電子限定特典付き
吸血鬼の陽が健気で可愛くてそのうえお子ちゃままで出てきて最高に癒されました。
丸ごと一冊表題作なので読み応えもあって絵柄も綺麗。
吸血鬼といえばお決まりの永久的な孤独がついて回り、陽からは寂しさやら切なさを絶えず感じました。
優しい吸血鬼と献身的な子育てリーマンの選択は果たしていかがなものだったのか。
最後の最後で、あぁそういう道を選んだのかってちょっとした驚きが待ってました。
そこのところの二人の空白がすごく気になる!!
続編とか出てくれないかしら。
私自身の大好き要素いっぱいだったので神評価にさせていただきました。
思春期に患った軽度の厨二病の後遺症で、吸血鬼と聞くと痺れます。
なので吸血鬼が出てくる作品は好んで読んできている中で、この作品はいつまでも心に残っていて、時々思い出すこともあるほど。
冷たく、固く閉ざされたこころの扉が、ひとから得るぬくもりでじんわりと温まって、少しずつ開いていく過程がとても丁寧に描かれている、素敵な作品です。
アパート甥と2人暮らしの篤史は、姉夫婦亡き後男手ひとつで伊吹を育てているリーマン。
伊吹を通じて知り合った隣に住む陽(ひいろ)は、謎に満ちていて…。
篤史はオカン系というか、オカンにならざるを得なかった系です。
面倒見が良くて、困っている人を放っておけない、オカンと言うより長男気質かな。
はっきり書いてはいないけど、独身で甥を引き取るということは両親もいなくて、姉と2人で一生懸命生きてきたんだろうなと想像すると、何度拒絶されても借りを作りたくない思いで陽に料理を持っていく気持ちが分かります。深読みバンザイ。
篤史はあったかくて、伊吹は明るくて屈託がない。
この2人の持つ空気感がすごーく伝わってくるんです。「しあわせ」ってこういうことなのかなって。陽の気持ちが手に取るように分かるんです。
こんな2人からいくら拒絶しても変わらずに気にかけられたり、懐いたりされたら…。
好き好んで孤独だったわけではない陽に、欲が出てしまうのは仕方ないと思えます。
「一緒に生きていけるなら…」という希望を持った矢先に…。
という展開が来るのですが、この先はぜひとも読んでほしい。
3人の距離感の変化や2人の繋がりがしっかり描かれているからこそ、後半はきます。
篤史は本当にいいひとだし、伊吹はとことん可愛いし、陽の思いは悲しい。
泣けるかもしれませんので、ハンカチのご用意を。
わたしは初読時、ティッシュしかなかったので目の周りが荒れました。
ラスト、はっきりとは描かれていないものの、2人はそういう決断をしたのだなと思わせる終わり方をしています。
きっとたくさんの葛藤や言い合いがあったはずなのに、ここを描かずに数ページ、しかも第三者の目線だけで終わらせる手法が憎い。ちょっとゾクっと来る雰囲気も憎い。
そこに至るまでも詳細に読みたい気もするけれど、分からないからこそ感じる余韻がありました。
好きな作品ほどうまく文章に出来ません。
意味が分からない文章なりに、この作品の良さを伝えたいのに!
吸血鬼好きの方は「このパターンね」と思うかもしれません。
でも読んでー。すごく好きなんです、これー!
と、最後はただの駄々っ子になって終わりたいと思います。
子持ちリーマンさんと、不思議な隣人との、子どもが縁でつながるほのぼのご近所ラブ。
と思いきや、不思議な隣人くんは、実は吸血鬼で…。
この吸血鬼・陽くんの造形がユニーク。
普通の食物は一切食べられなくて、眠るのは部屋にぽつんとある棺桶。
不思議な治癒力を持っているが、直射日光で傷ついた自分自身は救えない、といった、吸血鬼の基本事項は押さえているのに、今までどうやって生き延びてきていたのかが不思議なくらいで、、、。
設定も展開もおもしろかったけど、最後が駆け足で終わっちゃったのがちょっと残念。
吸血鬼って萌素材としてメジャーな部類に入りますよね。
そんな捕食者:吸血鬼と被捕食者の恋愛ですが切なさをもう少し増量してほしかった!
