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こんなバッドエンドが見たかった
新人さんとのことですが、ものすごく推されてるので気になって購入。
私自身基本なんでもござれで、暴力も女装も好きなテーマだったので、この本、かなり、凄く、良かったです。
バッドエンド、とひとくくりに言うことは出来ない、多種多様な作品群が詰まっていました。
それぞれの話が、ショートフィルムを見ているような感じ。
一貫した「静けさ」が作品の中にあって、ものすごく盛り上がるわけではないけど、その静けさが「燃え上がる」瞬間が確実にある。
表題の『アンノウン』
とにかくジェイの美しさに説得力がある。しっとりと濡れたように光る深緑の瞳に、厚く層を重ねるようなまつ毛の密度、薄い唇。何より傷だらけで、プレイの問題もあって痣が消えない身体というのがたまらない。
創作活動の一貫としての、暴力を伴うセックス。そうカメラマンであるフランツは納得しようとするけど「愛している」という気持ちに相反する行為でもある。どうしても逃したくない、という執着心も相まってか、この時のフランツの表情がたまらなかった。
なんとも言えない表情を描くのが、この作者さんはうまい。なんとも言えないのに、ドラマティックなんです。
ラストの展開も、個人的にはものすごく落ち込むとか、本当に悪い意味での「バッド・エンド」とは思わなかった。
むしろ、胸が梳くような、爽快感すら感じる終わりでした。
その他の作品も(特にラストの「Make haste slowly.」は涙が出た。今があるから過去があり、過去があるから今がある。セリフのひとつひとつがひびきます)、ただひたすら恐ろしいとか、苦しいとか、辛いとか、そういう話は一本もない。
「こんなバッドエンドが見たかった」というのは、多分、そういうことなんだろうなあ。
読み終わってやっと本当の言葉の意味が分かるというか、かなりいいキャッチコピーだと思います。最初の一歩は躊躇するかもしれないけれど。
まだ色んな描き方を試行錯誤している段階というのが見え、作品によって若干タッチが違っていたりもするのですが、これから絶対伸びる作家さんだと思っています。
次にコミックスが出るならまた買おうと思うし、あと明るい話も描いて欲しい。コミックス描き下ろしでかなり救われて、こういうノリもイケるんだ!と思ったので。
これからに期待しています!
ふゅーじょんさまの「へんたいプレイ」アンソロジーで拝読して以来、コミックス発売をとても楽しみにしていました。このアンソロジーに載っていたのは若干のSMモノでしたが、とても衝撃的な作品でした。
今回、コミックスにまとめられておりましたが、やはり何度読んでも素敵でした。
オビにもある通り、少し薄暗い作品が収録されている短編集です。全部が薄暗い、というわけではないのですが、ダークなモノが好きな方には是非手に取っていただきたい一冊です。
作品の並べられ方も秀逸で、かなり後に引く作品が多いにもかかわらず、わりとさっぱりとした読後感を覚えました(本当に救われないモノもありますが)。また、話としては王道モノが多いですが、独特の絵柄と見せ方で引き込まれます。
悩むなら買うべき作品です。
発売を楽しみにしていた一冊です。
表題作の『アンノウン』をはじめ、六つの物語が収録された短編集。
【アンノウン】
フォトグラファーのフランツはゲイバーで傷だらけの少年ジェイと出会う。一瞬で彼の魅力にとり憑かれたフランツはモデルとして彼を手元に置くことに。創作活動の一環として、またジェイの求めに応じるままに彼の体に傷を負わせるフランツは狂おしいほどの愛をジェイに向ける。
表紙にも描かれている二人です。
虚ろな表情で苦痛を求めるジェイ。彼は傷の理由や出会う前のことを何も語ろうとしません。ジェイを愛していると心のなかで叫びながら、彼に刻まれた傷を自分が与える痛みで上書きしていくフランツ。
フランツの激情が真っ白なページに凝縮されているこのシーンは引きこまれました。
