電子限定おまけ付き
【愛を棄てた金糸雀】は【妓楼の軍人】のスピンオフ…。
発売されると聞いてからずっと楽しみにしていた
犬飼のの先生の作品です。
この作品の主要人物、紳蘭(花東紳羅)は特殊孤児院を出て美貌であるが為に男妓楼へ送られることが決まる…。天遊(宋天遊)は藍華帝国の軍人。
この2人が出逢うことは最初から決まっていた運命…。ゆっくり優しい時間が過ぎ引き寄せられていく距離………しかし終わりは突然やってきて…。
( ^ ^ )/■ぷち感想
2人出逢った頃の穏やかな空気(スイスの山を想わせる)が一変し…突然奴はやって来ます‼︎心の中で妓楼の軍人の時のように進んでいくだろう…と読みながら油断かましていたら『え”っΣ(゚д゚lll)え”えーーっ‼︎‼︎‼︎』と、度肝を抜かれる展開に…(汗)初めて読みました…アレがアアなる…(/ _ ; )涙させるBLが大好きでオススメですが心の準備が…いる…かもです/////それでも読めて本当に良かった♡
これはレビューやネタバレなしで読んだ方がいいです、絶対。
かくいう私は購入を躊躇い、ネタバレ覚悟のうえでレビューを読んでしまったのですが、本編を読んでいる最中にレビューの内容がチラついてしまい、思い切り楽しめませんでした…。
犬飼のの先生を信頼して読まなければ良かった…!
信頼できずに本当に申し訳ございません!!と土下座の勢いです。
それくらいやっぱり面白い。
また、今作は「妓楼の軍人」のスピンオフですが、私は順番通りで「妓楼の軍人」→「愛を棄てた金糸雀」をオススメします。
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ここからはレビューというより、もはや感想です。
※ネタバレかなりあります。
個人的に「妓楼の軍人」がもうすごく、すごく良くて…っ。
本当に理想の攻めで、今のところ同著者の中でNo.1攻めです。
今作の攻めもかなりのスパダリ。
権力も美も兼ね備えて、一目惚れで受けに夢中。
執着もあって文句なしの最高の攻めでした。
物語もすごく面白い!
ただ、お互い知らない7年間が省かれていて、この空白の時間を読みたかった…。
というのが正直な気持ちなのですが、ここを描いてしまうとシリーズになり兼ねないですもんね…。
そして最後の最後…!!
耐えに耐えたラストである種の種明かしが、私の思っていたスッキリ展開ではなかったのが少し、本当に少し心残りでした。
不完全燃焼と言いましょうか…。
真実を知った攻めサイドも見てみたかった…。
みなさんどうなんでしょう…。
これ凄く語りたいです。
でもこういう終わり方もアリですよね…。
あと、攻めの秘密についてはやはり前作と似通っていたものもあり、ちょっと新鮮味は得られませんでした。
それでもいい、面白いから…。
いや~~本当にいい作品を読むと元気が出ます。
『妓楼の軍人』のスピンオフ。
前作受けと攻めもそれぞれ少し登場しますが、単体でも読める内容です。
前作同様、日本に似た架空の島国(大和)が近隣の帝国に支配されているという設定の物語。
今回はそこにヅカ萌やボーイソプラノ萌も加わり?、前作以上にオリジナリティ溢れる世界観が作り込まれています。
大和の逆賊遺児で施設育ちの紳羅(受け・15歳)は、隣国の軍人・天遊(攻め・25歳)に歌の才能を認められ、宮廷歌劇団の星歌手を目指すことに。
彼の側近の屋敷に引き取られ、「紳蘭」と名を変え、入団試験の稽古に励みます。
出会って間もなく恋に落ち、一線を越えぬまま愛し合う二人ですが、幸せは長く続かず。
皇帝の弟・王瑠に見初められた紳蘭は、彼に強姦されたあげく睾丸を切除され、彼の妾として囲われることになります。
天遊を守るため、自ら望んで王瑠の妾になったと偽る紳蘭。
天遊を遠ざけた後、彼との別れに人知れず涙する姿が切ないです。
それから8年。
紳蘭は宮廷歌劇団の第一歌手として名を馳せ、中性的な歌声で人々を虜にしています。
そんな紳蘭の舞台を欠かさず観に来る天遊。
今も天遊を想う紳蘭ですが、身体は王瑠のもの。
胸に復讐心を秘め、淫乱なふりをして王瑠に抱かれ続けます。
そしてある日、皇帝への謀反を企てる王瑠を失脚させるべく、天遊に証拠のテープを渡しますが……
8年間すれ違い、その中でも互いへの想いを失わなかった二人の一途さ、健気さが胸を打つ純愛モノ。
受けの処女が攻め以外の男に早々に奪われ、その後もずっとその男に抱かれ続けるという展開は前作と対照的。
何だかんだ「守られている」感が強かった前作受けよりも遥かに熾烈で孤独な境遇にあり、それでも祖国の民と天遊への想いを忘れない紳蘭は大変芯の強い主人公です。
