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表題作ドラゴリアン婚姻譚~甘やかされる生贄~

セイファス
25歳,ドラゴリアン王国の竜王
エーリアル
20歳,側室の産んだ王女として育てられた

その他の収録作品

  • 後日談~竜王さまの心のつぶやき~
  • あとがき

あらすじ

竜の生贄になるはずが、人型に変化した竜王の妻に!?
いきなり妻で母になってしまった男の娘の、身代わり花嫁ファンタジー

王位継承権争いを避けるため女子として育てられた側室の子エーリアルは、竜と交わした契約によって二十歳の誕生日にドラゴリアン王国へ連れ去られる。
命を捧げる覚悟でいたエーリアルが求められたのは…人型に変化した竜王セイファスの花嫁となることだった。
昼は甥のドラコー王子の母役、夜は姫の姿のままセイファスに熱く貫かれる日々。
身代わりから始まった役目が大切なものへ変わり始めた矢先、何もかもを手放さねばならない衝撃の真実が…。

作品情報

作品名
ドラゴリアン婚姻譚~甘やかされる生贄~
著者
早乙女彩乃 
イラスト
キツヲ 
媒体
小説
出版社
二見書房
レーベル
シャレード文庫
発売日
ISBN
9784576161440
2.5

(12)

(0)

萌々

(2)

(4)

中立

(4)

趣味じゃない

(2)

レビュー数
3
得点
24
評価数
12
平均
2.5 / 5
神率
0%

レビュー投稿数3

性別受け万歳(∩´∀`)∩

2016年刊。
イングラット王国の側室が産んだ”王女”として育ったエーリアルは、竜の姿のセイファスに病に伏せっていた母親を助けてもらった。
その時の契約で、エーリアルは20歳の誕生日にドラゴリアン王国の若き竜王の花嫁として迎え入れられる。

有無を言わさず連れて来られ、媚薬を使って無理矢理に抱かれるという経緯でありながらも、初対面から既に相思相愛な二人だったし、エーリアル自身も心から濃厚な快楽を受け入れているので陵辱味はない。
セイファス自身も男色と告白していて、エーリアルが性別を偽っていても逆に好都合と受け入れ、彼の側近もそれを承知している。
更には、弟王子一人では面倒を見きれない赤ん坊の世話を快諾して、妻として母親としての役割を献身的にこなしている。

これでもかっ!!って都合のいい展開が畳みかけるように出てくるものの、これはこれで面白く読めた。
攻めの溺愛ぶりやら甘々ほのぼのってシチュエーションが個人的好みのツボに嵌っていたし、何だか憎めないものがある。
だが、いろいろと物足りない点が目立つのも否めない。

エロシーンは突出しているが、背景となるファンタジー要素が薄いおかげで楽しめる部分とそうでない部分の落差が激しい。
セイファスがほとんど人の姿で過ごしているせいで、人外攻め(竜)ってのを忘れそうになるし、エーリアルの母親の秘密も二人の恋路の障害として立ちはだかるまでには至っていない。

だけど、エーリアルに関しての描写については、今更女性的な物腰や立ち振る舞いを直せないって言い分は汲めるし、あざとさのない天然な性格は個人的に好きだ。
せっかくの性別受けなのだから、”男の娘”として際立っていたら更に面白かっただろうに…と感じた。
しかし、話し言葉は”私”なのに、心の呟きでは”僕”ってなっているのは確かに自分も引っ掛かったかな。

2

設定は面白いですが…

あらすじ:
王の側室の子で、跡目争いに巻き込まれぬよう女性として育てられたエーリアル(受け)。
15歳のとき母の病を竜王に治してもらい、その代償に20歳になったら竜王の花嫁となる約束を交わします。
そして約束の日。
エーリアルを迎えに来た竜王・セイファス(攻め)は、人型では目の覚めるような美丈夫で…

