好きになれなかったもの、続き物の存在があってモヤモヤも大きいですが、素晴らしい作品がその穴を見事に埋めてくれました。
特にはらださんの「ピアスホール」はこの雑誌の評価をぐんと上げてくれました。
熱量がグッと抑えられた静かな迫力があり引きずりこまれます。
登場人物の危うい表情がいいんですよね。
バッドエンドの可能性も頭をかすめ、どこが着地点か分からないドキドキがありました。
とにかく凄い余韻の残し方で、読んだ後の満足感が半端なかった。
若干主人公のモノローグがくどいとは思いましたが、そんなことが大した問題でないくらい面白かったです。
この作品が単行本に収まる日が待ち遠しい。
でも雑誌の大判サイズも迫力があるのでとっておきたいです。
あとは、川さんの「起立せよ」も凄く面白かったです。
美形は出てこないけど、だがそこがいいと思うほど登場人物達の見た目も中身も魅力的でした。
微妙に笑いのツボを押されたし、微笑ましいし、カップルの紆余曲折が切なく可愛かった。
特にごーちゃん(攻め)が最高!キュンキュンした~(>_<)
絵が魅力的なので眺めてるだけでも楽しいです(なぜか笑っちゃう)。
何回も読み返してしまいます。
あとは峰島なわこさん、ためこうさんの作品が個人的に好きでした。
ためこうさんは美形の説得力が凄かった。 ためこうさんに限ってはcontinued.してほしかったです。真相が気になりすぎる。
漫画雑誌を買うことってあまりないのですが、普段だったら手に取らない作家さんの作品に触れることができるのは素晴らしいですね。
今回はとても良いきっかけになりました。
峰島なわこさんは他作品が気になったし、川さんが単行本で登場する日が待ち遠しいです。
はじめは小冊子に釣られたという嫌な感じがあったのですが、漫画雑誌でこれだけ好きな作品に巡り合えたことは何気に凄いことなのかもしれません。
mayutaさん、はじめまして(*^^*)
コメントありがとうございました!
わたしもちょうどちるちるを見てたので、コメントを頂く前に、
mayutaさんのレビューを読んでいたんですが、全く同じで、
こんなに好きな作品が被ってるなんて!!と興奮していたんですよ~
そうしたらコメントまで頂いてしまって!
すごーーく嬉しいです~~(*'▽')♪
ほんと、むむむ…と思うことも色々ありましたけど、
素敵な作品が沢山読めて、なかなかいい雑誌でしたよね。
>大概のことはどうでも良くなってしまいました。
に、そうそう!と思いましたもんw
特に「ピアスホール」と「起立せよ」は、早く単行本化して、
たくさんの方にこの興奮を味わってほしいですね~
でも、素晴らしい新作読み切り作品には出会えました。
他の方も触れてばるけど、はらだ先生の「ピアスホール」と歩田川先生の「たましいのやすらうところ」川先生の「起立せよ」の3作品が特に印象的。
「ピアスホール」は、脱いだら実は、で始まった関係が、いつしかエスカレートして、、、リアルなピアッシング描写が鬼気迫る、隠された愛の印のお話。
「たましいの~」はここにいる真実にを認めて腐れ縁のように続いた関係に年貢を納める話。
「起立せよ」はお互いの姿形に惑わされるのをやめて、本当の愛に気づく話。
3作品とも、それぞれ絵柄は超個性的だし、登場する性癖も極端だったりするけど、どれも「本当の愛に気づく」お話で、読みごたえがあったわ。
この3作品は文句なく神レベル。
他の読み切り作品もレベル高い。
これで、全作品が偽り無しの読み切りだったら神評価だけど、設定のわからない続き物が混ざっていたので一つマイナスして萌×2