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3歳児と共に暮らす受け。ある雨の夜、子猫を抱えて道端に座り込んでいる男と出会う。関わり合いになりたくない受けだったが、一緒にいた3歳児に「拾ってあげて」と言われ、渋々一泊させることになり…。
ほのぼのと、可愛らしいお話でした。
家族に恵まれず、親戚中をたらい回しにされ育った受け。その後引き取って育ててくれた従兄が亡くなったあとは、従兄の遺児である3歳の男児と2人で暮らしています。本業は官能小説家ですが、収入の不安から、時々知り合いのゲイバーで女装ホステスもしています。
ゲイバーで働いたあと、託児所から子供を引き取って帰る帰り道で、捨て猫を懐に入れてうずくまっている迫力イケメンに出会います。それが攻めで、ちみっこが「ねこちゃんも、大きいねこちゃん(攻め)も拾ってあげて」と泣いて頼むため、仕方なく家に上げます。
そのまま家に置き続けることになり、受けの職業が官能小説家であることを知った攻めが、指導の名目で受けに手を出すようになり…という流れです。ありきたりといえばありきたりなんですが、受けが「誰もそんなこと頼んでない!」とか拒むタイプではなく、結構ノリノリだったのが新鮮でした。転んでもただでは起きない的に、きっちり著作にも活かしてるのがたくましく、まったく被害者ぶってないのが良かったです。
受けの最愛のちみっこも、小さい子供らしくわがままだし、身勝手に騒ぎを起こしたりするものの、基本はいい子で可愛かった。イラストが小椋ムクさんで、ムクさんの描くちみっこって結構レアかも、と思いました。
攻めは、背中に紋紋背負った極道。(攻めの正体は本のあらすじにも書いてあるので、核心的なネタバレではないと判断して書いています) いくら子供自身に懇願されたとはいえ、背中に入れ墨のある身元不明の大男を小さい子のいる家に招き入れ、「子供と動物好きな人に悪人はいない」とお気楽にしている受けには小一時間ほど説教したい気持ちになりました。
そこを含め、ツッコミどころの多い話ではありましたが、ハートフルなやくざ+ちみっこ+子猫、というほのぼの微笑ましいお話で、なかなか楽しめました。
巻末に短編が一本。
こちらは攻めの弟が受け、組の顧問弁護士が攻めというスピンオフでした。作中にもちょろっと出てきたカプで、ちょっと気になってはいたので短編が読めて嬉しいですが、どうせならスピンオフ作として別の作品として出版するべきだったような気はします。
あらすじ:
亡き従兄の息子を育てている官能小説家・祐希(受け)。
ある日、宗哉(攻め)という見知らぬ男を、彼の抱えていた子猫と共に拾い、なりゆきで居候させることとに。
宗哉は祐希の小説にダメ出しし、セックスの実体験を薦めてきて…
祐希は、子どもを育てるため割のいい官能小説のジャンルに転向し、夜は女装しホステスのバイトもやっている働き者。
幼い頃母親に捨てられ、親切にしてくれた従兄も交通事故で喪った経験から、人付き合いに臆病で、恋愛経験もゼロ。
職業と本人の性格が結びつかず、特に女装のホステスなんて相当ハードル高いと思うのですが、祐希に務まるのかな〜と、ちょっと設定にしっくりこない感がありました。
宗哉は、背中に入墨がある素性不明の人物。
祐希の小説のため〜と言いつつ、最初のHから挿入まで済ませてしまう強引さや、
祐希と子どもを自分の家に迎え入れる気満々なところなど、
良く言えばワイルド、悪く言えば独りよがりな人物という感じで、
個人的にあまりカッコいいとは思えませんでした。
二人が両想いになる流れもナァナァで、お互い相手じゃなきなゃダメ、みたいな決め手に欠け、やや盛り上がり辛い感じ。
二人の気持ち自体より、大事な人を失うのが怖い祐希のトラウマ問題や、ヤクザとのイザコザといった二次的な問題に焦点が当たっている印象でした。
番外編は、組の顧問弁護士×宗哉の弟の話で、なぜこの二人??とちょっと困惑。
キャラ的には確かにメイン二人より魅力的かもしれませんが、いかんせん情報量が少ないため、番外編で出てきたところで萌は今ひとつでした。
番外編自体も、特にエロ描写が濃いわけでも、二人の関係に変化があるわけでもなく、物足りなかったです。
全体として、ヤクザ・子育て・女装・官能小説・脇カプ…と色んな設定があるものの、どの要素の描写もちょっとずつで、読みどころが見つけ辛い感じの作品でした。
すみませんが、中立評価とさせていただきます。
はるぽん
あーちゃんさま。
ちょいちょい子供から目を離し、迷子にさせたり誘拐の危機に遭わせたりする受けなので、もし読まれることがあれば説教してやってください。(笑)
あーちゃん2016
はるぽん様
こんにちは~
小一時間説教はいいかも(爆)かなり受けました。
今度手に取ってみたいと思います!