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事情があって、両親と暮らさず、学校にもあまり行っていない雪下希。そんな希を面倒見てくれ、自身も勤めるバーでアルバイトをすることを勧めてくれたのはおじだった。
その店は通常のバーとライブバーを兼ねていて、希はそこで時々サックスを演奏している高遠のしっとりした演奏とその絶妙な表情に密かにファンになる。
ところがある日の帰り道、高遠が女性と歩いているところを見てしまう。
その時の高遠は店とはまったく違う表情をしていて、希は思わぬ欲望を引き出される。
それ以来、希はなんとか高遠と距離をおきたいと考えていたが、それも保護者二人の出張etcでうまくいかない。
おまけに自宅にいたずらを仕掛けられるようになって……という話でした。
続きがまだあるようなので、穏やかに見ていますが、この二人の愛にはなぜ? と思うようなことが入っています。
最後は希の過去に関わることが背景だったことがわかって、何とか守ってもらって、高遠の本心も聞けて、ハッピーエンド。
まだまだ、希の保護者二人の関係とか、気になることはたくさんありますが、そんなに分厚くもなく、さらっと読めるかと思います。
ただ今崎谷はるひさんが連続刊行をしておられるので、私もそれに乗っかって崎谷さんの作品レビューを続けて書いていこうかなと。(ただの自己満足☆)
ミルククラウンシリーズはとにかくキャラが魅力的です。
主人公・雪下希は元アイドルという経歴を持つ高校生で、顔立ちも心もとても繊細。高校は不登校気味で、自分を引き取ってくれた叔父の玲二とそのパートナー・義一が経営するジャズバーでバーテンとしてバイトをしています。
希のお相手・高遠信符は、希の働くジャズバーのサックスプレイヤーで、顔も身体も才能も一流の男。高遠はもう色悪も色悪で、とんでもない色気を垂れ流してるような男です。ほんっと悪い男です。
ミルククラウンは希の視点からよりも高遠の視点から読む方が面白いと私は感じます。高遠が希を落とすためにジワジワと希の心を乱し、身体を快楽で満たしていく手管はアダルトだ…
保護者の玲二の目を盗んで、希に悪さする高遠。それでも最後の一線は越えないのは何故か。自分では高遠の相手にはならないのかと思い詰め、期限つきで遊ばれていてもいいとまで考えてしまう希の根底にあるトラウマは深いです。
壊れた希を救ってくれたのは、きれいで優しい叔父の玲二でした。玲二は希を「甘いミルクのような羊水」で包むように護ってくれました。
崎谷さんのこんな表現が素敵だなといつも思います。
そんな優しさと温もりの中で庇護されていた希を、激しさと熱さで引きずり出したのが高遠だった。この対比がミルククラウンシリーズで魅力を感じる所です。
高遠に翻弄される日々に少しずつ疲れを感じていた希に事件が起こり、危険が迫ったその時、高遠登場。
そしてようやく噛み合ったお互いの想いにホッとしました。二人とも喋らないからややこしくなるんだと言いたい…。もっと言葉を出そう。
それでも最後は希もがんばって高遠の気持ちを聞き出します。それに白旗を上げた高遠はとびきり甘く、
「希。……好きだ、かわいい」
あの高遠がこんなこと言うなんて…!と読み返すたびに思います。
路上でその先を匂わせるようなキスをしながら「遊ぶか」と聞く高遠はやはり悪い男だなと。
それに対し希は、
「うん。……遊んで」
おもちゃにしても、いいから。
なんて何の計算も無しに言う希に高遠は完全に堕とされました。自分が希を…と思っていたはずがいつの間にやらというかんじです。
ラストのHシーンではようやく最後までいきました。最初の時に希が「痛いのはやだ」と高遠に言ったので、今まで希の身体を慣らしていたのだとか。
大事にしてたのか…と、ちょっと高遠を見直しました。
ミルククラウンシリーズは、挫折とその痛みを知っている二人が成長し、変化していく過程が見える作品です。
