イラスト入り
あらすじ:
狼族長の跡取り・大地(受け)は成人の儀で山を越える途中、ウサギ族のハル(攻め)と知り合う。同じく成人の儀の途中だというハルに誘われ、一緒に山を越えることになり…
狼属性のウサギ×兎属性のオオカミというちぐはぐな組み合わせがなかなかユニークな一冊。
大地は小柄で女の子のような容姿で、性格もおっとり系で…と、全く狼要素のない草食系男子。
それに対してハルは、ウサ耳が全く似合わない肉食系イケメン。
狼/ウサギらしくない、と周囲に言われ続けてきた二人は共通の悩みで意気投合。
仲良く野山を旅しますが、ある夜、大地はハルに襲われ…という展開。
犯されたのに、一言謝られただけであっさり許し、何事もなかったかのように旅を続けようとする大地。
これが普通の人間だったら天然すぎてちょっと引くレベルですが、半分動物だと思えばまぁアリかなとスルーできました。
めでたく成人の儀を終え、一度は離れ離れになる二人ですが、やはりお互いへの想いを抑えきれず再会→ハッピーエンド。
跡継ぎのこと、お互いの家族の意見など色んな問題が放置されたまま二人の世界に浸って終わるため、やや消化不良なラスト。
エピローグで伏線が回収され一応オチはついているものの、ストーリーの大半が二人の山歩きに終始しており、少々物足りなさを感じる一冊でした。
中立寄りです。
コウキ。先生のイラストが好きで購入した、初読み作家さんでした。
イラストに関しては、本当に可愛い!!
最後の浜辺での2人の再会シーンのあのイラストには長く見蕩れてしまいました。
物語の内容としては、特に二転三転する事もなく単調に話は進むので、正直、せっかくの設定が生かしきれてないように感じました。
プロローグで神様の仕事内容からいきなり始まるので、頭の中は???な感じだったのですが、キリストの生まれ方や宗教の始まりなど、ありそうかも!と思ってしまうような面白い内容で、先を読み進めるのが楽しみになりました。
そここら本編に入るのですが、受けさんの狼族に属する大地がどうにも好きにはなれない性格でした。
なよなよするならするではっきりして欲しいのですが、心の中では結構悪態ついてたり言葉遣いが受け入れ難い(これは私の好みに入らないだけかもしれませんが…)感じだったりで、大地のおかれた状況には共感出来ずに読み進めてしまいました。
最後まで読めたのは、攻めさんのウサギ族でもあるハルがかっこよくて、惹き付けられるキャラだったからというのもあります。
最後までかっこよかった!!性格もはっきりしてて、裏表もなくて、素敵過ぎる!!
最後の再会シーンのやり取りでの、大地がハルに大して「ハル、大好き」と告げたのに大して「知ってる」と返して首筋にちゅーなんて…!!
この先を仄めかすような内容で終わってしまったので、お互いの種族問題などが気になります。
出来れば続きが読めたらスッキリしていいのですが…(><)