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狼伯爵が運命を超えて愛する、勝気なシェフの卵。ゴージャス・ケモ耳ラブ!
あらすじ:
料理人を目指す朋樹(受け)は、バイトしながら調理師学校に通う苦労人。
ある日、バイト先のレストランのオーナー夫妻が夜逃げ。
バイト代が貰えず家賃のことで途方に暮れていたところ、エルンスト(攻め)という謎めいた貴公子が現れ…
朋樹は、生活に困窮したら男に身体を売って当座をしのごうという発想に出る、ちょっと向こう見ずな人物。
親に頼らず自力で料理人を目指しているところは立派ですが、基本的な性格は結構世間知らずな子どもという感じです。
エルンストは、そんな朋樹が偶然公園で出会った、仔犬を連れた謎の外国人男性。
後日、男に身体を売ろうとする朋樹と再会し、彼を豪邸に招待。
そこで朋樹を半ば無理やり抱き、自分の伴侶にしてしまうという、こちらもなかなかぶっ飛んだ人物。
ゴムをつけなかったことに文句を言う朋樹のことを「無粋」呼ばわりする等、人間らしい常識やモラルはありません(実際人間じゃないからセーフ?)。
そんなエルンストに雇われ、仔犬の世話係兼シェフとして屋敷に通うことになった朋樹。
料理を美味しそうに食べてもらえることや、仔犬たちと触れ合うことを楽しみ、そんな日々の中でエルンストに惹かれていき…という展開です。
王道のシンデレラストーリーですが、朋樹が結構ズケズケ物を言うタイプなためかあまり花嫁モノっぽさがなく、読みやすかったです。
狼伯爵や仔犬たちの設定についてはもっと掘り下げられそうで、やや物足りない印象。
狼姿のエルンストのモフモフ感や、両想いになったエルンストと朋樹のやり取りなどは楽しめ、ゆるいファンタジーとしてサラッと読める一冊でした。
料理の専門学校に通う苦学生の受けと、偶然出会った外国人の貴公子攻めのお話です。
受けはバイトをして学費と生活費を稼いでいるのですが、ある日バイト料をもらう前にバイト先が倒産。途端に困窮して困っていたところ、モコモコの子犬2匹を連れた上流貴族風の外国人攻めと出会います。
なぜか子犬たちに懐かれた受けは、子犬の世話とハウスキーパー兼シェフとして、攻めの屋敷で住み込みで働くことになります。
まあありがちな展開ではあります。攻めの正体はあらすじにも書かれているとおり人狼なのですが、その設定を加えてもまだありがちです。
でも料理人を目指して料理の専門学校に通っている受けは料理が得意で、お料理上手な受けが個人的に好きなのでそこは楽しく読めました。
あと子犬たちが可愛い。子犬ではなく子狼ですが、表紙のイラストからしてコロコロモフモフしてて可愛い。しかもこちらも攻めと同じく人狼で、人型になったらそのまま可愛い4歳児に。外国人の双子の4歳男児…受けがメロメロになっちゃうのも頷ける破壊力です。
双子は伯父である攻めのことを「パパ」って呼んでいるのですが、それを聞いた受けに誤解されそうになって焦る攻めがちょっと可愛らしかったです。いつも結構冷静な攻めだったので、ギャップに萌えました。でも結局双子がなぜ攻めを「パパ」なんて呼んでるのか、理由が出てこなくて片手落ち。「子供たちが勝手にそう呼んでいるだけだ」っていうけど、普通伯父さんのことを「パパ」なんて呼んでたら母親がやめさせるでしょうよ…。外聞が悪いでしょ…。
ありがちな展開に個性を付け加えるためか、割と珍しい設定やエピソードがちょろちょろ付いていました。でもそれが上手くハマらず突拍子もない感じだったのと、あと突然出てきた悪役や突然起こった誘拐事件にもちょっと唖然としました。あと受けが攻めの愛の言葉をことごとく信じていないのがちょっとかたくなすぎる気がしました。
苦学生の朋樹(受け)はバイトをしながら調理師専門学校に通っていましたが、ある日オーナー夫婦が夜逃げしてしまい、前月の給料も未払いで途方にくれてしまいました。ぼんやりしていると援交を持ち掛けられます。そんな仕事もアリなんだと思い、どうしようかと迷っていると、二匹の仔犬が飛び込んできてイケメン外国人と知り合いになります。
当座のお金がないので、日払いのバイトを探すのですが見つからず、背に腹は代えられずと割り切って朋樹は身体を売ることにします。いざ交渉をしていると先のイケメン・エルンスト(攻め)に横から言い値で買うからと自分の家に連れていかれます。
売りの交渉をしているときに声をかけてきたので当然売りをさせられるのだろうと思っていた朋樹でしたが、エルンストは仔犬の面倒を見させるために買ったつもりだと言います。朋樹が間違いに気が付いた時には時すでに遅くエルンストに美味しく食べられてしまいました。
この時にエルンストはお互いから出るフェロモンに気付き運命の伴侶だと気が付くのですが、朋樹は気が付きません。
なので、朋樹は仔犬の面倒+ハウスキーパー+セックスの相手として雇われたと思っています。エルンストが自分を恋人のように扱うのに戸惑い、外国人なので言葉使いを間違えているだけだと自分に言い聞かせて納得しています。が、住み込みにしてもらい学費も何もかも出してもらって大切にされているうちにどんどんエルンストのことが好きになってしまいます。
タイトルでネタバレしている通り、この双子の仔犬もエルンストもヴァラヴォルフという種族の人狼でした。エルンストはヴァラヴォルフの長なのですが、勢力争いに巻き込まれたりして二人がちゃんと気持ちを確かめ合うことができめでたく恋人になることができるまでが描かれています。
展開は王道で、かつちょっと駆け足な感じがしました。朋樹はどんどん好きになっていくのに雇用主と雇い人の関係だからと思いこもうとするところが切なかったですがそれ以外は甘かったと思います。
4人の生活に重点を置かれていたので楽しかったのですが、争いに巻き込まれて解決してから想いを確かめ合ったらすぐに終わりだったのでちょっと物足りなかったです。できれば朋樹が学校を卒業して料理人になったところとかエルンストの故郷に行く話とか権力争いも別に解決しているわけでもないし、もう少し読みたかったです。
あと、来日していた理由とか、子育てに向いているとは思えないエルンストが仕える人が大勢いるのにあの広い屋敷で独りで子育てすることになった経緯とか、しばらく日本に滞在するみたいですがヴァラヴォルフの長の仕事はどうなっているのかとか、格好良さげな従僕の人たちとの絡みも読みたかったです。
狼のイラストがすごく良かったです。子狼はものすごくかわいいし、エルンストはかっこいいし、ふわふわふかふかで抱きしめたくなりました。いつももふもふできる朋樹が羨ましいです。
まるでランチのコース料理のようなお話でした。
前菜、メイン、デザート、コーヒーと一通り味わえます。
深刻な金欠で体を売ろうとしていたら、いきなり超絶美形の外国人に連れて行かれ…。
お話は本当に一通り揃ってるんですよ。
出会い、モフモフ、ちびっ子、運命の伴侶。そして意思の疎通が足りなくての受けの切なさ。もちろん受けのピンチも揃ってます。
出会いからエッチまでの展開が早く、受けの誤解もあって、やることやってるのに噛み合ってない感が吉と出るかどうか。
そしてやっとな意思の疎通にでもでもとなかなか受け入れられず、いつまでも確かめたがる受け。
人狼ものをサクっと読みたい時にいいかもしれません。
運命の相手のフェロモンの効きがすごいですね!!