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YESかNOか半分か番外編、アナウンサー竜起とADの新キャラ、深(なっちゃん)のお話です。
バラエティ番組「ゴーゴー」のADである深には陶酔している憧れのプロデューサー栄さんがいます。全てワンマン、人遣いも荒い栄さんで周りの不満もヘイトも集まっている中、深だけは常にその後ろを追いかけ彼が望む事を読み取り応えようとしています。栄の横顔さえ見れれば、この人の隣で彼を支えるADとして「ゴーゴー」を作って行けたら。
そんな深に、夜のニュース番組のフロアとして働く打診が出ます。自分にやれる事はなんでもやるというスタンスの深は、そこでアナウンサー竜起と出会い…。
番外編も読めば読むほどジワジワジワジワ良さが広がっていきました!
底抜けにまっすぐで真正面から懐に潜り込んで来ようとする竜起と、栄への憧れと過去のトラウマを持ちながら今まで栄の後ばかり追っていた深が竜起に感化されて自分の道を進んでいく姿。
正直、途中栄さんに呼び出されてセフレ??とばったり(だけど慣れてる深)といったシチュエーションには深が栄さんに憧れ以上のものを抱いているように私も思っていたので不憫すぎるだろ〜!と可哀想になってしまいましたが…。
地雷な人もいるんじゃないでしょうか。
今までどんなことにも自信に満ち溢れていて、たくさんの人に囲まれて何でも手に入ってきた人生イージーモード竜起が、栄の方ばかり見る深では我慢できず全部の眼差しを自分に向けて欲しいと願ってしまう辺りから、もー良すぎて良すぎて!!
竜起のプレゼントもまさかのサプライズで、さらに告白の言葉もにやけが止まりませんでした!!あ〜本当ににやけちゃう!!
こちらの作品を読んでから5日が経過したのですが、未だに余韻が抜けず、脳が支配されてます。常に考えてしまって、何も手につかなくなってしまいました。
イエスノーシリーズは一通り読ませていただいたのですが、3カプの中で1番好きなカプがこちらの竜起×深でした。
もちろんイエスかノーか半分か、ふさいで もとても良く、評価のみではありますが、神評価を押させていただいてます。
しかし、評価だけでは足りない、この良さを伝えたい!と思い、こちらの“横顔と虹彩”にレビューを綴らせて貰っています。
この作品の良いところは『相手の1番は自分じゃない』という状態から恋愛に入るところです。
お互いに恋に落ちていくにあたり、竜起は栄の存在、深は竜起が2年前に好きだった人(国江田)の存在がチラつき、良い味を出しています。
好きになるまでの描写もとてもしっくりくるもので、流石の文章能力、表現力だなと唸りました。
スピン元で当て馬だった時の竜起は、真っ直ぐシンプルにアプローチをしていたのに対して、
今作ではじわじわと、ゆっくり相手の様子を伺いながらアプローチしているのに感動しました。
奥手になってしまうのを見て、それだけ本気なんだと感じ取れたからです。
告白方法、見事です。ド肝抜かれました。
良い作品に出会った時、基本的に「読んでよかった!」という気持ちになるのですが、こちらは良すぎて、脳を支配しすぎて、刺さりすぎて、常に考えすぎてしまうため、良かったを通り越して「助けてくれ」という感想が真っ先に出てきてしまいます。
表紙の素晴らしいイラストを見るだけで、幸せすぎて苦しくなってしまいます。
こちらの作品について考えながら食事をしていたら号泣してしまいました。
過剰な幸福を与えられ、狂ってしまった読者が私なのです。
この2人好きだな〜。竜起はお調子者ぽいキャラクターだけど自分の中で譲れない部分はあるからこそあの時悔しかっただろうなー。計はさすがだなぁ。憧れの人を追いかけて自分の色を出せない深に指摘する設楽さんとかこのシリーズの食えない感じのデキる上司大好きスケッチブックのとこ好きでした。深が「お前が怒ってるん、いやや」て言うところ可愛すぎて栄みたいな人は天才肌タイプだから色々なもの背負い込んでキツイが、本当にパワハラ上司なので自分の上には絶対嫌
番外編ということで、本編の国江田計の後輩、皆川竜起のお話でした。
テレビ業界のことは疎いので分からないのですが、テレビ局に勤めている人ではなく外注という形でテレビ制作って行われるようで、竜起の御相手はそんなテレビ制作に携わる外注のスタッフ、名和田深くん。
深はある過去から人の目を見て話すことを避けるようになってしまっていた。そして、学生時代からの憧れのテレビ制作に携わっているが、将来どんな仕事をしたいというビジョンは持っていなかった。
そこを出会って間もない竜起に指摘され、反発しながらも深は自分の仕事と向き合っていく。
竜起は本編の時から太陽のような明るいオーラを放つ人でしたが、主役になっても健在で、むしろパワーアップしてるようでした。深は竜起に出会って自分の仕事に向き合い直し、目標を持つようになれたけど、竜起も深と出会って変わるんですよね。お互いに影響を与えあってお互い成長していくところがとても良かったです。
竜起は本編で計に振られているから(という訳でもないのかもしれないけど)かなり積極的に深にグイグイ迫るけど、引くところは引いて、その塩梅もとても良くて天性のコミュ力を感じました。
毎度思うことなんですけども…
作者さんの、業界見聞というか取材力の賜物というか、緻密な情報量に驚かされるばかりで…ちょっと言葉になりません。
アナウンサー・AD、プロデューサー、芸人…今回ざっとこれだけの肩書きを持つ登場人物がいたのにも関わらず、一つ一つの仕事の内容や組織的なありよう、話す原稿の内容から、お笑いのネタまでも、全部に見入って聞き入ってしまいました。一穂先生の頭の中はどうなっているのでしょう、すごいのひと言です。
皆川は登場し始めたときから、好きなキャラクターだったので、このターンは嬉しかったです。想い人である名和田はADで、皆川と性格は違うけど、キャラも仕事も違うからこそお互いの仕事に対するスタンスに影響を受け合って、それがやがて恋愛的な意識へと向かう過程が、ゆっくりとこじつけも無理矢理もなく、読んでいてとても自然だと感じました。
テレビ局の仕事も専門職の1つ。彼らの仕事描写は BL小説だということを忘れて、「情熱大陸」さながらのドキュメンタリー番組の気持ちで見てしまいました。 BLの要素はほんのりと…エッセンス的な濃度なんですよね、最初は。それが仕事を通して、関わっていく人たちを通して、トラブルや問題を通し、今までやってきた努力や研鑽が実を結ぶ結末を通して、グングン右肩上がりに調味料のレベルまで BL濃度が濃くなっていきます。
もーーーほんとに圧巻ですよね、ストーリー構成が。
独特のセリフ回しもそう。
おしゃべり陽キャの皆川と、関西弁の名和田だったから会話の掛け合いが非常にリズミカル。テンポの良い、クスッと笑えるネタを入れるところもさすがでした。
陽キャの塊の皆川の陰の部分も見えたことで、彼という人物像に深みが出ていました。私は皆川がお気に入りなので、彼の凹んだところも、それを挽回すべく努力しているところ、涙し感動してしまいました。
名和田とのガッツリ「恋愛」は、本当に最後の方になるんですけど、わたし個人的にはそれくらいの量で良かったと思います。ページ的にあまりなくとも、2人は幸せに満ちていました♪
次は番外編2を読むのが楽しみです^ ^