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ここ1年くらいでエロ系以外のデジタルBL誌もだいぶん増えた印象ですが、今んとこハニーミルクが一番好きかな。
創刊号のレビューにも書いたのですが、ラインナップがやはり好み!
中でも特にぴいさん、ymzさん、じゃのめさんの作品が面白くて追ってます。
敢えてこの雑誌の微妙な点をひとつ挙げるならば、キャッチコピーでしょうね。
この作品群で「癒ししかいらない!」ってコピーはやはりどうもいまいちピンと来ないため、需要と供給がズレる気がします。
さて中身ですが。
今号はぴいさん、ymzさん、じゃのめさんが勢揃いで私得な上に、残りのお二方(市川けいさん、きゆひこさん)も面白く読ませてもらっている作家陣なので、非常に満足度の高い号でした!
市川けいさん、きゆひこさんはあともう1話くらい読んでからレビューしたいかなと思ったので、今回はお気に入りのお三方のみ触れたいと思います。
・ぴい『気ままなアイツを飼いならせ』第4話
【実はドMな俺様エリートリーマン】×【海外放浪癖のあるノラネコ男子】
これまでは攻めの東雲視点でコミカルに進んでいた本作ですが、今回は(今回からは?)受けの環視点。
放浪する為の資金が欲しくてウリをしていると前話で明かした環ですが──
環が身体を売るようになったきっかけへと繋がる、環の過去のお話です。シリアスモードに突入しました。
個人的には東雲視点のコミカルトーンが気に入ってる作品なんですけど、環の心が浄化されるまで静かに見届けたいと思います。
・ymz『キーリングロック』第4話
監禁が趣味の物書き〔十識〕と監禁生活に甘んじているフリーター〔唯〕のモラトリアムな同居モノ。
こちらも唯が耳に付けているピアスを軸に唯の過去が明かされる回でした。
唯にピアスを捨てさせたい十識のセリフから、十識の心の澱みも見え隠れし始めたかな?
ymzさんの作品はキャラクター達の発するセリフがひとつひとつとても優しい。
けれどそんなキャラ達がどこかみんな幸せの輪からはみ出しちゃってるところがまたリアリスティックだとも思う。
みんなが3話に出てきた女の子のように強く生きれればいいけど、あの子だって本当はそんなに強くないかもしれないし…なんてつい考えてしまうのは作者の生み出すキャラがリアルな証拠なのかもしれません。
・じゃのめ『門限8時の恋人』第3話
【大人になりきれない大人】×【精一杯大人ぶる高校生】
こちらも1,2話の攻め視点から、今回受け視点に変わりました。
途中で視点が入れ変わるのって全然珍しくないんですけど、本作はなんだかすごく新感覚。
子供の時に思い描いていた大人の世界と自分が大人になって知った景色が違うように、大人な攻めの視点を通して読むお話と、大人ぶっててもまだまだ子供な受けを通して読むお話では印象がガラリと変わるようになってます。
なんて巧いんだろうと思いました。
そしてストーリー的には、門限8時の秘密が明かされます。
レビュー書いてて、気に入ってる作品が今回いずれも転換の回だったことに気づきました。
いつも以上に読み応えがあったと感じたのはそのせいもあるかもです。
シーモア版はぴいさんの1p漫画が付いてました。
今回も5つの連載作品が収録されています。
きゆひこさんの『僕らを隔てる青と白』は第2話、その他の作品は第3話と第4話だったので、物語が佳境に入ってきたなという感じの作品ばかりでした。
特に市川さんの作品はこれまではっきりとした恋愛感情が描かれていなかったのですが、今回はグッと恋愛モノらしくなってきた展開です。
ちなみに今回の表紙は『ハニーミルク』vol.4の表紙と物語が続いているそうで、そのラフ画とちょっとしたストーリーの流れが今号で紹介されています。
まだはっきりと主人公の意図が読めない『僕らを隔てる青と白』がどう展開していくのか気になります。