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全編を通して甘酸っぱい雰囲気が漂う再会ものです。
高校時代、告白され振った相手と10年後、職場で再会し…というあらすじ。2章に分かれていて、前半が受け視点、後半が攻め視点です。
攻めの渋川は、イケメンで仕事も出来と完璧なのに、受けに対してのみ好きすぎて情けない感じになっちゃう…という残念攻め。
基本的に感情の起伏が少なく他人に興味が無いのに、高校時代に好きになった受けに対してのみ強い感情を見せます。
受けの築島は男前。攻めとは正反対に感情が豊かで、情が深いタイプなのでしょうね。ノンケなのに、攻めのあまりの好き好きオーラに無下に出来ず、とうとう絆され…という感じです。
前半は、テレビ局のディレクターと、制作会社のディレクターとして再会した二人が、共にドキュメンタリーを撮る事になり…という展開なのですが、攻めが受けを好きすぎて上手くコミュニケーションがとれないのです。
会話はぎこちなく、目が合えば真っ赤になり、肩を叩かれただけで挙動不審。そして、やたら泣く…。受けとのすれ違い状態で、仕事にも支障をきたしちゃうのはちょっとダメだろー!と思いますが…。
とにかく、今まで類を見ない程の情けなさが妙にツボなのです。ここまで全身で好き好きオーラをだしていれば、受けじゃなくても絆されるでしょう!…といった感じで。
また情の深い受けが、自分に対しては小学生男子のような初心な反応を見せる攻めに、葛藤しながらも徐々に絆されて行く様が自然に描写されています。
後半は、若干ほろ苦い攻めの家族との関係に触れられています。受けと付き合うようになり、いい影響を受けたおかげで妹との関係が変化し…という内容。
後半でもちょっとしたすれ違いありです。その後は甘々エッチ。
仁王立ちで、「今日は入れてもいい」と宣言する受けが男前です。そしてエッチになるとやたら饒舌になり、甘い台詞をこれでもか!…と攻めが吐きまくるのに萌えます。
ホントに攻めが類を見ない程情けないので、イラッとされる方もおられるんじゃないかと思いますが…。
受けがとにかく好きで好きで仕方ない攻め…というのが個人的に大好物で楽しく読めました!
攻めは普段はクールで端正な美形なのに、受けを前にすると途端に挙動不審なドヘタレになってしまうところがたまらなく良かったです。
本人は必死で隠しているつもりなんだけど、好きがダダ漏れしてるせいで受けには気持ちが丸わかりというところも良し。
受けに褒められただけで真っ赤を通り越してドス黒くなるほど顔が沸騰しちゃうというというメーターの振り切り方もいい。
おまけにブワッと泣いちゃったりするんですよね。
このドヘタレ攻め、かわいいくてたまらんな!!!って感じでした。
受けは、さっぱり爽快な男前受け。
自分を前にした時の攻めのあまりのヨレヨレっぷりに驚きつつも着実に絆されていくところ、そして時には喝を入れるところが最高。
両思いになってから、気持ちをもはや抑える必要もないので突如饒舌になる攻めの姿にも笑いました。
片思いのときは、ぎくしゃくとした敬語のポンコツぶりだったのに。
後半は攻め視点というところもこれまた良かった。
受けを思い続けて10年。
好きで好きでたまらない気持ちをどうぞぶちまけてください!!と思いながら読んだので、下手な当て馬など登場せず、二人の関係をきちんと固めていく様子が描かれて良かったです。
長年の想いがようやく通じた攻めの喜びが攻め視点で読めるところも好き。
ドヘタレわんこと男前受けの様式美(?)みたいなのをきっちりと満たしてくれてたので、大満足です。
読み終わってすぐに二度読みに突入しました。そしてまた読む!
芸人シリーズは、シリーズものというところにハードルの高さを感じてて未読なんだけど、あの落語家が主役と知ったのでこれを機会に読んでみようと思います!
