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あらすじ:
大学生の陸人(攻め)は、バイト先の先輩にキュウという名のウサギを無理やり押しつけられる。
世話をするうちキュウへの愛着が湧いてきたある日の朝、一緒に寝ていたのは絶世の美青年で…
ピュアで無邪気なキュウがとにかく可愛いお話。
じつはキュウは、人間のための新しい形の愛玩動物として開発中だったウサギ。
人の愛情を受けると美男美女に姿を変える新種の生命体という設定です。
最初こそ戸惑う陸人ですが、人型のキュウを受け入れてからは大変献身的。
決して丈夫でないキュウを労り最後まではしなかったり、それでも日に日に衰弱していくキュウを心配したりと、まさに飼い主の鑑。
ノンケ男子が同性の、しかも元ウサギにコロッと惚れる展開にはちょっとついて行けませんでしたが、ゆるふわファンタジーとしてそこは何とか看過できました。
しかし、キュウの設定はいくらなんでもゆるすぎ?
実験云々のエピソードが何かの伏線になっているのかと思いきや最後まで何も起こらず、結局キュウの衰弱は完全な人間になるための成長痛みたいなものでした、という都合の良い展開にいささか拍子抜け。
その真相自体も専門家の意見ではなく、素人の推測の域を出ないのでどうもスッキリせず。
実験の実態が詳しく描かれないため、最終的に人間になる愛玩動物ってそもそも需要あるの?という疑問も拭えませんでした。
また、度々挟まれる先輩と同居人のサイドストーリーが蛇足。
キュウと陸人を見守る役割としては頼もしい二人でしたが、彼らの仕事や趣味嗜好といった細かいプロフィール紹介は不要と感じました。
群像劇にもなっておらず、ただページ数を稼ぎたかっただけなのかなと邪推してしまいます。
キュウと陸人のエピソードは概ね良い感じですが、それ以外の設定や構成が色々と惜しい気がしました。