SS付き電子限定版
あらすじ:
刑事の真淵(攻め)は、亡き親友の息子・アンジェロ(受け・18歳)を引き取ることに。
某国の反政府軍の一員だったアンジェロは、「皆殺しの天使」の異名をもつ殺戮のプロで…
ゲリラとして殺伐とした日々を送ってきたアンジェロが、真淵と暮らすうち少しずつ年相応の表情を取り戻していくという展開。
そこに、真淵の追う暴力団同士の抗争、アンジェロの父親の死の真相といったテーマが絡んでくるシリアスなお話です。
アンジェロの参加していたゲリラと、真淵の追う暴力団組織が何か繋がってくるのかと思いきや、何の関わりもなくそれぞれで終わってしまったのは拍子抜け。
また、「皆殺しの天使」というタイトルの割に、アンジェロのゲリラ時代のエピソードが薄い点もマイナス。
アンジェロがゲリラに入るまでの経緯も手短に紹介されるのみなので、アンジェロの苦労や「皆殺しの天使」の凄さが今ひとつ伝わってこないのが惜しいです。
ストーリーのメインは日本での暴力団抗争の話なので、タイトルと中身がややミスマッチな印象。
クライマックスでの真淵とアンジェロのガチの肉弾戦はなかなかの迫力で良かっただけに、もっとアンジェロのキャラクターが掘り下げられていれば更に面白く読めたのではないかなと口惜しさが残ります。
元ゲリラというアンジェロの設定や真淵の硬派なキャラクターは悪くないものの、肝心のストーリー展開がスケール不足で、どうも物足りなさを感じてしまう一冊でした。