ボタンを押すと即立ち読みできます!
小学生の時に転校してきて仲良くなった友達が、なんの知らせもなく再び転校していってしまった…
地元北海道の公立図書館で司書として働く歩は、職場で偶然昌之と再会します。昌之は小学生当時車椅子で、歩がお世話係をしていた転校生でした。彼こそ、夏休み明けに突然姿を消した歩の大切な友達でした。
黙って置いてけぼりにされたことを少なからず恨んでいた歩にとって、昌之は初恋の相手といってもいいほど忘れられない相手だったのに。大人になった昌之は車椅子姿ではなく、いつも見下ろしていた歩より15センチ以上も背が高くなっていて…どきどき。
歩は小学生の頃からやんちゃなスポーツ少年で、昌之を守ってやる!立場でした。でも本を読むのも大好きで、同級生からはなかなかその二面性を理解されず、昌之だけが本好きな歩の気持ちをわかってくれたのです。
大人になって再会した二人は、秘めていた胸の内を割と早い段階で暴露していく気配を感じさせてくれますが、昌之がなぜ歩のもとに姿を見せたのか、なぜ何も言わずに転校していってしまったのかは終盤にさしかかるまでお預けです笑
途中、歩の同僚で元消防士の沢渡が二人の仲に水を差したり、昌之が仕事で北海道に来た事情を知って歩がショックを受けたり、小さな事件に見舞われながらも、ヤケ酒に泥酔した歩を昌之が介抱したお陰で二人の誤解を解くきっかけが訪れます。酔っぱらってレロレロな歩が見どころ。
昌之が歩の前に現れた段階で何を思っているのか、彼の真意や意図がわからないからキュンとしてしまうんです。時間の経過が変化や妄想を生む、再会ものの醍醐味が満載。ちょっとBLBLしすぎな気もするけど…最終的に彼らが選択した結末を、優しく見届けてください。
サクッと楽しめる王道展開ですが、作家様のふるさとが舞台だという北海道の季節感や、モデルとなった図書館の雰囲気が味わえるのもまた一興です。