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「娼館のアリス」のスピンオフ。
前作未読でも問題なく読めました。
舞台は、政財界の大物を顧客とする娼館《蔓薔薇の家》。
身寄りのない子どもたちを育てる児童養護施設でもあります。
親の残した借金を返すため、成人後も館で男娼として働く者も多い、という設定です。
この施設育ちの、宇佐美(受け)と勇毅(攻め)が今回のメイン。
支配人の宇佐美は、親に虐待されていたトラウマで、仕事以外では人と関われない接触恐怖症。
そんな彼が唯一心を開いているのが、幼なじみでナンバーワンホストの勇毅。
共依存のような関係のまま進展できずにいる二人が、オーナー(前作攻め)や経営陣の策略&後押しにより恋人同士に…という展開です。
うーん、何というか、館の経営をめぐる大人同士の小洒落た駆け引きを描きたかったのだと思いますが、今ひとつ描ききれていない気が。
娼館の設定自体、中途半端なリアリティとBLっぽさのバランスが悪くて好みでないし、オーナーたちのやり取りも、曲者たちの会話にしては浅すぎるように思いました。
また、オーナーらの思惑が彼ら視点のエピにより読者にバレバレなので、展開に意外性もなく。
中盤以降は少し中だるみしてしまった印象です。
勇毅は大人たちの掌で踊らされ活躍が少ないし、
宇佐美は宇佐美で、賢い設定のわりに言動が幼いような…。
トラウマのせいで精神的に成長できていないのは分かりますが、勇毅が自分の借金を肩代わりしていたことを知りショックを受けたからといって、支配人の仕事を放棄し男娼の仕事を受けようとするなんて、行動が支離滅裂すぎるような?
二人のキャラクターとしての魅力が、残念ながら私には感じられませんでした。
ただ、恋人になり、たまに勇毅のことを昔の呼び名(ユウちゃん)で呼ぶようになった宇佐美には萌えました。
純粋で怖がりで寂しがりやの宇佐美は、本当にウサギのように可愛い人だと思います。
巻末には、この二人の後日談と、前作カプのお話が一つずつ。
南紀白浜の動物園やプーケット動物園が出てくる、観光ガイドのようなSSでした(もちろん、ラブラブなHシーンもありますが)。
本作品には残念ながらそれほどハマれませんでしたが、脇役で登場する超美人でツンデレの男娼・アサギは気になるキャラでした。いつか彼のスピンオフが読めたら嬉しいです。
前作未読です。接触恐怖症と娼館というワードと攻めが借金肩代わりという素敵設定に魅力を感じ読みました。
受けの卯佐美の性格は好みです!しかし、卯佐美の思う自身の魅力、接触恐怖症などの説明が少しくどいように感じました。そして共依存のせいかすぐ頼ろうするところが見え、少し女々しいと思ってしまいました。
勇毅もすぐ自分の籠に閉じ込めるあたりも好みではありませんでした。私が共依ものを苦手なのかもしれません...。
前作で触れたのかもしれませんが、接触恐怖症の他の人物に対しての描写がもっと欲しかったです。
卯佐美が登場人物に守られているあたり個人的にはもうちょっとピンチに追い込んで欲しかったです。
濡れ場の描写は艶かしく好きでした!!!