崎谷先生の作品は年代問わずいろいろ読んでますが、この作品は読みづらかったです。今まで崎谷先生の作品で読みづらいと思ったこと一度もなかったんですが…
私にとって高遠という人間がわかりづらかったこと、あとは展開がちょっと早くて唐突に感じることが原因かな?と思います。
希の憧れが好きになったタイミングも高遠が希を好きになったタイミングも私にはちょっとわかりづらかった。
あと、受けも攻めも苦手なタイプだったこともあるかも…笑
作品が悪いわけではなくて、多分展開の速さやキャラクターが私に合わなかっただけだと思います。
こういうタイプの攻めと受けが好きな方は読んでみてください。
元チャイドルという過去を持つ受け。
声変わりの時期に、ほされちゃったんですが
華やかな世界に魅入られてしまったのは親で
当人は、親の期待にそえなかったことで傷つき
親元を離れ、叔父の元で暮らし始める
芸能界という特殊な場所に身を置いていたせいか
学校生活には馴染めず、居場所のない 希。
いっそのこと大人の世界へ足を踏み入れてみるか?ということで
高校生という身分ではあるが、叔父の知り合いが経営する
ジャズバーでアルバイトをしてみることになる。
そこで出会った、クールなサックスプレイヤー高遠に惹かれはじめる・・・
と、いう話なんですが。
この高遠という男、普段は寡黙で誠実そうなイメージを装ってはいるけど
一皮向けば、獣w
狙った獲物だけを狩るようなハンター気質の攻めなんですよw
受けは、同級生にも馴染めず、大人にも馴染めず
かわいい顔とカラダをもてあます、純情ウブな男の子。
大人で獣な攻めに翻弄されながらも
天然エロさで逆に攻めを翻弄w
元チャイドル設定は、意味あんのか?と、思いつつ読んでて
最後に意味があってよかったと思いました。
しかしもって“ミルククラウン”って、ミルクの水滴を落としたときにできる
王冠状に撥ねた水滴のことをいうんでしょう?
エ、エロイなw
ぽたぽたっとな・・・w
シリーズ一作目。
これが、BL小説ではちょっと今ではなかなかお目にかかれない高校生受けなんですよね。
高久尚子さんのイラストと年の差カップルということで、購入。
再読でのレビューなのですが、数年前に読んだ時と自分の受けた感想がかなり違ってしまいました。
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受けは高校生で実は元アイドルの希、17歳。
家庭環境の複雑さに、今は家を離れて叔父の家で暮らしています。
攻めの高遠は、ジャズバーのサックスプレイヤー、27歳。
スタイルも容姿も抜群で、人を惹きつけるタイプ。
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希のバイト先は、叔父がフロアーマネージャーをつとめるジャズバー。
そこで出会ったのが高遠です。
その高遠、とにかくカッコ良いのにひたすら愛想なし。
まあ、愛想良くしなくても女は言い寄ってくる男なので(苦笑
言葉足らずがカッコ良いと思っているわけではないのでしょうがちょっと足らな過ぎですし、プラス希も我慢しちゃう子なのでよけい行き違ってしまうという。
かなり色々すっ飛ばしての関係なので、その後の希の葛藤もわからなくもないです。
歳こそ10歳も差があるのだけど、高遠の言葉足らずなところはやはり幼稚というか、好きな子を虐めちゃう小学生というか(苦笑
攻めのタイプとしては嫌いじゃないですし、実は希の可愛さに翻弄されているというのも美味しいのですが、その辺りが少々面倒臭すぎました。
実は最初に読んだ時は、もっと高遠がカッコ良く感じたんですよね。
色々な作品を読んでから再読しましたら、評価が下がってしまいました。
先に書きました通り高久さんが挿絵をされていたので購入したわけですが、残念ながら特に希が文章での描写との差がある印象を持ちました。
文章では大人っぽいというか、大学生くらいに見えると表現されているのですが、表紙は子供子供してますし…
わたしは中の表現を知らず表紙のイメージを持ってしまっていたので、微妙に違和感がありました。