日本最大級のハイブリッド書店
どこの世界にも神っているんだなって思った。この場合BLの世界(笑)
久々に読んだBLだからってわけじゃなく本気でおもしろい。
どうしてそんなことになっちゃうの!?っていうつかみの設定からしてかなりギャグも入っててBLとしては珍しく恋愛以外の部分でも読みごたえがあった。
受けの美祢はやんちゃとか男らしいタイプできっと季慈が現れなきゃいくら見た目キレイ可愛いタイプでもそっちに走ることなかったんだろうな・・・と。
同じことが季慈にも言えるけど出会い最悪の二人が徐々に魅かれあうのが細かな心理描写で描かれて恋愛として認識できるまでの長さが逆に共感がわく。
おざなりになりがちな主要な二人以外の登場人物たちにもそれぞれの思考・キャラがよく描かれ無理のない展開を演出してるのでこれはすごい。
しかもここで!?てところで爆笑させてくれるのも注目ポイント。
1996年12月に初出版された商業誌デビュー作で、出版社が倒産したために
茜新社に場を移して再販されたロングシリーズ物の1作目になります。
原点とも言うべき作品で、この作品に出てきたホテルや配膳会社等多々その後の
作品に登場する事になるんです。
それを考えると日向バイブルみたいな作品なのかも知れないと思いますね。
この作品に関連シリーズの作品なんか付けたら殆どの作品に関連しちゃう(笑)
考えてみたら非常にゲイ率の高い人間関係が構築されてますよね。
でも、それがこの作家さんの魅力でもあるし、別の作品に見知ったキャラを
発見すると非常になにやら嬉しくなってしまうのです。
このシリーズは、この1冊だけ読むと日頃ハッピーエンド慣れした作品を
読んでると物足りなく感じてしまう展開です。
互いに切っても切れない縁を感じながらも、互いに反発して、ガンガン言い合う
逆に言えばそれだけ、飾り気のない関係の二人のような気がします。
演劇サークルでロミジュリのジュリエット役で大学の有名人になった受け様と
大学の学長の子息であり、複合企業の御曹司、でも大学では研究オタクみたいな
ボロボロの姿で冴えないと言われてる攻め様、でも夜にはイケメンで金持ちの
女にモテモテの遊び人系に見えるのです。
ひょんなことから生身の男を女装で落とせるかなんて賭けに乗ってしまった受け様。
そのターゲットがイケメン金持ち攻め様なのですが、受け様もまさかその相手が
あの地味で冴えない攻め様とは気が付かないままに、ホテルに連れ込まれる。
そして、初めから男だと知っていたと言われ襲われちゃうのです。
そこから、まるで犬猿の中みたいな掛け合いと共に切れない縁が続くことに
やんちゃな受け様と、見た目よりナイーブな攻め様とのこれから始まる物語の
シリーズプロローグ的な作品です。