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終始穏やかな雰囲気進む、とっても甘くて素敵なお話でした。21歳の年の差ものはなかなかないのではないでしょうか?
人気実力派ベテラン俳優の攻めと、ひょんなことから攻めの家に居候をさせてもらうことになった大学生の恋の物語。
両視点で語られる日常生活の中に小さなときめきがあちこちに散らばっていて、読み進めながらときめきを拾い集めてはじわじわと萌えが積み重なっていくようで、最初から最後までふわ〜っとした甘い香りがするんですよ。
はー、良かった…!お互いをかわいい・かっこいいと想い合う2人の姿に思わずにこにこしちゃいます。
両片想いでもだもだとする姿に、なんてかわいい2人なの…!と幸せな焦ったさでいっぱいになりました。
こちらの作品、なんと言ってもキャラクターが良くって!
年上の俳優攻めって、いわゆるスパダリだったり…THE頼れる大人が多い印象があります。
もちろんそんな完璧な人物像も大好きなのですけれど、今作の攻め・春樹はどこかぽやぽやとしていてぬけた部分のあるキュートな人なんです。
普段は俳優として年相応な色気たっぷりの演技を魅せてくれるだけに、素の姿が本当にかわいらしくてギャップにやられてしまう。絶妙にツボを押してくる良い攻めでした。
そして、彼の相手となるのは演劇の世界に強い憧れを持つ役者志望の大学生・友理。
前向きで気持ちの良い性格の努力家で、なおかつ物事を俯瞰で見られる賢さを持っていて好感度大です。
一生懸命な子って応援したくなりますよね。
しっかりしているので子供っぽさは感じませんし、精神年齢で言うのならきっと春樹よりも年上なのかもしれません。
でも、恋愛面ではまだまだひよっこ。初めての恋に戸惑い悩む姿は年相応のかわいさでいっぱい。
同居生活を送りながら、共通の趣味である映画鑑賞会で距離が縮まっていく様が自然で、年の差ものならではのもどかしい葛藤の数々の描き方も読みやすい丁度良さ。
安西先生の書かれるお話、好きだなあ。
相性抜群の2人のやり取りが気持ちが良く、非常にかわいらしい1冊でした。
俳優として忙殺されてきた春樹の心を明るくするような友理の一言が印象的で、今後も良い関係のまま一緒にいる未来が想像出来る素敵な2人です。
俺の友里はやっぱり最高!
もうすぐ40歳の俳優春樹と俳優志望の東大一年生の男の子友里のお話です。
明るく楽しく良いお話でした。
両視点が交互に書かれています。
私は春樹の方に興味を引かれました。
子役から始めてブランクなしで芸歴35年。
人の人生を演じるばかりで自分の人生は空っぽだなって振り返るところとか。
普通の学生生活など味わえなかったものがいかに貴重だったか。
ずっと年下で可能性の塊みたいな友里が可愛くて眩しくて。大ベテラン俳優の自分のパワーバランスとか、こんなおっさんがとか悩んで迷って可愛かったです。
春樹が初めて自分で選んだ恋人や充実していくプライベート。素敵な恋人ができて本当に良かったね!
友里もしっかり者の男前で。春樹が出来なかった分俺が挫折や苦労をするのを見ていてくださいって。
春樹の友里は最高だな!
人気俳優と俳優業に憧れる大学生のお話。年の差もので、素晴らしくよき年上攻めですね。好きな作品です。
芸能一家に育ち、子役から始めた芸歴は35年。呼吸するように演技モードに入ることができるベテラン俳優・岩舘は、姉でマネージャーの絹を通して知り合ったかつての高校生・友理と再会します。大学生になった友理は俳優を目指し、岩舘も出演する舞台のオーディション真っ只中でした。
家族に芸能界入りを猛反対されている友理は、父親を説得させるために現役で東大に合格したガッツのある子。奇跡的にオーディションの最終選考まで通過して無料レッスンを受けられることになったけれど、他の面子と自分を比べて自信を失います。ここまで残れたのはビジュアルと素人臭さを期待されてのことだと。
そんな二人が急遽、同居生活を始めるのですが…
岩舘がめちゃくちゃ魅力的なんですよね〜。BLに登場する俳優キャラには珍しいタイプかもしれない。天才肌なのに柔らかくてちょっと抜けてて、いいかげんでも自暴自棄でもない。キャリアも長いし、絹の教育のお陰もあってなのか、俳優岩舘が世間やファンにどう見えるかを優先しながら生きるのがあたりまえになっているプロ意識。今も昔も男は40からがセクシーだと思っている身としては、岩舘がツボすぎてずっと悶えていました笑
俳優を志す友理は、好きな気持ちや努力だけでは突破できない向き・不向きがあることを若いうちに身をもって思い知ります。でも、途中でやる気をなくしたり、腐ったりせずに最後までやり遂げて自分なりに何かを掴む強い子です。恋愛に関してはうぶうぶなところがまた可愛いくて、あっけらかんと前向きな欲望が若くて健康的で眩しいよ…(イラスト効果も有り)。彼の10年後、20年後がどうなっているのか、ものすご〜く興味あります。
年の差だからこそ補い合えるような関係が綺麗に出てて、カップリングがなんたって最高ですね!