全体的に映画を観ているような気分で、短いですが一番印象的なお話でした。
【正方形のアイスクリーム】
親や他人が求める型に自分をはめて、彼らの期待通りの人間でいること。
それが高校生である藤本燐(りん)の処世術。
教育熱心な親によって窮屈な生活を強いられていたりんは隠れて女装をすることで窮屈な自分を解放していた。しかし教師の大杉に女装のことがバレて、一度だけ女装を見たいと言われる。女装の件で両親の言い争いを聞いたりんは、衝動的に女の姿で大杉の家へ向かう。
期待通りの形でいないといらないプリントのように捨てられると思っているりん。くしゃりと潰されるりんの心から、たちまち女の子へ変身するシーンがとても好きです。後日談は大杉だけでなくりんくんも入れてほしかった。
【Make haste slowly】
大学時代に付き合っていたよみと栄二郎。
二人は喧嘩別れをしたまま、何年も互いの所在を知らぬままでした。ある時テレビ放送されていた映画の受賞式に栄二郎の姿を見たよみは、思い切って彼にメールを送ってみることに。
最後を飾るのにぴったりのお話でした。
過去から長い時間をかけて二人がたどり着いた現在。
もしかしたら存在したかもしれない幸せを思ってしまいます。
ちょっぴり切なく、ほんのり温かくなるラストでした。
個人的に一番好きなお話です。
読んでみるのが一番ですが、『バッドエンド』という文句は決して悪い意味ではないんですね。
【アンノウン】【アイ・ライク・ユー・アイ・ラブ・ユー】【Make haste slowly】など後日談も含めると、かつての苦い恋の記憶をあんなことあったよなぁ、と思い出して苦笑するような。切ない痛みを抱えつつも、それでも前に進んでいけるような物語だと思いました。
ピリっとした緊張感のあるお話もあるのですが、最後の後日談が小気味良い調子でまとめてくれているので、むしろ楽しく読むことができました。叶わない恋もありますが、叶いそうな恋もあるように見えます。
本は全体的に絵と文字のバランスがとれていて読みやすかったです。
たらつみさんは見せ場の描写がとても素敵ですね。
新しい本などが出ればまた買いたいです。
私にはバッドエンドという感じはしないです。
というか、最後に各ストーリーの後日談があるわけです。
バッドなのは正方形のアイスクリームの男の子だけかなって。
後日談の男の子は別の子だし、捨てられたんだろうなと。
I like you,I love youは実らない恋で可哀想かなと思ってたけど、妄想でアーノルトとセックスしてたりするし。
でも、最後はアーノルトとの恋よりアーノルトとの友情を選んだのかなって。当たって砕けても良いからどっかで告白しようと思ってる笑顔にも見える。
アンノウンは特典ペーパーでフランツが新しい彼とイチャイチャしながらモデルで出てきたアッシュを称賛しているし。
たのしいのかたちは卒業して一緒に暮らしてるし。
痛いことしててもそれがお互いに好きならしょうがないです。別に無理矢理な感じはしないし愛があると思うから。
robotの話はケガしてないのに胸が苦しくて痛いのは故障かなって悩んでたりして、そのロボットの気持ちが先生に伝わらないのかなって思いましたが、ロボットの喘ぎ声や反応をプログラミングしたのは先生、先生って変態って言ったところで先生に殴られてました。なんだ相思相愛かと思いました。
私にはバッドじゃない。皆ちゃんと良い恋してる。
その恋の途中のバッドな部分をピックアップしてる。後日談も含めて読むと全体で見たらハッピーエンドです。
正方形のアイスクリームを除いては。この話だけは先生最低です。
帯の「こんなバッドエンドが見たかった」という言葉に惹かれて買ってみました。
絵とかストーリーの設定自体はすごく私の好みに合っていて、いいじゃーん!て思ったんですが…やっぱり私はハッピーエンドのほうが好きみたいです。バッドエンドもいいんだけど、キャラに愛着がわくと余計に、幸せにしてあげてー!!って思ってしまうんですよね…。
でも、確かにこんなバッドエンドもたまには見たくなる。
これはいい作品だと思います(^^)