まずエーリアルが個人的に魅力を感じ辛いキャラクターでした。
何かにつけて「ああ、何て○○なんでしょう」というような大袈裟かつワンパターンなリアクションしかせず、ひたすら受け身のキャラクターという印象。
セイファスに、国を出たのだから女性として生きる必要はないと言われても女性として生きることを選ぶ等、その思考回路もよく理解できませんでした。

物語は、魔女の呪い(セイファスを愛する者が現れたらセイファスは死んでしまう)を知ったエーリアルが、セイファスから離れようとするところで山場となりますが、あっさりセイファスに捕まり、身体で懐柔されてしまいます。

そしてエーリアルが寝こけている間に最悪の事態に…と、あまりにエーリアルがいいとこなしの展開。
呪いを解く方法も、エーリアル自身の力によるものではなくエーリアルが母親から受け継いだ鍵によるものなので、カタルシスがいまいちでした。

更に、エーリアルの母が実は魔女で、昔竜族を苦しめていたという事実が明らかになりますが、これの処理もいささか強引。
母親は、竜族に冤罪で殺されたエーリアルの祖母の怨みで竜族に復讐したらしいですが、どんな理由があったところで竜族を攻撃したことに変わりはないのに、それを「母はやっぱり優しい人だった」で片付けてしまうエーリアルの思考はよく分かりませんでした。
そして、これらの母親関連のエピソードが物語終盤で一気に語られるため、唐突すぎて話に入っていき辛い点もマイナスでした。

エロシーンが多く、甘々で、子育て要素もあって(セイファスの弟の子どもを育てている)…と、良いところもあるものの、全体としてはもう少しストーリーを整理して欲しかったかなと感じる一冊でした。

2

ライトすぎるファンタジー

15歳の時に竜に母親の命を助けてもらい、その代わりに20歳になれば自分が生け贄になる、との契約を結んだ受けの話です。
竜が攻め(普段は人型)で、約束どおり受けが20歳になったときに迎えに来ます。

竜やら魔女やらが出てくる正統派ファンタジー…の割に、セリフやら地の文があまりに軽々しいのにびっくりしました。受けの敬語もグダグダだし、思慮深さがカケラもない。なんか出来の悪いTLを読んでる気分になりました。

受けはある国の国王の妾腹の息子なのですが、正妻の子との相続争いを避けるために生まれた時から女子として育てられた子供。一人称は「私」です。なのに頭の中で話している言葉は「僕」。えっ生まれた時から女として育てられてるのになんで? と思いました。
おまけに攻めの国に連れてこられ、もう男として過ごしてもいいよ、と言われて「いえ、女として育ってきたので今後も女として過ごします」と言うのです。それはまあいいんですが、そのあと攻めに馬に乗せられた時に「王妃に怪我でもされたらダメだから」って言われて「男としての本心が反発を覚え」たりしてる。どっちやねん! …最低限の設定は貫き通してほしいです。

思慮深さがない受けなのですが、設定上では「観察力に優れ、賢い」となってるのが余計に痛々しかった。竜族は1ヶ月は何も食べなくてもいい、と言う攻めに「それはきっと健康に悪いから」と毎日食事を摂ることを強要する。攻めが受け入れて食事に付き合ってるから結果オーライだけど、この人アレルギーとかある人にも「身体にいいから!」とアレルゲン取らせそうだよなーと思ったり。
攻めの弟の子供を育てているのですが、近くに崖があるから気をつけろ、と言われているのにラベンダーを見て呑気に『これお母様が好きだった花だよ、懐かしいなぁ』なんてやってるうちに子供を崖から落とす。
自分の血が攻めの命を救うと知り、がっつり手首を切って死線をさまよう。(加減を知らんのか)
もう…アホだなぁ、とため息しか出ませんでした。

イラストは綺麗なのですが、女として過ごし、ほとんどの人に女だと思われているはずの受けが、どう見ても男にしか見えなかった。胸板はもうちょっと隠そうよ…と思いました。がっしり体型、真っ平らな胸…これで周りの目を欺くのはどう考えても無理…。

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