表題作+小編1の二本立てです。
「あの日の君と、今日の僕」
健吾視点
局ディレクターの築島健吾(受け)はバラエティーばかりを担当していたのですが、初めてドキュメンタリーのディレクションをすることになります。
一緒に仕事をすることになった制作会社のディレクターの渋川幹人(攻め)は高校の卒業式の日に自分に告白してきた相手でした。過去の告白を謝罪し忘れてほしいと言われるのですが、言ってる本人が忘れているとはいいがたい態度です。
仕事をしている時はできる男という感じなのに自分の前だけ挙動不審になる渋川を可愛いと思ってしまう自分がいて、そんな渋川を見ているうちにだんだん自分がどう思っているのかわからなくなってきます。
渋川は健吾とは同じ高校の同学年ですが、クラスもクラブも違い接点はありません。健吾の彼女が渋川を好きになってしまって健吾が振られたため、健吾が恨みがましく渋川のことを見ていて、それに気づいた渋川のほうが健吾の方のことを意識することになり好きになってしまうのです。
そんな渋川は、小さい時から美形でモテモテですが、感情の起伏があまりなく、他人にも興味が持てず、そのせいで家族ともぎくしゃくしています。年の離れた妹が不登校になってしまったため、持て余した両親から母方の祖母のところに預けられることになります。健吾を意識するようになってからは他人にも興味を持つようになるなど自分にも変化が起きます。黙っていることに耐えられなくて、卒業式の日に言い逃げし、二度と会わないと思っていましたが偶然仕事が一緒になってしまい戸惑います。
健吾は男前な性格で、かなりヘタレな性格ですぐに逃げてしまう渋川に次第にいらいらしてきます。忘れろというから忘れて接触しようとしているのに、結局できないのは本人で、お前はどうしたいんだって。告白するつもりはないみたいなのに好意はダダ漏れで、これってやられてる方は苛つきますよね、告白されてないから受け入れるも受け入れないもできないし。結局、他人が渋川の隣に立つのは嫌だと思った健吾が、我慢できなくなってくっつくのですが、絆され感満載でした。付き合うと決めても、初めに本番は無理とちゃんと話し合えるところも健吾らしいと思いました。
「あの日の僕と、今日の君」
渋川視点
渋川が、健吾との出会いを回想しながら、叔父と祖母以外の誰にも興味を持てず、家族ともあまりつながりを感じなかった自分が健吾との付き合う中で、家族と話をしてみようと思ったことで、自分が健吾との出会いで変わったことを再認識します。
健吾が、渋川と渋川の妹と一緒にいるところをみて浮気なんかするはずないとわかっていながら隣にいるだけでイライラする自分に対して苛つくところが、本当に渋川のことを想っているんだとよくわかって良かったです。
付き合い初めは渋川→→→→→→←←健吾って感じがちゃんとフィフティフィフティになっていて、最後までできないと宣言されていたにもかかわらず、少し唐突な感じがしないでも無かったですが、最後までできて良かったですね。
前作「酸いも甘いも恋のうち」の攻めがちょこっと出てきていましたが、私は未読ですが読んでなくても大丈夫でした。読んでいた方がより楽しめるのではとは思います。
左京亜也さんのイラストがとってもよくて、美形なのに好きすぎて健吾の前だけヘタレになってしまうというギャップがイラストで強調されていてぴったりだと思いました。性格男前な健吾もイメージぴったりでした。
高校時代の告白を大人になってまで引きずっている2人の再会ものです。
受けの築島はノンケでしたが、優しくて男前な人なので自分のことを好きすぎる渋川をほっとけなくてだんだん絆されていきます。要所要所で強く出られない渋川の代わりに関西弁でバシッと決めてくれます。
攻めの渋川は美形なのにあまり他人に興味がなく、築島にだけ一生懸命でヘタレになるところがとても可愛いのですが、渋川に任せていると2人の仲が全然進みそうになかったので引っ張ってくれる築島がいて良かったし、そんな築島がひたすら大好きな渋川はとってもいい組み合わせでした。
2人はテレビ局と制作会社のディレクターで、ドキュメンタリー番組を作ることになります。恋愛だけではなく仕事の部分も面白く、お互いが認めあっている関係がいいなと思いました。
表題作だけだとエロが足りないかなと思いましたが、書き下ろしのほうでちゃんと補われていました。
関西芸人シリーズに連なる作品ですが、今回の主人公は、芸人さんではなくてTV局のディレクターと制作会社のディレクター。
10年経っても夢に出てくる、高校の卒業式の後に告白逃げした男と、偶然、一緒に仕事をすることになった築島。
逃げた男渋川の方は動揺があからさまで、、、
前半の雑誌掲載分でキャラクターやストーリーの舞台設定などをしっかり固めて、後半の描き下ろし部分にラブとエロを詰め込んで、ついでに渋川の家族の問題も解決。
築島が男前でかっこいい。
この二人が作ったドキュメンタリーが「酸いも甘いも恋のうち」に登場した落語家・栗梅亭真遊の父の栗梅亭真寿市のドキュメンタリーということで、お馴染みの寄席や真遊が登場、名前は出ませんが小藤もちらっと。
前作を読んでいなくても大丈夫ですが、既読ならばそれはそれで楽しめます。