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読み直しつつ、ふと見てみたらレビューがなかったので僭越ながら。
爽やかな表紙とは裏腹に、結構笑えます。
笑える作品というのは難しいもので、ツボが合わないとひたすら寒く、萌えるはずのところも粗に見えてしまったりするけれど、ツボが合えば相乗効果で萌え度も高くなる。
心の中のノリツッコミ系の小ネタがちょこちょこ挟まれるタイプの笑いが好きな方は、合うと思います。
大型ショッピングモールの駐車場整備を担当する社員と、アルバイトの大学生の話です。
自分にだけ冷たいアルバイトの山園に、嫌われていると常々感じていた遠藤。
年末商戦でシフトに絶対穴を開けたくない遠藤は、無遅刻無欠勤でシフトの穴まで埋めてくれる山園と、円滑な人間関係を築くべく頑張ってみたものの…。
他の人には普通なのに、自分にだけそっけない態度。
よほど嫌われてるか、すごく意識されているかのどっちかですね。
というわけでもちろん後者なわけですが、遠藤のある一言がきっかけで山園のタガが外れます。
必死すぎてちょっと怖いくらいの攻めに、これまた社畜すぎてちょっとズレている受け。
もともとpixivにあげていた作品とのことで、雑誌連載にありがちな縛りもなくて自由度が高いです。
家に帰ってからえろすに至るまでのやりとりで数話使えるのは、アマ作品の強みかも。
会話やモノローグの中のノリツッコミや自虐が楽しいし、シフトのために体まで差し出そうとする遠藤の社畜っぷりはツッコミどころ満載(いい意味で)。
ツボが合えば、結構早い段階で遠藤に共感できるので、後半の恋愛色強めな展開も遠藤と一緒にジリジリを味わえました。
個人的に好きなのは、職場から家へ帰る途中、ドラッグストアに寄るシーン。
この辺りの遠藤のモノローグが絶好調で、何度読んでも笑えます。
ストーリー的には目新しいものではないけれど、そこに盛り込まれた笑いを楽しんでほしい作品です。