ポッチ
コミコミスタジオさんで『子爵と冷たい華』を購入するといただけるおなじみの小冊子。大きさはA5、カラーの表紙+モノクロの表紙+小説部分7P+裏表紙の合計12P。
もう表紙が…!円陣さんの綺麗すぎる表紙が、カラーで、やや大きめのサイズで堪能できて、これだけで悶えてしまいます。色遣いも素敵だし、二人の表情がこれまた素敵。
と表紙だけで悶えているわけにはいきませんので、内容のレビューを。
7Pある小説のうち、5Pは穂積さん×志季のお話。タイトルは『朝の贈り物』。
時系列は本編終了後。志季視点で描かれています。
朝目を覚ました志季。
恋人である穂積のために朝食を作ってあげたいと使用人たちも休ませて準備万端だったはず。
なのに起きたらすでに穂積は起きていて、事もあろうに彼が朝食を作ってくれていて。
自分が朝食を作るつもりだったのに、と穂積をなじる志季ですが、
あんまり可愛く寝ているから起こせなかった。
今は時間的にブランチ。
志季がつくると約束してくれたのは朝食だから、ブランチは自分がつくる。
としれっと返す穂積ですが、食事よりも先にお前を料理してやろうか、と言いながら志季に手を出し始める穂積で…。
というお話。
今まで性的な快感を感じたことのなかった志季は、穂積に抱かれるようになって急に淫らになっていく自分が恐いと。
父方の一族と同じ、淫蕩な人間になってしまうのが恐い。
と訴える志季がめちゃめちゃ可愛いです。
そしてそんな志季に、安心するように言葉をかける穂積もいい男でした。
その後はエロエロ~な展開へ。
ひたすら甘くて優しい雰囲気に包まれたお話でした。
後半は嵯峨野経行視点のお話。タイトルは『昔日の夢』。
異母弟である紫雲と一緒に食事をしている経行。
いきなり紫雲に
「それで、お前は貴久殿と寝たのか」
と問われ動揺する経行で。
懇意にしている紫雲であっても、自身の貴久への想いを告げるのは抵抗があり、またその想いを紫雲に知られているのもつらいものがあり…。
そんな会話をしているところに、当の貴久に聞かれてしまって。
そんな過去があったなと思いだしているところに紫雲の忘れ形見である伏見義康に声をかけられ…。
と、ちょっと長いスパンのお話。
長くわたる『清澗寺シリーズ』の基盤のようなお話がさくっと2Pで読めたのがとても良かったです。
この小冊子が欲しくてコミコミさんで購入しましたが、とっても満足な小冊子でした。