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表題作をBLの枠に入れるかどうかの判断に迷う方が
きっとお出でだろうと拝察しますが、評者はアリだと
判断します。
BL枠の中で読み解いていく方が腑に落ち易いかと。
表題作は柔らかい口当たりの物語ですが、決して甘くは
ありません。それなりの塩加減が効いた上で淡く上品な
だしの感じになっていると判断しました。
そう言う下地があるので、殊更の香辛料が効いていなくても
満足できる味わいに仕上がっているのだろうと感じます。
もっともこれは相性が合えば、と言う前提ですので現時点で
物足りないと思われる方もきっといらっしゃいましょう。
そう言う場合は箸休め感覚で目を通されるとよろしいのでは
ないか、と提案しておきます。
併録作はさしづめ〆の緑茶かコーヒーか、と言う感覚ですね。
併録作を箸休めに読み進める、と言うのもありでしょう。
クールで鬼水嶋と生徒たちから陰で言われている高校教師の水嶋先生。中庭で密かに育てている野菜に興味を示した生徒のひかるが、実は一人暮らしで毎日コンビニ飯というのを知りひかるを放っておけず、ほぼ毎日一緒に夕食を食べるようになります。
そしてひかるの住むアパートが取り壊し決定となり、アメリカで仕事をしている母親の元へ行くのだけは避けたいと泣くひかるに「一緒に暮らしますか?」と提案する先生。
先生の作るご飯をほわ~っと笑顔でおいしい、おいしいと食べるひかるが可愛くて、恋愛感情抜きにしても純粋にかわいいと誰でも思うと思う。
仕事で忙しい母に遠慮して、いつも一人だったひなた。一緒にご飯を食べるのって美味しいね、一緒に何かできるのっていいね、というひなたに対して、やりたい事を書いてみれば?と先生が提案します。
・花火大会
・おっきいおにぎり持って花見行きたい(しゃけ たらこ)
・体育祭で一緒にお弁当を食べる
なんていう、小学生時代のやり直しみたいな項目ばかりなんだけど、ノートの隅っこにこそっと書いた「せんせいとちゅーしたい」がかわいい。
先生はとっても真面目で、一見気難しそうな感じだけど実はオカン気質。ひなたと夕食を毎日食べる→同居するなんて教師としてどうよ?とあれこれ悩むのだけどそこが良かったな。
さっさと生徒に手を出しちゃういわゆる淫行教師は私はNGなので 「生徒」である以上は私は「教師」でありたいと思います と決断する先生が尊い…。
もっと料理&食育メインのお話だと思ってたので、予想以上にBLしてるなぁ…って思いました。(でも軽いキスまでです)
そして卒業後の様子も描かれてます。やりたい事リストが4冊目になっててとっても幸せそうな様子に心和みます。きっと「零さんって名前で呼びたい」とか「名前で読んでほしい」とか「零さんとエッチしたい」とか描かれているんだろうなぁ…。
途中「さみしがりのラブレター」に収録されている【はる、ひなたの恋】で出てくる幼馴染カプがひかるの従兄弟として登場しますが、未読でも全く問題ないです。
でもあちらの作品もほわっとハートフルなお話が詰まってるので、こちらの七ノ日さんの作品が気に入った方にはおすすめです。
【Candy Candy Rain】
好きな女の子に告白して振られて泣いているところを、同じ大学に通う「魔法使い」だと名乗るハナが見つめていて…。
ファンタジーなのか結構曖昧でして、ファンタジーものは嫌いじゃないけど、ファンタジーならファンタジーとはっきりさせないと私は混乱するたちなのでちょっと微妙でした。
前に読んだときにレビューを書いた気がするのですが、どこか違うところに書いたのか、ここにはなかったので改めて。
「やさしい水嶋先生」
堅物の水嶋先生がひょんなことから1年生の小谷(コタ)に餌付けをしていく話です。
野菜中心で薄味のおかずから、成長期のコタのことを考えて肉を多めにしたり、朝からパンケーキを焼いたり、夜食を作ってあげたり。
自分のためだけに作っていた食事が「誰かのため」に変わっていくのと同時に、堅物先生の外側も内側も変わっていきます。
コタは高校生というより小学生で、ときどき言葉はカタコトっぽいし、とにかく子供っぽい。そこが受け付けない人もいるかもしれません。乗り越えて、可愛いと思えたら勝ちです。
