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海賊ものです! 大航海時代のイメージでしょうか? 2段組でボリュームたっぷりですが、まるで映画のような息をつかせぬ展開で、一気に読ませてくれました!
長い銀髪で協会の孤児であるイリス(受け)は、老医者の手伝いで薬の配達に町に出たところ、海賊に絡まれます。そこで助けてくれた赤髪の海賊・ハル(攻め)に何故かそのままさらわれてしまい…という展開です。
攻めは自由な海の男といった感じ。海賊船・ヴァルハラ号の船長です。奴隷等、行き場のない者達を自分の船に受け入れているため、スペクター(亡霊船の)・ハルと呼ばれています。おおらかで、頭が切れ、器が大きい。そして時には海賊らしい俺様ぶりを見せてくれます。
受けは協会の孤児。老医者の手伝いをしています。幼い頃に海賊に両親を殺された為、海賊を嫌悪しています。しかし、受けが持っているとされている『宝の地図』の為、ハルにさらわれてしまうのですね。細身で頼りなさそうな見た目に反して、結構強気。海賊相手にも、しっかり言い返したりします。
乗組員が元奴隷だったり元漁師、元学者とバラエティに富んだヴァルハラ号では、海賊船とは思えない陽気で気心の知れた雰囲気。さらわれた当初は心を閉ざしていた受けも、乗組員達の歓迎ムードに徐々に馴染んで行きます。自分の知識を生かして、乗組員の手当て等しながら。そして無邪気な少年のような攻めに惹かれていくのですね。
受けが持っているとされる『宝の地図』の謎。それに絡んで、他の海賊船にさらわれ、ドSな船長にいたぶられたり、とハラハラドキドキの展開が続きます。そして波瀾万丈を乗り越え、ヴァルハラ号のみんなが見つけた宝の正体とはー。
萌え所は、攻めの意外な純情さ。受けをさらったのも、実は宝の地図が目的では無く…といった所。やきもちやきでもあり、受けが体を見せようとすると「ほかのやつらがいるだろうが!」と慌てて止めたり、他の船員が「ドクター、手当して」と受けに甘えていると、すかさず割って入る。意外と小さい…。
絡みは最後に1回だけ。協会でシスターに育てられた為、やや性に対して潔癖な受けの、かわいらしい反応が見所。初めての経験で何も分からない彼の、初々しい質問にはキュンキュンしました!
『宝の地図』のシステムだったり、戦闘シーンなんかでは微妙に都合が良すぎる気もしますが、まさに海賊といった雰囲気を存分に楽しめました。