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表題作流沙の記憶

古代エジプトの皇子
若き考古学者

あらすじ

若き考古学者が出逢った金の髪の皇子…時空を越え紀元前エジプトの地で、二人の愛は策略の渦に飲み込まれる。愛は届くのか、真実は語られるのか……

作品情報

作品名
流沙の記憶
著者
松岡なつき 
イラスト
波津彬子 
媒体
小説
出版社
白夜書房
発売日
ISBN
9784893674623
3

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萌々

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中立

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趣味じゃない

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レビュー数
1
得点
3
評価数
1
平均
3 / 5
神率
0%

レビュー投稿数1

BL版「王家の紋章」

1960年。発掘作業に勤しむ考古学者・アレンがタイムスリップ。
彼が時空を越えて辿り着いたのは、紀元前のエジプト。
そこでファラオの弟・ネフェルと出会う。

アレンが考古学者という設定なので、
歴史に詳しく古代エジプト語にも精通しています。
タイムスリップ先でも会話等には苦労しません。
大航海時代マニアの少年という設定を活かした『FLESH&BLOOD』同様、
この辺りは上手いなぁと思いました。

寂しい境遇から救い上げてくれた兄・ファラオ(アクナーテン)を敬愛し、
彼の為に生き、彼の為なら死ぬことさえ厭わないネフェルが、
初めて心を動かされたのが、遥か未来からやって来たアレンでした。
アレンも横暴なネフェルがふと見せる優しさに心を打たれ、惹かれていきます。

お互いに惹かれ、意識し合うのですが。
ちょっとした行き違いで、擦れ違いまくる二人。
どちらかが素直になって胸の内を明かせば、さっさとまとまるハズなのに!
プライドが邪魔をしてなかなか素直になれず、遠回りが実にじれったい!!

そんなじれったい二人に、エジプトの王位継承問題や信仰、
諸々の陰謀・策略が絡んできて怒涛の展開に。
死を覚悟して、ネフェルとアレンが抱き合う場面には、涙が出ました。

タイムスリップ物なので。
時空の壁に阻まれた二人が、どうやって幸せになるのか。
ここは松岡さんの腕の見せ所で、悲劇に終らせなかったのは流石です。

所々『FLESH&BLOOD』に通じるものがあり、
この作品が後の海斗やジェフリー達に繋がったのかなとも思いました。
そして波津彬子さんの美麗なイラストにうっとりで、
もしも復刻版が出ることがあるなら、同じ装丁でお願いしたいです。

5

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