紳蘭の運命を狂わせた王瑠も、大切な人を失った過去を持つ孤独な人物。
彼の同情を誘うようなエピソードを盛り込みつつ、罪は罪として裁かれるクライマックスの展開は大変ドラマティック。
彼への情と自身の使命との間で揺れる紳蘭の決断に手に汗握る展開です。
ラストには、8年の時を経て結ばれた二人の甘いシーンも。
肉体的にも社会的にも、様々なものを失った紳蘭ですが、それでも愛する人と結ばれ幸せそうな姿に安堵しました。
エピローグの天遊とある人物のエピソードは個人的には蛇足だったかな、と思いますが(大物設定がなくても天遊というキャラクターは充分魅力的なので)、前作からの流れとしては成程と思わせる展開でした。
攻め以外との絡み、身体欠損など読む人を選ぶ要素はありますが、ラブストーリーとしては純愛すぎるほどの純愛。
切なくロマンティックな世界観にどっぷり浸ることのできる良作かと思います。
前作と同じ萌×2評価ですが、個人的には前作より好み。
こちらもいつの日かCD化されたら嬉しいです。
犬飼さんに笠井さんの挿絵。そして『妓楼の軍人』のスピンオフと聞いたら買わずにいられようか、ということで手に取ってみました。内容はすでに書いてくださっているので、感想を。
『妓楼の~』はなんだかんだありつつも受けさんが攻めに守られている感が溢れていて甘い雰囲気でしたが、こちらは受けが「これでもか」という位切ない目に会っています。
初っ端の出だしの雰囲気はとても好き。
もともと良家の子息だった紳羅が男妾になるところを、そのビジュアルと歌声を買われ天遊によって救い出され、そして二人の間に恋が芽生える。
何とも甘い空気でグッと引き込まれました。
が、その後皇帝の弟・王瑠にレイプされ、去勢され…。
自分の不運を嘆きつつ、それでも両親の敵を討つためと、愛した天遊を守るため王瑠の愛人として過ごす紳羅。
紳羅の、この気持ちの切り替え方が非常に男前。男前なのですが、それ故に甘い空気にならない。
ここで、紳羅と天遊が、王瑠の目を盗んで通じ合っていれば甘い空気になったと思うのですが、天遊を守るために自分の気持ちを押し殺して紳羅が彼に冷たい態度をとるために何とも物悲しく痛々しい展開になってしまったのかな、と。
紳羅と天遊が出会い恋をし、そして王瑠によって引き裂かれるまでの期間はごくわずか。
そして、離れ離れになった後は、ほとんど接点もなく過ごしていきます。
それなのに7年間もお互いを愛し続けられた、というストーリーを、純愛と取るか、理解できないと取るか、でこの作品の評価は分かれる気がします。
紳羅をレイプし、強引に自分の愛人に据える王瑠は『悪役』そのものなのですが、最後、謀反人としてとらえられた王瑠が紳羅に対して自分の気持ちを切々と訴えるシーンに、ちょっと彼が気の毒になってしまいました。
『妓楼の軍人』のスピンオフで、時系列としてはこちらが先になります。前作未読でもこれ単体でもちゃんと理解できます。理解はできるのですが、読み進めていくうちに『妓楼の~』とリンクする部分がどんどん読み取れ、さすが犬飼さんといった感じ。作家さんとしての技量に圧倒されました。
『妓楼の軍人』と合わせて、ぜひ読んでいただきたい作品でした。
ストーリーの展開としては王道で、最後はちゃんと結ばれる二人ではありますが、いかんせん途中の経緯が痛すぎますし、攻め以外の男性に(しかも『初めて』も)奪われる、という展開なので、苦手な方もいらっしゃるんじゃないかなと思いました。
作品としては文句なく神評価なんです。
が、紳羅が可哀想すぎちゃって。ストーリーの8割くらいが痛いストーリー展開なので『萌え』という点ではさほど萌えなかった、というか。
なので評価は迷うところなのですが、☆4つで。
電子書籍版を購入。
表題作の「愛を棄てた金糸雀」、二人のその後を描いた「久しき花」(蓮が登場)、電子限定おまけの「愛を歌う金糸雀」(芙輝が登場)が収録されています。
スピンオフということで、本作を読む前に『妓楼の軍人』を読み返して復習しようと思っていたのですが、時間がなくてそのまま読み始めることに……。
すっかり設定を忘れていたので、「あー、はいはい、そんな話だった」と思い出しながら読み進めました。
本作だけでは、細かな設定はわかりにくいので、『妓楼の軍人』を読んでからの方が、より世界観に浸れると思います。
で、感想ですが……「はぁっ」の一言です。
マイナスな意味じゃないです。
なんというか、読んでいるうちに、肩に力が入りすぎてしまって……
読み終わって、やっと、一息つけるって感じ。
長い年月を積み重ねた、愛の物語です。
スピンオフだからか、『妓楼の軍人』と同じような話の運び方で、既視感あふれますが、こっちの話の方が、やや好みでした。