そして被捕食者に食べられちゃう(性的に)吸血鬼って初めて読みましたw
緋色の瞳をもつ陽(ひいろ)は吸血鬼。
アパートの隣人の小学生:伊吹とその伯父:篤と知り合います。
面倒見のよい篤は陽の世話をやこうとしますが、「血」「生気」のみを摂取源とする陽には普通の食事は受け入れられません。
関わりを拒絶する陽に食い下がる篤。
困った陽は自分が吸血鬼だと打ち明けますが篤は放っておけないと自分自身を「食糧」として提供します。
篤はこの時、自分の気持ちを自覚していますが自分にとって好意として交わすキスが陽にとっては食事という行為なんだろうな…と陽の心情をはかりかねている篤は切ないです。
「食事の時間」を共有し、篤のぬくもりに心を許していく陽ですが彼もまた自分が吸血鬼ということで彼らを「食糧」として見る自分にやりきれなさを感じています。
また、自分が吸血鬼であるために病気で苦しむ伊吹の様子を感じていながらも太陽が沈むまで助けに行けなかったことや自分がわけてもらっている生気のために職場で倒れた篤を
想い、距離をおく決心をします。
が、篤の告白によりゆらぐ陽の決心とゆらめく陽の腰…な展開へ。
押し入れ下段のエッチ窮屈そうですが、繋がれた手にほっこりしました。
篤が陽の容姿や特異な部分以外に惹かれたのはなんで?とか、陽がこれまでどうやって食事相手を得てきたのか?とか、そんな簡単に吸血鬼ってバラして大丈夫か?とかツッコミ入れたい部分が満載なため、そういう切なさが流れてしまうのがもったいなく思いました。
せっかく吸血鬼としてのディテールが用意されててもキモの部分が弱く感じてしまう。
不自然なく納めるのは難しいものがありましたが、最後の場面で彼らの表情を見ると「あぁ…それで良かったんだね。」とは思えました。
これは篤の決意から最後の場面までの唐突さが読み手の結末への想像を促し読後感を「うまいもの」に味つけしてくれたように思います。
カバー下の設定や描き下ろしの4コマが可愛らしく面白かった!こういうのもっと読みたいー!
妖怪モッチが可愛くて面白くて(笑)
山田ロックさん、とにかく絵が好みなのです、アパートの見取り図すら可愛い。
伊吹がいじらしくて可愛らしくて「子どもいれましょう!」と進言された前担当者様にお礼が言いたい(笑)
ピヨ毛サイコー!!
理由あって子持ちになったサラリーマンと、アパートの隣りに住む吸血鬼との切ないラブストーリーです。
大好きな吸血鬼モノに惹かれて読んだのですが、全然俺様な吸血鬼じゃなかったのが新鮮で良かったです。俺様じゃないどころか、優しすぎて人を襲えず孤独に過ごしてきた少年で、今までよく飢え死にしなかったと心配になるほどでした。
そんな少年の陽を放っておけなかった隣人・篤史の、おせっかいすぎるほどの親切もバランスよくて嫌味がなかったのも好きでした。篤史の義理の息子も可愛くて癒されたし。
篤史が陽の孤独を受け止めて陽がほだされていく様子や、好きだからこそと記憶を消すシーンではキュンとなって。
数年後の、息子が大きくなっても3人が一緒にいたのはハッピーエンドで嬉しかったけど、その前の記憶が消えなかったこととかその後の経過が分からなくて(結局篤史も吸血鬼になったのか?とか)ちょっとモヤっとしました。
でも、カバー下や最後の4コマまで充実していて(特に4コマの3人が可愛くて悶えます)楽しめました。