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デビュー前に新人賞を受賞した「雨恋い」に、加筆修正、タイトルを変えた再編もの。
編集さんが付けたタイトルが、淫雨。意味は「 降り続く雨。長雨。霖雨。」
笠井あゆみ画伯の表紙が淫靡で凄いけど、中身はそうでもない。
湊が雨を降らせる雲を見つめて呟く「あとから痛み出す心の傷。」の場面は、印象深かった。
若手書道家で人気の伊織と善。
善は、自分の技量だけでのし上がってきた派手な美形の一匹狼。
伊織は、親の七光りで知名度を上げている二世書道家。
善が、二歳年上の恋人に捨てられて、家事に困っている所に、
湊が「お金がほしい」と、求人の面接に来る。
湊の面接には、なぜか居合わせる伊織。
湊は、四人兄弟。
幼い頃に母は蒸発。父は数年前に死亡。兄弟3人を湊が養っている。
ぼろい借家を8月までに退去して、新しい借家を探さないといけない。
お金を造りたい湊には、兄弟に言えない土曜だけの仕事がある。
・・湊が嘘をつききれなくなり、善に告白する。
色々有っても、善は湊を愛している。ハピエン。
受賞作だし、著者思い入れが深い作品だけあって、伏線の仕込みが凝っていた。
他の姐さんも指摘しているけど、未回収の伏線が残っている。
続編を出すつもりだったのかもしれないけれど、著者は今活動していない、
残念。
第一印象、横暴×非常識。
特に湊(受け)…元気が取り柄、ああ言えばこう言う苦手タイプで
読み進めるのしんど…いやでも、この表紙とタイトルだから…
挿絵のために読み進めてみたら!!!(挿絵、最高!)
表紙とタイトルの印象から受けたドっえろ満載展開ではなかったけど、
服を一緒に買いに行き、善が湊を気に掛けるようになってから
善の懐の広さや湊のいじらしさが見えてきて面白くなってきました。
湊が書道教室に固執しているのは
善と何かしら因縁があったのかな?とか勝手に思ってので、
伊織と繋がりがあったことに、そっちかーーーってなりました!!
湊~~~家族のためとはいえ、もう少しやりようなかったの?
稼ぐために誘ってしまうのも…
後戻りできなさ過ぎるわ、こんな奴に初めて奪われたとか、しんど…
ドロドロ展開!にテンションあがるw
「恋人」がいると善のことを想って話したシーンが印象的で気持ちを押し殺してる湊の姿も
基本、強気な善が湊を想って身を引いてしまうのも、切ない…
好きで好きで好きだけど、どうしようもならない!
湊がことを起こす場面の緊迫感…善の苦しみ…しんどいしんどい。
最終的には善の潔さに救われました!!
善と湊のすれ違いにヒリヒリした分、伊織とのことを完全に上書きするためにも
もう少~~~しイチャイチャが欲しかったなとか
伊織をぎゃふんと言わせてやりたいとは思いますが
書道(墨)の描写や取り組み方が趣深く、
合同出展での善の対応が粋で、そういった点も楽しめました。
初読み作家さん。
笠井あゆみさん画の表紙絵や口絵はエロエロですが、内容は、本命との本番はラストに一回のみという超純愛ものでした。
主人公は書道家の善(攻め)。
事務の女性(恋人)に逃げられ、代わりのバイトとして湊(受け)を雇うことになり…という話。
湊は書道の知識はゼロですが、性格は素朴で素直な好青年。
善の字を気に入り自由に感想を述べる感性豊かな一面もあり、善は彼に惹かれていきます。
物語後半、視点が湊に交代したことで明らかになる湊の私生活はなかなか衝撃的。
貧乏な家庭に育ち、長男として弟や妹たちを養っていたり、
父親の形見であるジャージを大事にしていたり、
健気で家族想いなキャラクターにグッときます。
そんな善の苦しみを察し、彼を包み込もうとする善も非常に健気で男前。
モデルのオファーを受ける等、書道界では異端扱いの善ですが、書道家としての才能や人柄の良さは彼の書道作品の数々からも伝わってきます。
そうした書道作品の迫力や美しさが目に浮かぶような描写も上手いなと思いました。
湊が生活費と家族のため当て馬と寝ていたり、当て馬に脅され善の作品に水をかけたりと辛い描写が続くので、全てが片付いたラストではもう少し甘いシーンが欲しかった気もしました。
ストーリー展開としてはややベタですが、書道家の生活や創作活動についての描写になかなか読み応えがあり、楽しく読めました。
萌×2寄りです。
笠井さんの表紙につられて購入。内容はすでに書いてくださっているので感想を。
善の事務所にアルバイトとしてやってくる湊。
バイトの面接に来た湊の服装や言葉遣いなどが20歳とは思えない粗雑さで、善と一緒に軽くめまいがしながら読み始めましたが、徐々に見えてくる湊の健気さに思わず感情移入してしまいました。
師を持たず我流で書道家として生計を立ててきたけれど常に自身の書に不安を持つ善。
高名な書道家を父に持ちサラブレッドな出でありながら、善に根深いコンプレックスを持つ善の友達の伊織。
両親がおらず、貧困の中で弟たちを懸命に育てている湊。
前半はありきたりな、というかよくある話だなあと思いつつ読み進めましたが、後半の伊織と湊の関係が判明し始めたあたりからグッと話に引き込まれました。
前半で出てきた伏線をきちんと回収していくストーリーで、ああ、なるほどと思いつつ読みました。
『淫雨に溺れて』というタイトルに、笠井さんの淫猥な表紙。すっごいエロエロなストーリーかと思っていましたが、予想を裏切る、純愛なお話でした。
あとがきでつばきさんが書かれていましたが、『淫雨』って長雨の事なんですって。知りませんでした。「エロい雨」をイメージした汚れきったワタクシなのでした…。
伊織はいやな奴として描かれていますが、でも、あの不器用で書に打ち込む彼をマルっと受け止めてくれる可愛らしい恋人ができるといいな、と思います。きっと大切にするんじゃないかな。
笠井さんはとても好きですが、なぜこの内容にこのエロエロしい表紙なんでしょうね。リアル書店では手に取りづらいですし純愛をイメージしづらいと思うのですが…。
中の挿絵はさすが。湊のかわいらしさにちょっと軟派な書道家である善、そして武骨な伊織。イメージ通りの面々でした。
耽美な内容というかミステリアスな展開を予想していましたが、蓋を開けてみたら、謎もなにも受けがただただ貧乏で。。というベタなお話でした。
笠井先生のイラストでハードルが上がってしまいました。
攻めも受けのこと好きなら、その境遇に気付いてやれよ!って感じで、イラっとしました。
ライバル的存在の書道家もそんなまどろこしいやり方をしなくても他にやり方は色々あるだろ!と突っ込みたくなりました。
全体的に深みがなく、アッサリした作品でした。