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絵の雰囲気が好きで、最近気になっていた作家さん。
本屋で見つけて、あらすじ等あまり読まずに購入。
割と勢いで買いましたが、購入してよかった〜!!
物語は生まれ変わり物で大正⇔現世のお話しです。
始まりから終わりまで暴力表現が多く(寧ろメイン)
全体的にシリアスで暗い雰囲気。
エロは薄めです。どちらかと言えば
リョナ気味なので苦手な方はご注意を!
物語はしっかり構成されており、
すっかり、惹き込まれてしまいました。
大正時代の猟奇事件を中心に物語が進むので
『京極夏彦』や『江戸川乱歩』が好きな方は
きっとハマると思います!!
画風が少し昭和チックなのですが、
物語の雰囲気にぴったり✨
丸男末広や古屋兎丸等のガロ系漫画が
好きな方にはオススメです。
シリアス展開ですが、ラストはある意味
ハッピーエンドかも...?
前世からの復讐という名の純愛?のように感じました。
大声であまり人にはオススメ出来ませんが(笑)
普通のBLにはもう飽きた!!アングラなBLが読みたい!
という方には是非読んで欲しい作品です✨
江戸川乱歩、横溝正史、夢野久作や谷崎潤一郎、渡辺温、高橋葉介など
耽美幻想文学・怪奇な世界が好きな者にとっては堪らないストーリーだった。
時代をまたぐ因縁と人間の悲哀、
猟奇的な愛憎の描きかたが素晴らしい。
得体の知れない原初的な恐怖と官能が
実はとても近いものであることを窺わせる。
また、表紙やカラーページ、
カバー下に描かれた絵に痺れた。
非常に悪趣味で、美しい。
この独特の色使いに表現される、
時代の持つ仄暗さがとても情緒的。
昭和の娯楽雑誌「少年倶楽部」の挿絵を彷彿とさせる。
春泥先生の絵柄がまたなんとこの世界にマッチしていることか。
この独特のタッチでなければ、
このような物語を支えきれないのでは。
ストーリーによく映え、このタッチこそが
物語を物語たらしめている。
故人の文学ならともかく、
今この時代にこのような作品を読めるとは思わなかった。
読み終えて、月食奇譚という作品は果たしてどこからどこまでのことを指すのだろうかと考える自分がいます。
一度開けばページをめくる手が止まらず、あっという間に一気読み。
すごいものを読んだな…とため息が出ました。
BLとしてはもちろん、怪奇ものとしても面白かったです。
物語も絵柄も非常に個性的で、魅了されるかされないかがはっきりと分かれる作風だと思います。
カバーイラストからしてただものではないといいますか、まず普通の恋愛は描かれていないだろうなと、読み始める前から期待でいっぱいでした。
結果、このダークでニッチなところを攻める雰囲気は非常に好みで大当たり。
一筋縄ではいかないぐるぐると渦を巻いた複雑な関係や、読む人を選ぶ重ためのテーマ、見てはいけないものを見てみたい方や、好奇心が強い方におすすめしたい1冊です。
1920年…と連続殺人を語るモノローグから始まる物語。
冒頭から衝撃で頭を殴られます。
ところが、衝撃のままにページをめくると、何事もなかったかのように少しだけ生き辛そうな男子高校生・照道のごく普通の日常が描かれているのです。
ここからの展開が本当に上手かった。
照道と少々危うい魅力のある同級生・臣彦の曖昧な関係を追っていくと、少しずつ少しずつ月食奇譚の世界に足を引き摺り込まれ、気が付けば呑まれていってしまう。
謎めいた1冊の本と、何人もの少年が関係する愛憎入り混じる歪んだ人間の感情の行方にすっかり夢中になりました。
彼らの結末をどう感じるか?
こちらも読み手によって異なるものでしょう。
自由に解釈できる結びも含めて非常に魅力的な作品でした。
最近私の周りでも話題の作家さんで、気になっていたので他作品も調べて、いちばん良さそうだと思い購入しました。
他の方のレビューでも散見されますが、まるで近代文学の怪奇小説のようです。
例えば江戸川乱歩や夢野久作、梶井基次郎といった雰囲気を持っていて、読後に何か心に塊が残るメリバというにも難しいような作風でした。
雰囲気としては、やはり全体的に暗く「愛しているから殺す」という独特かつ耽美な(というより頭のおかしい笑)思考を中心に進むとても好きなタイプのお話でした。
春泥先生の絵柄が、大正の転生もの というジャンルにとてもマッチしています。また、ミステリーの要素も孕んでいるため最後までドキドキしながら読むことができます。
グロやミステリー、猟奇的な作風が好きといった方にオススメしたいです。
これはBLの文脈というより、夢野久作とか江戸川乱歩とか横溝正史などの異端怪奇小説、猟奇小説の系譜だと思いました。
ミステリーとホラーとオカルト、そしてレトロが融合して、非常に奇妙で悪夢のような物語世界を創り出している。
私は怖い話が好きだし、横溝正史大好きだからこういうタイプの話はイケますが、「BL」を読むつもりだけで読み始めるとエッとなってしまうかも。
これから気持ち悪い話を読むぞ、という気合いがいりそうな作品です。
だって、100年前の少年連続殺人の被害者の生まれ変わり達が、殺人者の生まれ変わりを復讐で殺しにくる、という話なんですから。
殺人者が何度でも殺される。
刺し殺される殺人者。
溺死させられる殺人者。
血みどろなのに起き上がり、また殺される殺人者。
もはや現実なのか白日夢なのかも定かでない。
これは相当に気味が悪い。苦手な人はやめておいたほうがいいと思います。
快楽も恐怖も感じられない倒錯者としての作家・黒岩の冷え冷えとした心象風景。
「快楽殺人」というのは、快楽を感じるから殺すのではなくて、何度試しても自分では得られない快楽を知りたくて、結果的に殺してしまうのでは?
この物語のラストはどう解釈したら正しいのか、やっと因果の輪が閉じるのか、それともやはりまだ終わらないのか。なんともモヤる終わり方。
でもそれもまたこの作品の色によく合っている。