保護者っぽい見守る気持ちから、そばにいてくれると温かいという気持ちに変化していくのはすごく分かるのですが、それが恋、ましてやちゅうとかそういうのも含めての気持ちにまで発展するのかどうかは別として、食べ物がもりもりこれでもか!というくらい出てくるので、食べ物BL好きにはおすすめです。
「candy candy rain」
表題作よりこっちの方が好きです。
一目惚れしてはすぐフラれること15回。某マスターピース的バスケ漫画の赤毛の主人公には及びませんが、フラれてばかりの幸に飴をくれたハナ。
ハナは自称魔法使いで、魔法の飴を作っています。
幸がもうフラれないようにと作った惚れ薬ならぬ惚れ飴を、幸自身が食べてしまうことから、2人の関係に変化が。
ほっこりします。ハナの優しさで温かい気持ちになれる作品。
目の前がキラキラ輝く飴の演出が素敵です。
作画にクセがあるので、そこで好みが分かれるかも。
それでも同時収録はぜひ読んでみてほしいです。
七ノ日さんの初コミック「さみしがりやのラブレター」に出てくる、
ひなの従兄弟:ひかると、その高校の教師:水嶋先生との、
エロなし、ほんわかほのぼの~~なお話がメインの1冊です。
「さみしがりや~」の、ひな & 春斗もチラッと出てきますが、
読んでいなくても全然問題はありません。
わたしは未読だったので、これを機に読んでみたくなりました (^^)
■表題作「やさしい水嶋先生」4話+描き下ろし4コマ
いつもクールで笑顔を見せないので、
生徒たちから「鬼」呼ばわりされている教師の攻め(表紙右)は、
ただ生真面目なだけで、実はとても優しい人。
それを見抜いたのが、生徒のひかる(受け・表紙左)。
卒業して部員がいなくなった園芸部の畑を、
放置してしまうのは勿体ないと、攻めがそこで野菜を作っていると、
それを知った受けは「 せんせい、やさしい、ね。 せんせい、すき 」と、
屈託のない笑顔で言ってくれる。
(多分この時はまだ恋愛感情はなし、擦れてない素直な子なのです~)
親が外国で働いていて、料理が出来ない受けは、
独りぼっちでろくなものを食べていない。
それを知った攻めは、生徒は助けてあげないと…という気持ちから、
夕食を作ってあげて一緒に食べることに。
そして、受けのアパートが取り壊されることになった時には、
思わず自分の家に来て一緒に住もうと提案までしてしまって……
すご~~く美味しそうに攻めの作ったごはんを食べて、
とても素直に体全部で喜ぶ受けと、
真面目だけど、本当は親切で世話焼きな先生、
波長も合ってて、一緒に住んでいたらそりゃ恋におちるよなぁ♪
ふたりの雰囲気 & 美味しそうな料理 & 受けの笑顔で、
コチラもすごく満たされた気持ちになれました (*´ω`*) オナカハスクケド
エロなしなのは、ちょっと寂しい気もしましたが、
先生と生徒のうちはダメ!というのも、とても "らしい" 展開に思えました。
「キスをねだられました」のオチも、ふたりが純粋だからこそw
卒業後の様子が最後に見れたのも嬉しかったな、
本当はキス以上のコトをしてるのも、チラッと見たかったですけどね☆
■「Candy Candy Rain」1話
一目惚れしては振られてしまうノンケ大学生の幸(多分受け)は、
同じ大学に通う、自称「魔法使い」というハナ(多分攻め)から、
元気が出るという魔法の飴を渡されて励まされて……
こちらもエロなしで、やっぱり笑顔がとてもステキなお話でした♪
ファンタジー…だよね??という匙加減がいいな。
萌え×2寄りです☆☆
全編エロなし、ほのぼのです。
表題作は、高校教師(一見無愛想だが実は世話焼き)が、一人暮らし生徒の食生活が気になって、一度夕食に呼んでしまったら、その素直な反応にうっかりはまってしまい、ずるずるそのまま毎日のように夕食を共にしている内に、なんだかんだで同居することになって、まあ、結局は両思いだったって事だけど、でも、卒業するまでは先生と生徒で、卒業したら恋人になろうね、っていうおはなし。
サラッと読むと、ほのぼので可愛いんだけど、いろいろ展開が無理やりっぽいのを、チビキャラ化した絵で上手いこと可愛くごまかしている風に感じて微妙。
同録のCandy~もオチをファンタジーにする必要があったのか疑問。
ぱっと見可愛いし、時々いいこと言ったりしているので中立寄りだけど萌かな。