俳優としては充実した人生を送っているかもしれないけれど、素の人生は中身がなくてスカスカだと落ち込む岩舘に、これからも努力して何度でも挫折する自分を姿を見ることで、一緒に人生を経験して欲しいって友理が伝えるシーンなんかもー、グッとくる。
安西作品は、これ一目惚れじゃね?と思いながら読んでるのが結構あって、でも始めは戸惑って素直に認めないんですよね。ノンケなら当然なんですが、そこから恋愛に発展するようでいて、やっぱ一目惚れじゃん!ってなる笑。だからどうも好きになるのが早すぎる〜っていうのと、受けの若干高めな乙女度が引っかかってしまうんですけど、ガチで巧い作家様だと思ってます。
安西リカ先生の作品は、自分的にはハズレが無いんです。そして今回も最高に素敵なお話でした。
役者志望の友理の希望が簡単に叶わない点もリアリティがあって良いんです。そして春樹との同居生活でお互いが特別になって行くのが、丁寧に書かれているのにテンポが良いのが流石だと思いました。
好きなのに臆病になってた二人なのに、気持ちを伝えようとしたタイミングが同じだったのにはかなり盛り上がりました。
書き下ろしの「ふたりで過ごすウィークエンド」では、春樹が姉の絹に「別れなさい」と言われた時は二人がどんな選択を取るのか心配だったんです。
ここも二人とも別れない決意をするタイミングが同じで、なんてお似合いの二人だろうと思ったんです。
友理の初めての外デートに拘る春樹が可愛くて、二人のデートをワクワクしながら読みました。観覧車ではしゃぐ二人の金先生のイラストが最高に可愛いです。
そしてデートする二人の姿は一般人によってSNSに投稿されていて…腹を括ってる二人は強くて、そして絹も絶妙な案を携えて二人の元を訪ねて来た事にグッジョブと叫びたくなりました。
年の差カップルだけども友理が賢くてしっかり者だし、春樹は天然でおおらかなのであまり年齢差を感じないんですよね。
このまま素敵なパートナーになる予感を感じさせるカップルでした。
安西先生の年の差ものも良いですね。
安西さんにしては珍しいなと思った年上攻の年の差ものです。
40になろうかという人気俳優攻と、役者になりたかった18歳東大生受。
かなりの年の差ですが、軽い筆致のためそんなに年の差は感じさせませんでした。というか、受のフレッシュな感じに引き摺られて、攻がかなり若返ってるという印象です。
俳優という職業柄なのかもしれませんが、一般的な社会人を経由せずにずっと芸能界にいるからか、年上攻の重厚感とかはなく、少し軽いかなという感じ。
受の方は最初は憧れの役者相手に猫被ってる部分はあったものの、生来の無邪気さとハキハキとした爽やかさが非常に好感が持てました。
いやなんというかもう、若さが眩しいです……。
基本的に二人の間を裂こうとしたりする、悪意のある人間が出てくることはなく、芸能物定番のマスコミにマズいシーンを激写されてしまった! みたいなことも起りません。
ストレスなく最後まで甘い話を堪能できましたので、全体としては満足です。
ただ折角の20歳差以上の年の差なので、やっぱり攻がもう少し精神的に大人だったらよかったのになぁ、というのが残念でした。
観覧車デートのシーンなんかは、恥ずかしくて出来るかと思ってたはずなのに、結構攻の方が乗り気だったよね、と思うとそれもまぁ、このふたりらしくて可愛いな、と思いました。
マネージャーの絹さんがこの先苦労しそうで気の毒です(笑)