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歪んだ双子とペット契約
ドラマCDを聴取したので久しぶりの再読。
森世先生の作品は麗しくキレイな絵柄にドロッと重めのお話が多い印象です。
ハッピーエンドなのだけれど、万人が思い描くハッピーではなく、どこか心にとげばひっかかったままになる読後感があり、苦しく、でも、癖になります。
ひらがな5文字のタイトル、読後に気づくいくつもの意味、素晴らしいタイトルだと思いました。
元彼に背負わされた借金500万円の返済に苦しむ斗和。
未成年でΩで、体を売るしかないところまで追い込まれます。
途方に暮れていた斗和に声をかけてきたのが金持ち双子の誠司と愛司。
借金返済のため、と大金につられて一夜をともにした斗和。
事情を知り、愛人契約のような形で借金返済、斗和と3人で同居を始める誠司と愛司。
それぞれの事情、エピソード、かなり突拍子もないようにも思えるのですが、この3人のやり取りで、あれよあれよという間に、話が進んでいくのが小気味いいです。
誠司と愛司の関係を知り、それを拒否することなく自然のことと受け入れる斗和。
斗和が少しづつ誠司と愛司の違いを見て、感じて、別の人間として扱うようになっていく様子は、じんわりと胸に暖かく感じました。
そこからはけっこうな胸糞展開。
見分けられたくない愛司、愛司と違う言動を愛司に知られたくない誠司、どんどん2人を見分けられるようになる斗和。
それぞれつらい過去があり、未来への考えがあり、理由がある、3人ですが、愛司の言動がどんどん悪化していく様子は読んでいてとても胸が痛くなりました。
愛司が小爆発を繰り返す様子を、誠司と斗和はそれぞれの立場、関係、気持ちで考え、受け止め、受け入れようとします。
逃げる愛司と、追う2人、そして3人そろったときの、ぶつかり合いからの理解。
3人それぞれの悩みと3人それぞれの弱さがあって、めんどくさい 3人のめんどくさい幸せが訪れたラストでした。
うーむ、表紙から分かりそうなものですが、さっくり言ってしまうと双子から愛されるオメガバースです(まとめすぎ)。
この双子が、イケメンでお金持ちでスパダリだったりするとよくある設定なわけですが、それに加えてちょっとゆがんでいるというのが独特です。
お金に困っているところ、体を買われたとわ(オメガ)。一夜だけでは終わらず、借金を返す代わりにしばらくセフレになる、という辺りの始まり方はいかにもな感じです。
しかし住み込んでみると、この双子の関係はどこかいびつで。。
双子でアルファとオメガである二人。お互いに愛し合っていて、しかし双子という宿命、許されない関係を打開しようと第三者のとわを使おうとする。。
結局は、絡みあっていた二人の関係をとわが解いてあげる、そんなお話でした。
出だしや、二人が悩んでいる理由の説得力が、ややうーんという感じです。
有名な作品だったので読んでみたいなぁと思いつつも、オメガバース、3P、近親相姦と個人的な地雷が多く・・・ずっと購入するかどうか悩んでいましたが、結果読んでよかったと思います。好き嫌いが分かれる作品だと思いますが、ストーリーは王道です。満たされない穴を埋めるような関係性で、恋愛というよりお互いへの絆の要素が強く、BLに少女漫画要素を入れてほしくない私にとっては理想的なストーリー展開でした。
ただ、Hシーンはプレイ(道具など)特化型なので、ラブラブHに興奮するタイプの方(私もそうですが)は結構しんどいと思います。オメガバースの設定があるからこそ双子設定が生きていましたが、オメガバースに期待する番とのいちゃいちゃラブラブHはないです。
なので、BL的な萌要素があまりなかったという意味でこの評価にしました。ただ、物語としては斬新で魅力的だと思います!
これは個人の感じた印象ですが、(双子α×双子Ω)+黒髪Ωでした。
方程式のようになってしましまたが…(笑)
二人だけの世界で生きていた双子は、片方がΩで片方がα。
互いが絶対だし、何もかも一緒。見分けをつく人もいなく、それでいいと思っていた二人にある日、第三者である斗和が介入します。
イメージとしては某ホスト部の双子に近いです。
斗和は元彼に騙され500万の借金を負い、両親を小学生の頃に失っている…なんとも辛い境遇です。
そんな斗和を道端で買ったお金持ちの双子。
もちろん斗和も最初は判別できなかったのですが、三人で暮らしていくうちにだんだん知っていきたいと思うようになり、二人の違いを探します。
そんな斗和を好きになった二人…に思えたのですが、最後はそうでもなく…?
Ωの愛司はαの誠司に捨てられたくない一心で、斗和とくっつけようと画策しますが、そうではないと…。
結局、双子は互いを愛していて絶対無二、この双子は共依存です。
それでも斗和のことは好きだし、斗和を二人を好き。
そんな端から見たら少し歪な関係で収束。
描き下ろしは、その後のお話。
なんと誠司が見た目を変えたことにより、二人が固執していた”同じでないといけない”という思いが経ち切れたように感じました。
軽い軟禁?っぽいことはあったかもしれませんが、ヤンデレっぽさは見受けられませんでした。残念…。
あと私自身が”二人の関係がすでに確立していてそこに第三者が新たに介入し、三人で仲良く暮らす受け二人”パターンがあまり得意ではないため「中立」としました。
冒頭から誠司と愛司は"不思議な双子"という言葉が当てはまるような謎多き人たち。
お互いを求め合い、愛し合っているのに
ふと気持ちを取り繕うような素振りを見せてみたり…掴みどころがないなと思っていたけれど
斗和が間に入ることで少しずつその印象も変わっていきました。
途中、すれ違う双子たちにハラハラする場面もありましたが
でも斗和の存在が彼らを救って、お互い胸に燻っていた気持ちを吐き出せて本当に良かったなと思いました。
スッキリしたあとの3人の穏やかなやり取りを見ることが出来て嬉しかったし
斗和のにっこり笑顔に癒やされました。
双子や斗和の過去はツラいものでしたが、3人共が幸せそうなラストだったのがすごく良かったです。